機動戦士ガンダムSEED Destiny 聖なる解放者   作:もう何も辛くない

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前書きに書くことが特にない…

二話目です


PHASE2 乱れる平穏

「まず格納庫をつぶすぞ!出てくるモビルスーツに気を付けろよ!」

 

 

突然出現したMS

カオスに登場している、スティングが、他の二機に登場している二人に指示を出す

 

 

「ステラ、お前は左」

 

 

カオスが正面に飛んでいくのを見て、アビスを駆る、アウルが残った一人に指示をする

 

 

「わかった」

 

 

そして、残りの一機

ガイアを駆る、ステラが頷く

 

そして、二機が同時に左右に分かれて突進していった

 

 

 

 

セラの目の前で、三機のガンダムが暴れている

緑色の機体は、正確な射撃と、ドラグーンだろうか

二基を操って、ディンを落としていく

 

青い機体は両翼を開いて、複数のMSに火力を浴びせていく

 

黒い機体が、MS形態から、バクゥのような四本足の形態に変化する

そして、地面を駆け抜けながらビームを照射していく

 

 

「姫をシェルターに!」

 

 

どこかから、デュランダルの声がする

すると、デュランダルの随員が、二人の傍に立つ

 

 

「こちらに!」

 

 

そして、走り出す

セラは、カガリの手を引いてその随員について走り出す

 

 

「何としても抑えるんだ!ミネルバにも応援を頼め!」

 

 

デュランダルの声を背後から聞きながら、セラはカガリを守るためにも走る

 

工廠区は火の海となっていた

MSが暴れまわり、そこらじゅうに破壊されたMSが落ちている

 

 

「…!」

 

 

そこで、セラは足の動きを止めて、カガリを抱きしめる

 

近くで、ガイアが戦闘を繰り広げていた

その、ガイアが放ったビームが、セラたちの近くに着弾する

 

爆発が起こり、それに、先導していた随員が巻き込まれた

 

 

「くそっ…!こっちだ!」

 

 

シェルターに案内してくれる随員はもういない

セラは、少しでも安全な場所を見つけようと画策する

 

だが、どこにも安全な場所などあるはずがない

どこもどこも戦闘が行われている

爆発がひっきりなしに起こっている

 

 

「何で…。何でこんな…!?」

 

 

カガリが、セラに手を引かれながら言う

セラは、振り返ってカガリの顔を見る

 

カガリの目には、涙が

 

 

「…?」

 

 

何とか

何とかカガリを救う方法はないのか

 

そう思って、まわりを見渡した

 

そして、一つの機体を見つけた

ジンにも似た

だが、違う

 

どこにも損傷は見当たらない

ハッチも空いている

 

 

「来い!」

 

 

セラは、迷わなかった

カガリを引っ張って、その機体の傍まで行く

 

 

「な…、お前…!」

 

 

カガリを抱き上げて、その機体に乗り込む

すぐさまハッチを閉め、OSを起動させる

 

 

「セラ…、お前…。」

 

 

「こんなところで、姉さんを死なせてたまるか!」

 

 

セラは、機体を起き上がらせる

 

画面に、この機体の名称が出る

ZGMF-X1000ザク

 

 

(おそらく、この動きは相手にも見られているだろうな)

 

 

そのセラの予想は当たっていた

 

いつの間にか、二本脚の形態になっていたガイアが、こちらに目を向けた

そして、ライフルをこちらに向けてくる

 

セラは、すぐさまSEEDを発動させる

 

 

「しっかりつかまってろ!」

 

 

カガリにそう忠告する

 

そして、セラはすぐさま機体を横にずらした

ザクが立っていた場所を、ビームが横切っていく

 

 

「なにっ!?」

 

 

ガイアのパイロット、ステラは、ザクの動きに驚愕していた

今までの敵は、全て一射、一撃で仕留めてきた

それなのに、自分の一撃がかわされた

 

 

「なんだ…、お前は!」

 

 

