ん?マジンガーにZEROにグレンラガン?
あっ(察し
今回メタ要素があります。ご注意下さい。
D.O.M.E.。嘗てニュータイプの祖として知られた彼の者から黒歴史に纏わる真実を耳にしたZ-BLUE、その真実と重さに戸惑いながらも自分達の胸の中へと消化させた彼等は襲い掛かる堕天翅ミカゲを迎撃するべく出撃し、これを成功させた。
地球に宇宙怪獣の大群が向かってきているという情報を得たZ-BLUEは逃亡するミカゲを追撃せず、そのまま月から離脱する事を選んだ。
その後もノノが艦を降りる等のトラブルに見舞われながらも、着実に宇宙怪獣達との距離は縮まっていく。確実に近付いていくバアルとの戦いにZ-BLUEの緊張が高まる中、シュウジは格納庫にてマジンガーを眺め続けていた。
「な、なぁおい。なんであの人さっきからマジンガーを眺めてるんだ?」
「もうかれこれ10分は見続けているわよ」
「ていうか、蒼のカリスマってあんな顔してたんですね」
その様子を遠巻きから見ているのは未だ彼の素顔を知らなかった者達、名前は知っていても顔を直接見たことの無い彼等にとって、蒼のカリスマ改めシュウジ=シラカワの素顔は新鮮過ぎて気後れしていた。
「………」
此方を覗き見している整備班の視線を敢えて無視しながらシュウジは考え込む。その原因となっているのは先程のD.O.M.E.で目の当たりにしたあの映像だった。
禍々しい姿となったマジンガー、超銀河ダイグレン並に巨大化したゲッターロボ、他にも様々なスーパーロボット達がグランゾンと共に何処かへ向かおうとしているその圧巻過ぎる光景は、目を閉じても瞼の裏に焼き付いて離れない。
一体あれは何なのだろうか。D.O.M.E.はあの映像を自分に見せて一体何を伝えようとしていたのか、答えを求めても今はそれに応えられる者はいない。
無論、この事をZ-BLUEの面々に話すつもりはない。少なくとも今は。何せ今はサイデリアルとの戦時中にあるのだ。皆が撤退したあのタイミングであんな映像を見せたと言うことは、少なくともあの映像にはZ-BLUEに知らせても意味のあるモノではない筈。
現状に影響を与えないという意味では有難い内容だ。取り合えずD.O.M.E.から与えられたあの映像の事は頭の隅に置いておく事にしたシュウジはマジンガーから視線を外し、格納庫を後にしようと一歩踏み出す。
「…………?」
ふと、何かの視線を感じた。敵意でもなく悪意もなく、ただ此方を純粋に見ていたかのような感覚、何だと思い振り返ると、其処にいたのは今まで此方を見ていた整備班の人達のみ。
他に人影はなく、また観察されていた様な妙な視線は既に感じない。気の所為だろうか、これまで単独で行動していた弊害か、どうも過剰に反応してしまう自分に呆れながら、シュウジは今度こそ格納庫を後にする。
────その様子を上からという形で見ているモノがいた。鉄の城、ゼウスの力を受け継いだ巨人、兜十蔵の生涯最高の傑作と謳われる、最強にして原初のスーパーロボット。
マジンガーZ、その視線は一人の魔人の姿を捉えて放さない。
(成ル程、アレガ此度ノ───)
誰にも聞こえず、誰にも届かないその声は一体何を意味しての事なのか。そして────。
(───楽シミダ。ナァ、ゲッターノ)
その呟きはここにはいない遥か彼方の時空へと向けられる。軈てマジンガーZを通して滲み出たそれは煙の様に四散し、別次元へと飛び立った。
暫くすると警報が鳴り、総員戦闘体勢の指示が艦内全体に響き渡る。それを受けた兜甲児は己の愛機に乗り込もうとするが……。
「あれ? マジンガー、なんか調子良い?」
何時もより出力が上がっているマジンガーに疑問符を浮かべる甲児だが、整備班の人達が上手く調整してくれたのだろうと解釈し、構わずコックピットへ乗り込んだ。
