何分、色々と初挑戦立ったもので。
夏世の危機に表れた白い龍の様なガストレア。
それは勿論アリスだった。
(ガストレアが仲間を呼んでるから嫌な予感がして来てみれば、とんだ大惨事だな)
そこからは、もはや戦闘と呼べるものは繰り広げりれてはいなかった。
蹂躙、殺戮と言った表現の方が何倍もしっくりくる。
グォォォォォ!
考え事をしているアリスを見て、隙が出来たと思ったのか、一気に10体程がアリスに向かって突っ込んで来た。
いくらなんでもステージⅡとⅢ、合わせて10体の同時攻撃には耐えきれないだろうと思ったのだろうが、アリスの圧倒的な力はその様な打算を吹き飛ばす程のものだった。
一番先頭のガストレアに噛みつき、そのまま持ち上げる。
ステージⅢと思われるガストレアは助けを求めようと、自らの後ろを走っていたガストレアの方に首を向けた。
しかし、そこにいたのはアリスの九本の鋭利な尻尾、『迅尾』に貫かれ絶命しているガストレアの姿だった。
そして、そのままそのガストレアは首を食いちぎられ、絶命した。
その隙にステージⅠのシカらしきガストレアが角を向けて突っ走って来た。
ステージⅠとは言え、岩程度なら砕ける程の威力の突進をアリスはかわさず、当たった。
しかし、角は砕け散り、アリスにはダメージはこれっぽっちも入ってなかった。
その光景を見て、ようやく勝ち目が無いことに気づいたのか、我先にと逃げ出すガストレアの群れ。
しかし、アリスが夏世をここまで傷つけたガストレアをみすみす見逃す訳もなく、森の中に逃げ込んだガストレアは一体残らず駆逐されたのだった。
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夏世が龍のガストレアが逃げ出したガストレアを追いかけて行った方向を見ていると、人影がこちらに走ってくるのが見えた。
「アリス…………さん」
「夏世、大丈夫!?」
「逃げて下さい。恐ろしく強いガストレアがさっきここに来たんです!」
夏世はアリスに危険が及ばないようにと教えたつもりだったが、そのガストレアの正体が自分自身の為、アリスはついつい苦笑をもらすのだった。
「そいつなら大丈夫だよ。それよりこの傷…………」
「…………おそらく体内浸食率が50%を超えています」
アリスは俯いて、何事かを考えたる様子を見せてから話始めた。
「…………それで夏世はどうしてほしい?」
「…………アリスさん、お願いします。人のまま、私を死なせてください」
アリスはその言葉を聞き、悲しげに笑いながら語りかけた。
「もし、万が一にも、ほんの0.1%でも生きていられる可能性があるのなら試したい?」
「えっ?」
夏世がその言葉の意味を理解するのに暫くの時間がかかった。
何故なら、今現在2031年でも、ガストレアウィルスへの特効薬や治療薬と言ったものは存在せず、浸食抑制剤ですらも、あくまで抑制することしか出来ないからである。
「本当に…………そんな方法が存在するんですか?」
夏世が信じられないと言った顔をしていたので、アリスが補足をした。
「成功率は一桁。もしも失敗すれば地獄の様な傷みだけを感じてそのままガストレアになってしまう危険な賭けだよ」
アリスの説明を聞いて夏世は即座に決意した。
「お願いします。その方法を試してください」
アリスはやさしく微笑みかけながら、
「本当にいいの? 後悔しない? もし生き残れたとしても、今まで通り過ごしていくことは不可能だよ。それでも?」
「はい。私はまだ死にたくありません!」
その言葉を聞き、アリスは妖しい笑顔を見せ、口元からは鋭く尖った犬歯が見えていた。
そして、そのまま夏世の顔に自分の顔を近づけ、そのまま唇を重ねた。
「!!??!?」
夏世は何をされているのかようやく理解が追い付いたらしく、アリスを引き剥がそうとするが顔を両手でがっちりと固定されていて、その上自分は体を満足に動かす事が出来ない状態なので、抵抗らしい抵抗すらすることができなかった。
そうしている内にアリスが自分の口の中に舌を差し入れてきて、そのまま血の混じった唾液を流し込まれ無理矢理飲み込まされた所でようやく解放された。
すると、
「ぐ…………あぁあぁぁぁ…………!!」
その瞬間から全身に激痛が走り、自分の体が何か別の物に変えられていくような感覚を感じたのだった。
「夏世が生きていられるかは夏世次第だよ。生きていたければ頑張って耐える事だね」
アリスはそう言って夏世の首筋に噛みつき体液を流し込んでいった。
そして、そのまま夏世の意識は闇へと沈んでいった。
デート・ア・ライブの二次創作も始めたけど、特に更新が劇的に遅くなることなどはないので安心してください。