ステラは、今度はビームサーベルを抜いて斬りかかる

 

 

「思ってたよりも、使いやすいな!」

 

 

セラは、そうつぶやきながらシールドからビームトマホークを取り出して迎え撃つ

シールドで相手のサーベルを防ぐ

 

だが、二機のパワーはガイアの方が上だ

少しずつザクが押され始める

 

だがセラは、その力に逆らわずに機体を少しずつ後退させていた

そのおかげで、ザクは体制を崩さないまま

 

そして、もう片方の手に持っていたトマホークを振るう

 

 

「…!」

 

 

ステラは機体をすぐさま後退させる

トマホークが、ガイアの左肩をかすめた

 

 

「ちぃ!」

 

 

(リベルタスなら、左肩を斬りおとせてたんだけどな!)

 

 

セラは心の中で悪態をつく

この機体も、中々の機動性とパワーだが、それでもセラの愛機だったリベルタスには遠く及んでいない

自分の技術を思う存分発揮できない

 

力をセーブしながらの戦いを、セラは強いられることとなる

 

 

 

 

ザフト軍艦、ミネルバ

そのドック内で、ある機体の発進シークエンスが進められていた

 

 

「インパルス、発進スタンバイ。パイロットはコアスプレンダーヘ」

 

 

シンは、コアスプレンダーのコックピットに乗り込む

 

 

「くそっ!どうしてこんなことに!」

 

 

自分たちの場所で、好き勝手やられている今の現状

シンは悪態をつきながらOSを起動させていく

 

青く染まった画面

シンの操作通りに進行していく起動作業

 

 

「モジュールはソードを選択。シルエットハンガー二号を開放します。

シルエットフライヤー、射出スタンバイ…」

 

 

シンが作業を行っていると同時に、この機体を収容している艦でも作業が行われていた

そして、シンの目の前に広がる発進通路に光が灯る

 

 

「ハッチ開放、射出システムのエンゲージを確認。カタパルト推力正常。

進路クリアー、コアスプレンダー発進、どうぞ!」

 

 

目の前のハッチが開かれ、発進許可が出る

シンは操縦桿を倒して、機体を発進させる

 

 

「シン・アスカ!コアスプレンダー、行きます!」

 

 

シンが駆る戦闘機がハッチから飛び出していく

それに追従する形で、三機のユニットも発進していった

 

 

 

 

シンが発進作業を進めていたころ、セラはガイアと交戦していた

敵機の方がパワーは上だが、操縦技術は圧倒的にセラの方が上だった

戦いは、セラが有利に進めていた

 

のだが

 

 

「…、ちっ!もう一機来たか!」

 

 

セラが、一機、こちらに向かってくるのを感知する

味方ではない

間違いなく敵だ

 

向かってきたのは、カオスだった

ライフルを撃ちながら接近してくる

 

セラはビームをシールドで防ぐ

それを実行しながら、ガイアの動きを確認する

 

だが、ガイアの姿が見えない

 

 

「…!」

 

 

セラの頭に、警告音のようなものがはしる

セラはシールドを前に向けながら、後方にむかって足を出す

 

 

「なぁっ!?」

 

 

後ろに回り込んでいたガイアが、ザクの蹴りではじかれる

 

 

「何なんだこいつは!ザフトのエースパイロット!?」

 

 

「おい、スティング!なにやってんのさ!」

 

 

スティングが、ザクの動きに驚愕していると、今度はアビスが来た

 

 

「くそっ!三機か!」

 

 

正直、きつい

二機までなら、セラにとってはまだやれた

三機はきつい

 

カガリを乗せた状態では、全力でいけない

 

セラは、力をセーブしながら戦うとともに、カガリのことも気にしながら戦わなければならないのだ

だが、カガリを下ろすことはできない

そんなことは許されない

 

 

「どうする…!?」

 

 

三機の攻撃を何とか捌きながら、どうこの場面を凌ぐか考えようとした

 

