『G』の日記   作:アゴン

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次回こそシュナイゼル編を終わらせたいです。


その53 中編

 

 

 

エリア11のフジ周辺。蒼のカリスマであるシュウジ=シラカワと彼の操るグランゾンを筆頭に、シュナイゼル軍に決戦を挑む事になったゼロ達。圧倒的戦力差があったにも関わらず食らいつき、遂に相手戦力の半数を叩く事に成功した。

 

グランゾンという強力な囮を使った事もあるが、ゼロの知略とスザクの戦術、そしてそんな二人を守る様に戦うジェレミアとC.C.の活躍もあり、四機という少数精鋭でシュナイゼルの軍勢と対等に戦える様になっていた。

 

不利になればその度に底力を振り絞って立ち上がるゼロ達、その活躍もあって遂に戦いは最終局面を迎えようとしていた。そんな中、遂にシュナイゼルが最後の切り札を切ってきた。

 

ダモクレスに搭載されたフレイヤ弾頭を用いての攻撃。直撃はなくとも余波だけで機体にダメージを与えかねない衝撃に、ゼロが築き上げた陣形が僅かに崩れ始める。

 

『シュナイゼル、このタイミングでフレイヤ弾頭を使ってきたか!』

 

『拙いな、今のフレイヤの衝撃で効果範囲領域まで押し出されてしまったぞ』

 

強引な手段でごり押ししてくるシュナイゼルにゼロは仮面の奥で表情を歪ませる。早く陣形を立て直してダモクレスの懐まで潜り込もうと指示を飛ばすゼロだが、そんな事はさせないとばかりに帝国最強の騎士達が襲い掛かる。

 

『アナタの相手は私』

 

『モルドレッドか! こんな時に!』

 

『ゼロ様!』

 

『おっと、アナタの相手は私がさせていただこう。ジェレミア卿』

 

『ラウンズか、いつにも増してしつこいな』

 

蜃気楼をハドロン砲で追い込んでいくアーニャのモルドレッド、助けに行こうとするジェレミアとC.C.だが、二人の前にジノのトリスタンが立ちはだかる。

 

『今回が我々ラウンズの最後の戦場になりそうなのでな、未だ私の胸中に迷いはあるが、それでもラウンズとしての意地がある。魔神が来る前に君達を先に片付けさせてもらう! ブリタニアの為に、そして、私の騎士道を貫く為に!』

 

『成る程、それが君の忠義という訳か。ならば私も相応の覚悟を持ってお相手しよう。ゼロ様の為に、受けよ! 忠義の嵐!』

 

トリスタンの下にジェレミアのジークフリートが突貫していく。この隙にゼロの下へ急ごうとするC.C.だったが、ジェレミアだけでは抑えきれないのか、トリスタンのハーケンがC.C.に向けて放たれていく。

 

『行かせないよお嬢さん。紅月カレンじゃないのが些か不服だが、ここは戦場だ。そして戦場である以上、我々の敵であるなら容赦はしない!』

 

『やれやれ、カレンと私を比べられても困るな。それに、奴に言われなかったか? しつこい奴は嫌われると!』

 

本当ならゼロの下へ駆け付けたい所だが、状況がそれを許さない。仕方ないと内心で舌打ちをしながら、C.C.もトリスタンに向けてフロンティアを走らせる。青とオレンジとピンク、それぞれの機体色が戦場を駆け巡る一方で、ナイトオブワンことビスマルクとスザクの戦いが佳境を迎えていた。

 

弾ける白と紫のKMF。一見互角に見える戦いだが、戦局は僅かにスザクが押されていた。機体性能ではランスロットが上回っているのに、ここぞという所で返される。まるで動きが読まれているかの様に対応してくるビスマルクにスザクは額から冷や汗を流していた。

 

『どうして、僕の動きが!?』

 

『我がギアスは未来を読む! 如何に機体性能が優れていようと、我が目から逃れる術はない! しかし、まさかマリアンヌ様以外にこの目を使うことになるとはな!』

 

『ぐっ!』

 