マジンガーZ、その深奥に眠る狂気が目覚めるのはこの時空ではあり得ない。しかし、いつかの世界、何処かの時代にて彼等は合間見える事になるだろう。
これはそこへ至る為の何気ない記録………アカシックレコードにも記されない虚無の記憶である。
◇
宇宙怪獣との接敵までもう間もなくという時間帯、各機が各々の艦から飛び出し、
『珍しいですね、貴方の方から誘ってくるとは。今回はアムロ大尉とご一緒しないのですね』
『なに、私もたまにはそういう気分になるという事だ。君の邪魔になるような事はしないつもりだから安心してくれ』
『元より気にしてませんよ。……しかし解せませんね。気紛れというには私と組むことに突拍子が無さすぎる』
『ふっ、やはり聡いな。ならば単刀直入に聞こう。今回の宇宙怪獣の件、君はどう思う?』
『それは、先程のニコラス君とのやり取りで耳にした話に関する事ですか?』
シュウジが指摘する話、各機が艦から出撃した直後の事、ノノが艦から降りた事で様子のおかしいラルクに皆が心配し、トップレスの補充についてニコラスがそれとなく説明した時の事だ。
“あがり”トップレスの能力者が年代と共にその能力を失う現象の事、強力な超能力を有するトップレスにとってその言葉は恐怖の代名詞となっている。
その事に触れた事で真意の読めないニコラスに牽制を施したシャアのやり方は決して誉められたモノではないのだろう。しかし、ならばこそ分からない。その話と宇宙怪獣になんの関係があるのだろうか。
『シュウジ=シラカワ、君は宇宙怪獣についてどれくらい理解がある?』
『
『ならば太陽系限定種というのはどうだ?』
『…………』
シュウジはシャアが言わんとしている事が何となく分かった。根源的災厄と恐れられ、宇宙の終焉をもたらすとされる宇宙怪獣。総ての知的生命体の脅威と呼ばれる種が何故、態々太陽系限定種などと呼ばれる様になっているのか。
姿形が違うから? 生態系が違うから? 宇宙怪獣と呼ばれる種族が態々そんな面倒な事になるのだろうか。
ラルク達、トップレスの世界から出てきた宇宙怪獣と根源的災厄であるバアル。もしかしたら自分達は大きな勘違いをしていたのかもしれない。
そして遂に現れる宇宙怪獣。太陽系限定種と呼ばれる何処か機械的な奴等を前に、シュウジは確信する。
『……成る程、そう言う訳か』
恐らく、彼等がここに来たのは自分達と戦う為ではない。後から来る本当の災厄に対抗する為に彼等はやって来たのだ。永い時の中で壊れてしまっても、彼等の中にある使命は今もその体躯の中で生き続けている。
『シャア大佐、先行します。申し訳ありませんが付き合って貰いますよ』
『確信を得たようだな。それで、どうする?』
『一先ず迎え撃ちます。彼等には申し訳ないがZ-BLUEも連戦を続けてきて疲弊している。可能な限り圧倒しましょう』
『了解した』
永い時の中で廃れ、壊れてしまった彼等には敵を判別する機能は上手く働いていない。迫るグランゾンとサザビーを攻撃対象と見なした太陽系限定種は事務的に行動し、攻撃を仕掛けてくる。
そんな彼等をワームスマッシャーで淡々と片付けていくグランゾンはやはり規格外と言えた。その後も現れる本物の宇宙怪獣と邂逅し、それが一億と二千万年に一度現れる真のバアルなのだと言うだけに現れたミカゲを適当にあしらい、それらを迎撃するグランゾンとZ-BLUE。
その後、バスターマシン7号として覚醒したノノと共にバアルを撃退したZ-BLUEは、根源的災厄との本格的な戦いに向け決意を新たにするのだった。
Q.もし本作にマジンガーZERO(原作仕様)と本作オリジナル機体のゼロ・グランゾンが共演したらどうなります?
A.色んなハチャメチャが押し寄せてきてドッタンバッタン大騒ぎになり、色んなモノがパッと光ってポッと消えます。
PS.エレちゃん可愛い