セラの視界に、モニターに何かが映る

 

 

「戦闘機…?こっちに向かってくる?」

 

 

一機の戦闘機がこちらに向かってくる

そして、それに追従して飛んでいる三機

 

敵の三機は、その戦闘機に気づいていない

その戦闘機が、こちらにサーベルで斬りかかろうとしていたカオスに向けて、ミサイルを放った

放たれたミサイルが、カオスの背中に命中する

 

 

「ぐぅ…!なんだ!?」

 

 

急に背後から襲われた衝撃に驚愕したスティングが、まわりを見渡す

 

 

「なんだ、あれは…」

 

 

スティングが、見つけた

そして、ステラも、アウルも

その光景を見ていた

 

戦闘機が飛んでいる

それだけではない

 

戦闘機についていっていた物体が、合体していくのだ

そして…

 

 

「!モビルスーツ!?」

 

 

モビルスーツ形態になる

 

そのモビルスーツ

ZGMF-X56Sインパルスが、レーザー対艦刀をもって、ザクの前に立ちはだかった

 

 

「どうして、こんなことを…。また戦争がしたいのか!あんたたちは!」

 

 

インパルスに登場しているシンが、目の前の三機に叫んだ

 

 

 

 

 

「…味方か?」

 

 

目の前に立っているMS

こちらに攻撃してくる気配はない

 

セラは、目の前に立っている機体を味方と判断した

 

 

 

 

「うぉおおおおおおおお!!!」

 

 

シンは、大剣、エクスカリバーを振りかぶりながらガイアに向かっていく

ガイアもサーベルで迎え撃つ

 

斬り合う二機

だが、剣の大きさから押されたガイアが後退する

 

シンは、この戦闘を優勢で進められると思った

 

 

「はっ!いきなり出てきて!なんなんだよお前は!」

 

 

そんなインパルスに、アウルが全砲門を開いて火力を浴びせようとする

それに気づいたシンは、機体を横にずらそうとする

 

 

「…なぁっ!?」

 

 

アウルは、響いてくる警告音に従って機体をずらした

アビスがいたその場所を、ビームが横切る

 

 

「シン!」

 

 

「レイ!」

 

 

アビスの背後から、赤い機体が来る

さらに、その後ろからも、もう一機の機体が

 

 

「シエル!」

 

 

「シン!大丈夫!?」

 

 

シエルが駆る、ヴァルキリーが、戦場に舞い戻ってきたのだ

 

 

 

 

セラは、いったん離れて、戦況を見守っていた

一機だけで、孤軍奮闘するのかと思っていたその機体を援護しに来たのか

二機のガンダムが、インパルスの傍による

 

そして、そのうちの一機が

 

 

「ヴァルキリー…?」

 

 

なぜ

なぜこの機体がここにある?

この機体は

この機体に乗っているのは

 

 

「シエルなのか…?」

 

 

「セラ…」

 

 

混乱するセラ

それを気遣うようにセラをのぞき込むカガリ

 

カガリの目を見て、セラは我に返る

そして、思い出す

今、自分がどういう役目を負っているのか

自分がやるべきことを

 

 

「え…、セラ!?」

 

 

カガリが、驚いたように声を出す

セラが、機体を戦場から遠ざけていくのだ

 

 

「今は、安全なところにカガリを届ける」

 

 

セラは、表情を動かさないで言う

 

今、自分は護衛なのだ

カガリを守ることが、自分の役目なのだ

自分の私情を、出すわけにはいかない

 

セラは、機体を、灰色の戦艦に向けた

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、俺たちも行くか!」

 

 

特務艦、ガーティ・ルーのブリッジ内

その艦長席の隣の席に座っている仮面をかぶった男が時計を見て指示を出す

 

隣に座る艦長が頷き、指示を出す

 

 

「ゴットフリート一番二番起動!ミサイル発射管一番から八番、コリントス装填!イザワ機、バルト機はカタパルトへ!」

 

 