ビスマルクもギアス能力者という新たな事実に驚くが、今はそれどころじゃない。このまま行けば如何にランスロットが優れていようとパイロットの差で追い込まれてしまう。ここまで来て負けてなるものかと思っても、その上で動きが読まれては意味がない。

 

と、そんな時だ。スザクがビスマルクと戦っている最中、コックピット内にあるモニターにダモクレスからの強制通信が割って入ってくる。それは先程からゼロの蜃気楼に通信を入れてきているナナリーとゼロの会話内容だった。

 

『ゼロ。アナタに聞きたい事があります。どうして黒の騎士団なんて組織を作り上げたのです? どうして今の世界を壊そうと戦いを始めたのですか?』

 

『……簡単な事だ。それは今の世界が間違っているからだ。強者が弱者を虐げ、踏みにじり、一方的に搾取する。ブリタニアがそうだったように、三大国家、そして国連、アロウズも、世界が誰かを傷つけるという事実が私にとって許されない事だからだ。そして、それはアナタにも言えることだ。第99代目皇帝ナナリー=ヴィ=ブリタニア、フレイヤ弾頭という力で人を縛り付ける行為を私は絶対に認めはしない!』

 

『ならば、ギアスという力はどうなのです? アナタは力で縛る事は許されないと仰いますが、アナタはこれまでギアスという力で人の意志をねじ曲げてきました。それは力で人を縛り付けるよりもずっと卑劣な行為なのではないのですか?』

 

『……成る程、確かにアナタの言うとおり。私はこれまで多くの人の人生を変え、運命を歪めてきた。もし世界が私を許さないというのなら潔く罰も受けましょう。しかし、今はその時ではない! 消えていった数多の命に報いる為にも私は止まる訳にはいかない!』

 

『っ! 卑怯です! アナタはそうやって一人でなんでも分かったフリをして、嘘を吐いて、騙して、上からモノを言う。そんな人の言葉を今更どうやって信じろというのです!』

 

 ゼロの決意の籠もった言葉にナナリーが激しく反応する。最愛の兄に騙され、嘘を吐かれ、それでも信じたいという彼女の思いには深い怒りと悲しみが込められていた。

 

自分の所為で兄が起こした。ギアスという力を手にし、黒の騎士団という組織を作り、ZEXISに参加し、戦い、そして世界を壊していった。

 

全ては足が動けなくなり、目が見えなくなった自分の所為だ。弱い自分の所為で兄は罪を作り、重ね、遂にはユーフェミアやクロヴィスという腹違いの兄妹さえも殺させてしまった。

 

これ以上兄に罪を重ねて欲しくない。そう思ってせめて決着は自分の手で付けようと、シュナイゼルからダモクレスの鍵を受け取った。ゼロ───否、ルルーシュに譲れない決意があるように、ナナリーにもまた譲れない思いがあった。

 

 

『……確かに、これまでの私は上から人を見る事が数多くあった。人を駒と見定め、結果さえ良ければそれでいいと思った。その為に多くの犠牲を払い、ZEXISすらも私の駒にしようとした。けれど、戦いの最中で私は気づいた。戦いは人を傷つけ、破壊する。だけど壊しているのは人で直すのもまた人なのだと。結果は確かに重要だ。けれどそれと同じ位過程もまた大事なのだと、私は漸く理解した。何をもってその過程が正しいかは分からない。けれど、今の私には分かる。喩えどんな理由があろうとも、アナタのやり方は間違っていると! 世界が明日を迎える為に、ナナリー=ヴィ=ブリタニア。アナタは私が止める。止めてみせる!』

 

『……お兄さ──』

 

最後の一言を呟く前にナナリーとの通信が途切れる。恐らくはルルーシュが自分で切ったのだろうが、それでもナナリーの悲しげな表情が瞼から消える事はなかった。

 

『スザク、聞こえるか?』

 

『……あぁ』

 

『俺は、お前に対して決して許されない罪を犯した。お前に対してだけじゃない、世界中の人間から許されない罪を、俺は繰り返してきた』

 

『俺も、何度も君を裏切った。皇帝に君を売り、ラウンズになって、ナナリーを利用し、君を苦しめた。アロウズに加担して、立場を利用して、俺は何度も許されないことをしてきた』

