ブラック・ブレットー白き少女ー   作:虚無龍

25 / 27
 遅れてすいませんでした!
 理由としては作者がリアル留年ピンチになったりしたからです。
 あとは…………バイオハザードの新作面白かったです♪
 ごめんなさい謝るので許してくださいm(__)m


悪巧みと集団リンチ

ーーーーーーーーー????ーーーーーーーーー

 

 

 外周区にあるとある薄暗い廃墟の中に二人の人物がいた

 

「…………あっ、母さん、来たみたい」

 

「そうね」

 

 光もほとんどなく、光源と言えば窓枠から入ってくる僅かな月光のみなのだが、この二人は待ち人が来たことを一瞬で察した。

 

「ククク、相変わらずの索敵能力ですねぇ、澪香」

 

「パパ、華鈴だよね? あれ華鈴だよね?」

 

 現れたのは蛭子影胤とその娘、蛭子小比奈だった。

 

「それで? 私に用とがあると聞いたのだが」

 

「ええ、早速だけど、ゾディアック・スコーピオンの時に、情報提供してあげた時の借りを返してもらおうとおもって」

 

「ククク、本当に早速ですね」

 

 影胤を待っていた女性ーー桐谷澪香はセミロング程の長さの艶やかな黒髪を指で弄りながら影胤に話し始めた。

 

「あのゾディアック・スコーピオンの時にあなたに協力していたあのアリスとかいう奴の事を教えてくれない?」

 

「別に構わないが、何か興味をそそられることでもあったのかな?」

 

「興味というか、あの娘何者なのか気になってね。万が一敵になった時は情報はあった方がないより断然いいでしょ?」

 

「ふむ、何か彼女と敵対する予定でもあるのかな?」

 

 仮面によって表情を伺うことはできないが、恐らく影胤は訝しげな視線をしていたのだろう。

 

「いえ、彼女についての調査を極秘で依頼されてね。しかも、依頼人は聖天子」

 

「ほほう、先の一件に関わっていた事がばれたのかな?」

 

「恐らくね」

 

「…………あまり深入りし過ぎると不味いかもしれないな。戦闘能力だけでも少なくともIP序列二桁台は下らないだろう」

 

 それを聞くと澪香は眉をひそめると、

 

「まあ、依頼は受けてしまった事だし、やれるとこまでやってみるわよ」

 

「ふむ、ならば私も協力しよう」

 

「いいの?」

 

「ああ、それに…………小比奈!」

 

 話しについていけずに暇そうにあくびをしていた小比奈が突然呼ばれて慌てた様に、

 

「何? パパ」

 

「アリスを斬りたいか?」

 

「え!? いいの!!?」

 

「ああ、構わないぞ」

 

「やったー!」

 

 大はしゃぎして喜ぶ小比奈を尻目に、

 

「…………理由はともかく、いざという時の戦力としては期待してるわよ」

 

「ああ、任せたまえ」

 

 アリスは知らない内に、厄介事に巻き込まれて行っていることをまだ知らない。

 

 

ーーーーーーー東京エリア某所ーーーーーーーー

 

 

「はぁ、はぁ、まだ追って来るのかよ…………!」

 

「常弘、大丈夫?」

 

「朱里こそ…………大丈夫かよ?」

 

「私は大丈夫」

 

 必死に何かから逃げる様に走る二人の人影があった。

 二人共作業服を着ていて、少年の方は中学生程度、少女の方は10歳かそこらといった具合だ。

 少女の目は赤くなっており、一目で『呪われた子ども達』だと分かる。

 しかし、少年は当然ながら『呪われた子ども達』な訳はなく、かといって運動が得意そうという訳でもない。少女の方はともかく、少年がこの既に数キロ以上走り続けているというのは、尋常な事ではなかった。

 彼を此処まで駆り立てているものは、(ひとえ)に自由への渇望故だろう。

 少年は自分自身とはほとんど関係のない借金のかたにバラニウムの盗掘場で無理矢理働かされていたのだった。そして、とうとう『呪われた子ども達』の朱里を連れて脱走したのだった。

 

