現在、ベルベットルーム
「「ようこそ、ベルベットルームへ……」」
「! 君は……!」
総司は現在、ベルベットルームへと来ていた。
理由は単純に、イゴールにペルソナの合体を頼むつもりで来たのだが、いつもマーガレットが座っている席の隣にもう一人座っている女性がいた。
そして、その女性に総司は見覚えが有る。
今日、自分の兄である洸夜と食事をしていた女性だった。
「君は……?」
「お初にお目に掛かります。私はエリザベスと申します。瀬多総司様でございましたね、お話は主様とお姉様からお聞きして下ります。以後お見知り置きを……」
「えっ? 主様は、多分イゴールだけど……お姉様は?」
「もちろん、私よ」
そう言って姉妹揃ってクスクス笑い出すエリザベスとマーガレット。
更にその様子を見て、ヒッヒッヒと笑っているイゴール。
だが、それよりも総司はエリザベスに聞きたい事が有った。
「エリザベス。君に聞きたい事がある」
「何でございましょうか?」
「今日、君はステーキハウスで一緒に食事をしていたよね?」
「はい、それが何か?」
総司の言葉に首を傾げるエリザベス。
それに対して総司は話を続けた。
「あの時、君と一緒にいた人何だけど、あの人は「ああ、道を教えて下さってくれた、あの御優しい殿方の事でございますね」えっ?」
総司の言葉を遮り、言葉を発したエリザベスの言葉に今度は総司が首を傾げる。
「実は、この町に来た時に恥ずかしながら迷子に成ってしまいました」
「エリザベス。新しい町に着いたらまずは地理を調べなさいって、あれ程……」
「お、お姉様……その話は後で……話を戻しますが、その時に道を教えてくれて、御昼食まで奢ってくれました優しい殿方でございました。彼が何か?」
「えっ? いや……何でも無いよ(偶然だったのか? 兄さんなら、困っている人を助けるぐらいするし……考え過ぎか)」
「それでは、御用件をお聞きしましょう」
イゴールの言葉に、総司は先程の疑問を捨て、ペルソナを合体させる事にした。