 

『けれど、……いや、だからこそ俺達は生きながらこの罪を贖わなければならない。生きる事も戦いなのだと────悔しいが、俺は奴との出会いで理解した』

 

『時たま、とんでもないことに巻き込んだりするけどね。女装とか』

 

全くだと、モニターの向こうでルルーシュは仮面の奥で嘆息する。ムカつく奴だと、ふざけた奴だと思いながらも、それでもルルーシュは彼の事を認めていた。無自覚に他人を巻き込み、翻弄し、バカの様にはしゃぐ、端から見ればなんてことないただの人間のようで………。

 

けれど、そんな人間がたった一人で世界と向き合い、罪を擦り付けられても戦い続け、そんな彼の姿勢がスザクとルルーシュの二人の中に、ある事を刻みつけた。

 

“生き続ける”喩えどんなに無様でも、最後まで生き抜いて世界の為に戦っていく。どんなに非難罵倒を言われても、どんな結末が待っていようと、最期の瞬間まで罪を償い、生き続ける。

 

彼と共に世界を巡ってルルーシュは見た。世界の人々は不安に駆られ、怯え、苦しみながらも、それでも明日が欲しいと願っている。

 

旅の中で出会った人々を通じて、スザクは知った。嘘や偽りで人を騙しても、その人の本質が変わる事はない。ユーフェミアという大切な人が失われても、親友との絆が壊れても、やり直す事が出来るという事を。

 

“許されない事なんてきっとない。許されないのは……きっと、その人が許したくないだけなんだよ”

 

自分に人を許す大切さと難しさを教えてくれた学友の言葉を思い出す。人を許すのは難しいけれど、それでも彼女はルルーシュを許す事が出来た。

 

今の自分にはまだ難しい事かもしれない。けれど、この瞬間だけは彼を……親友を信じてみたいと思う。嘘で塗り固めた親友を、それでも明日を願う親友を、もう一度───。

 

『スザク、世界が明日を迎える為にも、俺達が明日を願う為にも───』

 

『あぁ、その為にも俺達は───』

 

『『生きる!!』』

 

信じる為に、“生きる”と決めた。

 

『な、何!? 機体性能がここにきて更に上がっただと!?』

 

突然の機体性能の著しい向上にビスマルクの目が大きく見開く。前とは違う飛行速度、前とは違う旋回機動、機体だけではなくパイロットも変わったかの様にランスロットから繰り出される一撃が鋭く、そして重くなった。

 

ランスロットの剣によりビスマルクのギャラハッドが大きく仰け反る。隙を見せてはならないとすぐに体勢を整えるが……追撃はこなかった。

 

不思議に思うビスマルクだが、次の瞬間真っ正面から向かってくるランスロットの行動にビスマルクの頬がつり上がる。

 

『正面だと? 舐められたモノだな!』

 

正面から来ればギアスの力から逃れられると思ったのだろう。浅はかな、そう思いながらビスマルクは剣であるエクスカリバーを振りかぶり、迫るランスロットに合わせて振り抜いた。

 

正面だろうと自分の未来予知のギアスからは逃れられない。どんなに機体性能が上がろうとも、真っ正面からくる以上対策は取りやすい。寧ろ鬼籍に入ったのは貴様だと、ビスマルクは己の勝利を確信する。

 

……だが。

 

『ば、バカな……』

 

ここへ来て、更に速くなったランスロット。その速さに一瞬だけ対応の遅れたビスマルクはエクスカリバーと機体諸共、ランスロットの剣によって両断される。

 

(帝国最強の、唯一のナイトオブワンが破れるとは……奴は、ナイトオブワンすら越えるナイトオブゼロとでも言うのか)

 

『マリアンヌ様……』

 

信じられないモノを見た。そう言いたげな表情のままビスマルクはギャラハッドと共に爆散。帝国最強の騎士、その更に頂点に君臨するブリタニアの騎士が敗北した瞬間だった。

 

