「え?依頼?誰のかしら?」
「俺」
「はいはい、冗談はほどほどにしなさいな」
「冗談じゃねぇよ!リアルだから!マジだから!」
カルデア隧道を抜け、すぐにレイストン要塞に行こ うとしたが、予想以上に警備が厳しいので、遊撃士 に協力を頼もうとしたが、受付のキリカさんの対応 がヒドかった
「いや、だって…あなたに手伝いが必要な仕事が想 像できないのだもの」
「俺は人外か何かか!?」
「それにあなたが人を頼るなんて…明日は嵐かしら ね…」
「俺だって人だからな!?無理な事だってあるから な!?」
そんな風にずっとからかわれながら進まない会話を 続けていると…
「キリカさ~ん!グランセルで受けた運搬の依頼終 わりました~♪…ってアレ?」
茶髪の溌剌とした女の子(つっても同い年くらいだ が)が入って来た
「あら、ご苦労様アネラス」
「あ、どうもです。この男の子は?」
「ああ、俺はケイジ・ルーンヴァルト。一応王国軍 に所属してる」
「アネラス・エルフィードだよ。よろしく~♪」
軽っ!
「それにしても王国軍の人がここにいるなんて珍し いね。何かあったの?」
「いや、依頼しに来たって言ってるのにこのオバ( スチャッ)…オネーサンガキイテクレナインダヨ」
やっべえ!この人マジでヤバい!
オバサンって言いかけたら何の躊躇いもなく輪刀首 に突きつけやがった!
「依頼?」
「…そうね。アネラス、この依頼あなたが受けなさ い」
「ふぇっ!?」
「そうね…ケイジが依頼するくらいだからまず難易 度はAランク以上。同行人は一人…でいいのよね? 」
「ああ。…後、難易度はヘタすりゃSまでいくぞ」
命懸けだからな
「ええっ!?Aランク以上!?そんな依頼私が受け て大丈夫なんですか!?クルツ先輩とかシェラ先輩 とかに任せた方が…」
「そうしたいのは山々なんだけど…どうも急ぎみた いだから。それに同行人が遊撃士ランクで換算すれ ば確実にA以上のチート野郎だから問題ないわ」
「チート言うな若作り」
「依頼…取り消しでいいのね?「すんませんでした 」」
ちくせう。人の弱味につけ込みやがって
「あの~…それで私の処遇は…」
「逝ってきなさい」
「ですよね~(汗)」
こうして、しばらくの間だが、コンビが見つかった
―――――――
~ソルダート軍事路~
「いいな、今回の依頼はレイストン要塞への侵入及 び内部調査だ」
現在任務内容をアネラスに説明中です
「内部調査って…何を調べるんですか?」
「………ま、気が向いたら話すよ」
流石に軍のゴタゴタに遊撃士を巻き込むのは申し訳 ないしな
「さて、行くか」
「どこから入るんですか?見た感じ猫一匹入る隙間 も無いっぽいですけど」
「え?いや、正面から死角を縫って適当に…」
「無理!!」
おお、ナイスツッコミ
「出来るって。人間成せば成るもんだぞ?後何か年 上に敬語とかむず痒いから止めてくれ」
「あ、うん…って無理無理!流石に限界あるよ!」
我が儘だな~…依頼者俺なのに
「じゃあ…とりあえず俺の後ろにピッタリ着いて来 い。つーかおぶされ」
「わかったよ…」
しぶしぶアネラスが俺の背中に乗る
それを確認した後、瞬動で一気に軍事路を駆け抜け る!
「ふぇぇぇぇぇぇっ!?速すぎぃぃぃぃっ!!」
「喋んなっての!!見つかるし何より舌噛むぞ!! 」
そのまま入り口の近くの茂みに隠れる
「…ふぅ、とりあえず接近成功っと…大丈夫かアネ ラ…」
「きゅう~…」
「………」
のびてるし
つーかこれ…依頼した意味なくね?
「…しょーがない。起きるまで待つか」
それから三時間くらいしてようやく起きたアネラス と、貨物車が通る隙に瞬動を使って中に入る
「さて…こっからが本番だぞ?気ぃ抜くなよ?」
「わかってる…そっちこそヘマしないでよ?」
…限りなく信用出来ないの俺だけなんだろうか