英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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閑話『酒は呑んでも呑まれるな』

「どーしてこうなったかな…」

 

今俺は旧校舎の入り口の所で座り込んでいる

 

俺達が上演した劇、

 

功、学園祭は大盛況に終わった

 

…まあその劇で俺の体裁とか俺の命とかが終わりを 告げたんだけれども…今はそれはいいや

 

現在の俺の悩みの種は手の中に収まっている二枚の カード…神のミスで何故か仮契約の陣が発動した事 による仮契約カードだ

 

…これを渡すか渡さないか…渡しても別にいいんだ けども…どう渡すかって言うのがな…

 

「神さんが何か異世界の魔法陣を敷いちまったから 仮契約しちゃった」

 

 

そんなこんなでめちゃくちゃ悩んでいると…

 

「おお、ケイジ。お前こんな所にいたのか」

 

ハンスがやって来た

 

「どうしたハンス?」

 

「いや、ジル達が打ち上げ打ち上げうるさくてな … エステルとヨシュアは帰っちまったが結局打ち上 げは予定通りにやるらしい」

 

「そうか」

 

「特に劇出演者は全員出席!だそうだ」

 

…面倒くさ~

 

「悪いけど俺パスす…」

 

「欠席した場合、男子は劇の恥ずかしい写真をバ ラまくってさ」

 

「出席させて頂きます」

 

…ちくせう、逃げ道を作れない自分が憎い

 

~クラブハウス・食堂~

 

「ケイジ連れてきたぞ~」

 

『わあああああ!

 

俺が食堂に入った瞬間歓声があがる

 

…何故に?

 

「あんたが主役だったからよ」

 

「心読まれた!?」

 

後に聞いた所「乙女の勘」

 

「つーかエステル達本当に帰ったんだな」

 

見回してみたがエステル達の姿が無かった

 

「そうよ…参加していけば良かったのに」

 

一瞬残念そうにするジルだったが

 

「それよりクローゼを助けてあげなさい」

 

すぐにいつもの表情に戻り、ある方向を指さした

 

そこには、ものすごい多くの生徒(男:女=1

 

に囲まれているクローゼがいた

 

「…あれ助けに行けと?」

 

「なによ~キスした仲じゃない」

 

「劇の中でな」

 

「もう、ちょっとは慌てるとかすれば面白いのに …

 

俺がこの程度で慌てるとでも?十年早いわ

 

…まあ、しゃあないか クローゼ若干涙目だしな

 

「…逝ってくる」

 

「逝ってらっしゃ~い♪」

 

字は間違ってないと思う。多分

 

「あ、あの…」

 

「飲んで飲んで飲んで酒呑んで!」

 

…クローゼそっちのけで騒いでね?

 

むしろこいつら騒ぎたいだけだな

 

…も~どろっと。触らぬ神に祟り無しだ

 

「…あ!ケイジ!助けて!」

 

…何でお前はこういう時に名前呼ぶかなぁ!

 

「…ケイジ?」

 

周りで酒酒言ってた奴らが一斉にこっちに向く

 

心なしか目が妖しい光を放っている…気がする

 

「ケイジ…」

 

「さあ…」

 

じりじりと俺を囲んで少しずつ迫ってくる

 

「ちょ、待て!何かじりじり迫られると無駄に怖 いんだけど!?」

 

「確保~!!」

 

『しゃあぁぁぁぁぁ!

 

「ぎゃあぁぁぁぁ!?」

 

あれ?なんかデジャヴ

 

そして案の定拘束され…

 

「それでは本日のメインイベント!」

 

「やっぱり元凶はお前か!

 

「…さあ、クローゼ!」

 

「ふぁ~い♪///」

 

「クローゼ!?お前酔ってんのか!?」

 

「酔ってないろ~?わらひぜんぜんへーきらもん ///」

 

「呂律回ってねぇじゃねぇか!誰だ!?クローゼ に酒呑ませたのは!?」

 

『会長です!!』

 

「やっぱりかぁぁぁぁ!

 

つーかジル!お前は何人酔わせりゃ気が済むんだ!

 

ハンスを皮きりにもう十人近く潰れてんじゃねぇか

 

「フッフッフ…ケイジを潰そうと画策する事幾星 霜 …ついに今まで一回も酔わせられず逆にこっちが 潰 れる始末… 今宵こそこの無念を晴らす好機!」

 

めっちゃ個人的な理由だなオイ

 

「対ケイジ戦汎用人間決戦兵器!出番よ!クロー ゼ!」

 

「あいあいさ~///」

 

そういうとクローゼは俺に近づいて

 

「じゃあ…」

 

「待て!何するつもりか知らんが落ち着け!」

 

「…召し上がれ&いただきま~す♪」

 

その言葉と同時に俺の唇はふさがれ、無駄に度の高 いアルコールが喉を通った

 

翌日、俺とクローゼを除く全員が二日酔いでダウン した

 

その日から生徒達の間である言葉が合い言葉になっ た

 

『ケイジとクローゼを同時に酔わせてはいけない。 ダメ、絶対』と


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