戦況が一変する。帝国最強の騎士であるビスマルクの敗北により、ブリタニア軍は動揺し、著しく士気を低下させる。シュナイゼル軍の実質の大黒柱だった男の損失により、残ったラウンズであるジノとアーニャも驚き、動揺した。

 

『ヴァルトシュタイン卿が、やられた!?』

 

『スザク、急に強くなった?』

 

ナイトオブワンの敗北という事実に、僅かに隙を見せてしまった二人。ルルーシュは蜃気楼を高速飛行形態に変形させ、モルドレットの間合いから抜け出した。ジェレミアもジークフリートを突進させてトリスタンを体当たりで吹き飛ばすと、蜃気楼と入れ違う様にモルドレットの前に立った。

 

瞬く間に変わった戦況、C.C.はランスロット・フロンティアを蜃気楼の近くにまで走らせると、モニターでダモクレスの周囲に展開されているブレイズルミナスが解除されているのを認識し、急いでルルーシュに通信を送った。

 

『拙いぞルルーシュ、シュナイゼルの奴はこちらに向けてフレイヤ弾頭を撃とうとしているぞ!』

 

『シュナイゼルめ、ここで撃てばダモクレスにも被害が及ぶというのに、遂に形振り構わなくなったか!』

 

今、彼らの前にはダモクレスの砲塔が向けられている。そこからフレイヤ弾頭を発射すればルルーシュ達は勿論ダモクレスにまで被害が及ぶ筈だ。それでも構わないのか、ダモクレスからフレイヤ弾頭が発射され、桜色の光が圧縮を開始した。

 

このままでは全員がフレイヤ弾頭による爆発で諸共消し飛ばされてしまう。目の前で輝きを放つフレイヤを前にルルーシュは切り札であるあるモノの使用を決意した。

 

機体に取り付けられた一本の槍、そこにプログラムを入力すると近くで待機しているスザクを呼び寄せた。

 

『スザク!』

 

『分かってる!』

 

蜃気楼から渡される槍を手に、ランスロットは眩い光を放つフレイヤに向けて投擲した。一寸の狂いもなく光の中心部分に投げ込まれて槍はそのまま融解し、フレイヤの光と共に消滅した。

 

一瞬惚けてしまうシュナイゼル軍。爆発間近だと思われたフレイヤ弾頭がランスロットが投擲した槍と接触した途端に変化を起こし、爆発することなく消滅してしまった。

 

未だ理解出来ていないシュナイゼル軍に対し、ルルーシュは心の底で安堵した。ここにはいない元学友の手伝いもあって作られた対フレイヤ弾頭の消滅プログラム。彼女の協力とスザクとのコンビネーションがなければ成り立たなかった現在の状況に、ルルーシュは内心で感謝した。

 

(感謝するニーナ、君のお陰でフレイヤ弾頭を封じる事が出来た!)

 

自分を憎んでいながら、それでも協力してくれたニーナという少女に惜しみない感謝をするが、時間は既に残されていない。フレイヤ弾頭発射の為に開いたブレイズルミナスの穴はルルーシュ達の侵入を察して再び閉じようとしている。

 

そうはさせるか。ルルーシュは蜃気楼を駆り、絶対守護領域を展開することでブレイズルミナスの修復を妨ぎ、そこへスザクとC.C.を通し、自身もダモクレスの内部へと突入する。

 

ダモクレスにルルーシュ達が突入した為、飛行型の要塞は防御の為に展開していたブレイズルミナスを解除し、ブリタニア軍を招き寄せようとするが、彼等の前に忠義の徒であるジェレミア=ゴットバルトが立ちはだかった。

 

全ては主であるルルーシュに忠義を通す為、ジェレミアは未だ数の多いブリタニア軍に対し単騎での殿を努めようとしていた。

 

『ここを通りたければ、私を倒して行くがいい。ただし、その為にはこのジェレミア=ゴットバルトの忠義の嵐を見事受けきってみせよ!』

 

一機たりとも行かせはしない。その気迫の前にブリタニア軍の戦意は更に縮み始め……。

 

『漸く追い付きました。待たせてしまい申し訳ありません。ジェレミア卿』

 