「朱里でも勝てないイニシエーターが追って来るなんて…………本当に最後までついてないな」

 

「常弘! 諦めちゃ駄目だよ!」

 

 自分を置いていけばもっと早く走っていけるのに、わざわざ自分と一緒に逃げるために並走してくれている朱里を見て、常弘は今一度気合いを入れて走った。

 

 やがて、遊園地らしき場所を見つけ、人混みに紛れようと入ったのだが、そこには数十人の幼い子供達しかいなかった。

 

「くそっ!」

 

 悪態をつき再び走り出そうとすると、

 

「ーー犯罪、ダメ、絶対ッ! 妾が許さないぞッ」

 

 そう言ってイニシエーターの少女ーー藍原延珠が腕を❌の様にクロスさせて立っていた。

 その後ろから自転車に乗った黒髪長髪の美少女ーー天童木更もやって来て係員の人に民警ライセンスを見せて説明している姿が見え、それからこちらに走り寄って来た。

 

「あなた達が小星常弘くんと那沢朱里ね? 依頼により天道民間警備会社があなたたちの身柄を拘束します」

 

「て、天童民間警備会社って…………ほ、本物の天童民間警備会社ッ?」

 

 あのステージⅤを倒した救世主を有している民間警備会社の名前を聞き、更に天童木更が里見蓮太郎の名前を呼んだことで、もう終わったと思った二人が崩れ落ちると、

 

 

「てめっアリス! 俺に何の恨みが…………」

 

「ん~? 何か聞こえた気がするけど気のせいだよね! いやー、だって天誅バイオレットの着ぐるみが喋る訳ないもんね! 皆ー! もっとやっちゃって」

 

『わ~!』

 

「うおっ! この、やめろ! うおぉぉぉぉ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!

「おれは 里見蓮太郎が出てきて捕まってしまう

思ったら 男の声が中から聞こえる天誅バイオレットの着ぐるみと、それに小さい女の子達をけしかけている少し背の高めの白髪の少女がいた」

な… 何を言っているのか わからねーと思うが 

おれもどうリアクションすればいいのか わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 出オチだと超展開だとか

そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

                by小星常弘

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ! アリス! 何でこんなところにいるんだ?」

 

「ん? ああ、延珠か。皆が遊園地行きたいって言って聞かなくて、でも人が多い所に連れていく訳にも行かないし、寂れたここに来たんだよ」

 

 延珠がリーダー格らしき白髪の少女ーーアリスに話しかけ、延珠とアリスの関係…………というか、アリスと会った事のない木更は、

 

「延珠ちゃん? その子誰? 知り合い?」

 

「ああ、前に話したアリスだ。蓮太郎も話していただろう?」

 

 その言葉を聞き、木更は目の前の少女を少し警戒した。

 というのも、木更は蛭子影胤事件の顛末…………アリスによる天童の屋敷にいる天童菊之丞の襲撃の事を蓮太郎から聞いていたからである。因みに延珠はアリスの事を心の底から信用しているので、伝えられていない。

 

「…………あなたがアリスちゃん? 延珠ちゃんからあなたの事は聞いてたよ。私は天童木更、よろしくね」

 

 そう言って警戒していることを感じさせないように手を出して握手を求めた。

 

「へー、あなたが延珠が言ってた木更さんか、うん、よろしく。…………『本当に延珠からしか私の事は聞いてないのかな?』」

 

「ッ!?」

 

 最後の言葉は延珠には聞こえない様に小さい声で囁きかけた。

 

「私ね、こそこそと嗅ぎまわられるの嫌いなんだよねぇ。そんな事は『ゴミ』は『片付けたくなる』」

 

 言外に敵対するな、調べるなと牽制してくるアリスに対して木更は内心冷や汗をかきながら曖昧な苦笑いを返すしかなかった。




 それと、ぼけなす様の作品『とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版』とコラボしました。
 『第六十二話 コラボっちゃいます(嘘つきと化け物とサッカーしようぜ!! byソラ)』に登場します。
 本編のアリスとは違い、BADENDルート後のアリスを想定した設定なのでもしご覧になる場合は注意してください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。