モニターには、ナスカ級の戦艦が二隻映っている

だが、こちらには気づかない

 

それもそのはず、このガーティ・ルーは、ミラージュコロイドで姿を隠していたのだ

 

仮面の男

ネオ・ロアノークは、モニターと作業の様子を見て、さらに命令を出す

 

 

「主砲照準、左舷前方ナスカ級。発射と共にミラージュコロイドを解除、機関最大」

 

 

陽気な感じで、かつ淡々と指示を出すネオ

 

 

「ロアノーク大佐」

 

 

「うん?どうした、スウェン」

 

 

ネオの隣に立っていた男

スウェン・カル・バヤンがネオに声をかけた

 

 

「自分はどういたしますか?機体に乗って、待機しますか?」

 

 

無表情のまま、ネオを見るスウェン

 

ネオは笑顔でその問いに答える

 

 

「俺たちが出る必要はないと思うがな。まぁ、出るべきだと思ったら俺も出る。ここで戦況を見ていてくれ」

 

 

「了解しました」

 

 

ネオの指示に頷きながら答えるスウェン

 

 

「ゴットフリート、てぇっ!」

 

 

その会話の直後、艦長の指示と共に、砲撃がナスカ級に向けて放たれた

放たれた砲撃はナスカ級の駆動部を貫く

 

ガーティ・ルーは、ミラージュコロイドを解除して一気に加速する

 

アーモリーワンの管制も、戦艦の接近にようやく気付き、対応をしてくる

 

 

「そーら、来るぞ!モビルスーツ発進後回頭二十!主砲照準インディゴ、ナスカ級!

あちらの砲に当たるなよ!」

 

 

ここにきて、ネオの声も先程までの陽気さが薄れてきている

 

だが、それでも

その声に含まれる自信は隠し切れない

負けるはずがない

 

そう、自分たちが負けるはずがないのだ

 

 

 

 

 

 

 

三対三となった戦況

シンたちが圧倒的優位で戦いを進めていた

 

やはり、その原因はシエルにあるだろう

大戦を生き抜いた経験

それがここでいきていた

 

 

「くそっ!仕方ない撤退するぞ!」

 

 

スティングが歯噛みしながら撤退を決断する

自分たちが知らない新型機が三機

それも、そのうち一機は、自分たちを圧倒している

 

これでは、全滅もありうる

 

自分たちは、なんとしてもこの機体を届けなければならないのだ

死ぬわけにはいかない

 

 

「ステラ!そいつを振り切れるか!」

 

 

スティングが、インパルスと激しい戦闘を繰り広げているステラに声をかける

 

 

「すぐにこいつを沈める!」

 

 

スティングとアウルが、撤退しようと試みる中、ステラは目の前の機体を落とそうと躍起になる

 

 

「ステラ!」

 

 

スティングが、ステラに怒鳴る

ここで、私情を優先させるわけにはいかない

何としてもここから撤退しなければ

 

 

「こんな…!私が、こんなぁあああ!」

 

 

ステラが叫び声をあげながらインパルスに襲い掛かる

 

 

「なら、お前はここで死ねよ!」

 

 

「っひぃ!?」

 

 

赤い機体

ZGMF-X23Sセイバーと交戦しながらも、少しずつ後退していっているアウルが、ステラにそう声をかけた

 

その言葉に、ステラが固まる

いや、そのセリフの中の、死という言葉にステラが固まった

 

 

「死ぬ…?死ぬの…、いやぁ…」

 

 

「…なんだ?」

 

 

急に動かなくなったガイア

シンは不思議に思うが、それでも動かないのなら、それでもいい

ここで、こいつを落とす

 

シンはエクスカリバーを振りかぶりながらガイアに向かっていく

 

 

「アウル!この…!」

 

 

「だって止まんないじゃん」

 

 

スティングとアウルが何か話しているが、ステラには届かない

 

死ぬ…?

ステラは、死ぬ…?