蒼き魔神、グランゾンも参戦。目の前にはたった二機しかいないのに…………何故だか、もの凄く高くて分厚い壁が出来た様な気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ダモクレス内部。

 

飛行要塞の頂上付近。日本風に言えば天守閣と呼べる部分に彼等はいた。ブリタニアの第二皇子であるシュナイゼルと第二皇女のコーネリア、シュナイゼルの文官であるカノンと元ジャーナリストであるディートハルト。

 

そして、彼等の中心に立つ第99代ブリタニア皇帝であるナナリー=ヴィ=ブリタニア。彼等と相対する為に現れたのは黒の騎士団の元総帥ゼロ。

 

ここに来る合間、待ち構えていた敵の兵によってスザクと分断され、仕方なく単独でここに来ることになったゼロは事実上の孤立。誰からも助けを求められない状況の中、一人で彼等と対峙する事になった。

 

「残念だったねゼロ。いや、我が弟ルルーシュ。枢木スザクと分断された今、君に勝ち目はない。フレイヤを無力化した事は予想外だったけれど、その快進撃もここまでだ。ダモクレスの内部に侵入した事で勝機を得たつもりのようだけれど、逆に君達はこれで逃げられなくなった」

 

「……成る程、私を捕まえた後ダモクレスをフレイヤで自爆させようという事ですか。しかし宜しいのですか? そうなればアナタも死ぬ事になりますが?」

 

「決死の覚悟を持っているのが自分だけだと思わない方がいい。この戦いを始めた時から私は命を捨てる覚悟をとうにしている。君達と共に朽ちる事で新しい時代を迎えようじゃないか」

 

微笑みと共に懐から取り出した銃口をルルーシュに向ける。狙いを定めて外さないシュナイゼルにルルーシュは仮面越しにフッと笑みをこぼした。

 

「成る程、死ぬ覚悟は出来ていると仰るか。しかし、生憎私にはそんな覚悟などありはしない。ここで死ぬつもりも、死なせるつもりもない」

 

「みっともないな。自分の罪とは向き合わず、無様に生き恥を晒すつもりかい?」

 

「あぁ、その通りだ。無様に生きていき、その上で世界の為に戦う。アナタには詭弁としか聞こえないようだが、私はこの道を往く事を決めた。故に、私はまだ死ぬわけにはいかない」

 

「……そうか、では私がその道を閉ざしてあげよう。兄として、そしてブリタニア皇族として、君を倒す事で君の犯してきた罪の精算を果たす事にしよう」

 

手にした銃の引き金に指を掛ける。無情に、そして冷徹に引き金を引こうとするシュナイゼルにゼロは言葉を口にした。

 

「……命を捨てるか、以前の私にもそんな覚悟があった。どんな事をしても世界を破壊し、新たに造り直そうと何度も考えた。しかし、その度に肉体言語で教えられたよ。命を捨てる暇があったら、その命で何かを為せ、そういってアイツは私にプロレス技を仕掛けてきた。さて、アナタの場合はどうだろう?」

 

「………なに?」

 

ゼロの言葉を訝しげに思った時、シュナイゼルの肩がポンポンと叩かれる。何だと思い振り返り、そこで彼が見たモノは……。

 

「ヤッホ♪」

 

もう一人の仮面の男、蒼のカリスマがそこにいた。まるで友人と会った様な軽快な口調、仮面越しでも笑っていると分かる彼の姿を目の当たりにした次の瞬間───。

 

「ちょっと痛いから歯、食い縛れよ?」

 

握り拳が目の前に広がった瞬間、シュナイゼルの頬を衝撃と痛みが貫き───彼の意識は一瞬途切れる事になる。

 

ブリタニアの第二皇子、シュナイゼル=エル=ブリタニア。ブリタニア帝国の宰相と呼ばれる彼は錐揉み回転をしながら宙を舞った。

 

 

 

 

 

 

 




毎回数多くの感想、ありがとうございます。

全ての感想に返信は出来ておりませんが、皆様の感想は毎回必ず目を通させて頂いております。

相変わらず拙い作者ですが、今後も楽しんで下されば嬉しいです。

それでは、また次回ノシ



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