死ぬのは…

 

 

「いやぁああああああ!!!」

 

 

ステラは、一目散に機体を後ろに向けて離脱を開始した

 

 

「ステラ!」

 

 

いきなりのステラの離脱に、スティングの反応が遅れた

すぐさまガイアを追いかける形で、離脱を開始した

 

 

「結果オーライだろ!?」

 

 

アウルもまた、本格的に離脱を開始した

 

 

 

 

 

 

「あいつら!」

 

 

急に離脱していく三機

 

 

「レイ、シエル!追うぞ!あいつらを逃がすわけにはいかない!」

 

 

シンが先導する形で、三人は三機を追いかける

レイとシエルは、ライフルを連射しながら三機を追う

 

ガイアはそのまま一直線に離脱しようとするが、アビスとカオスはビームを防ぎながらの後退となる

 

 

「くぅ!しまった!」

 

 

動きが鈍ったことにより、インパルスがガイアに向かっていく

スティングは慌ててインパルスを追いかける

 

ステラを落とさせるわけにはいかない

 

一方のシンは、ガイアに中々追いつけないことにイライラしていた

今、装備している武装は、遠距離攻撃用の武器がない

 

ならば、武装を変えればいい

 

 

「ミネルバ!フォースシルエット!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミネルバの艦橋内では、アーモリーワンの被害状況の報告が飛び交っていた

 

 

「司令部、応答有りません!」

 

 

「工廠内ガス発生!エスバスからロナール地区まで、レベル四の避難勧告発令!」

 

 

次と次と報告されていく

 

ミネルバ艦長である、タリア・グラディスは表情を曇らせる

敵に、こちらの新型を奪われ、そしてその新型で破壊されていくプラント

 

 

「艦長…、これ、まずいですよね…。もし、このまま逃げられたりでもしたら…」

 

 

タリアの斜め前の席に座るミネルバ副艦長、アーサー・トラインが、不安な表情を向けてタリアに話しかける

 

 

「ばさばさ飛ぶわね、上層部の首が」

 

 

タリアはアーサーの問いにばっさりと答える

アーサーが情けない表情になる

 

タリアは親指の爪を噛みながら考える

 

 

「それにしても、一体どこの部隊なのかしらね…。こんな大胆な作戦…」

 

 

モニターに、シンたちの追撃を振り切りながら離脱していこうとする三機が映し出されている

 

あそこまで機体を操れるのだ

ナチュラルとは思えない

だが、コーディネータとも考えたくはない

 

地球連合軍?

 

それしか考えられないのだ

 

締結されているユニウス条約

それを破って攻めてきているのか?

 

そう考え始めた時だった

 

 

「議長?」

 

 

艦橋後ろの扉が開いて、随員を伴って入ってくる人物

ギルバート・デュランダルだった

 

その姿を見て、艦橋にいる全員が居住まいを正す

 

 

「状況は!どうなっている!?」

 

 

デュランダルが大声で尋ねる

 

 

「…ごらんのとおりです」

 

 

タリアは、モニターを示す

モニターに映し出されている光景を見て、デュランダルは苦い表情に変わる

 

その時だった

 

 

「ミネルバ!フォースシルエット!」

 

 

シンから通信が入った

 

シンからの要求

アーサーがタリアを見る

 

 

「許可します!射出して!」

 

 

タリアがそう指示する

そして、その後デュランダルの方へと振り返る

 

 

「もう、機密も何もありませんでしょう?」

 

 

タリアの問いかけに、デュランダルは頷く

 

 

「フォースシルエット、射出スタンバイ!」

 

 

タリアの指示を受けた、メイリン・ホークがデッキに呼びかけた

 

 

 

 

 

 

シンたちは、必死に離脱していこうとする三機を追撃していた

しかし、三機は上手くシンたちの攻撃を避けて離れていく

 

 

(…Nジャマーキャンセラーが取り除かれていなかったら、追いつけたんだけど…)

 

 

心の中で、シエルがそうつぶやいた

 

ザフトに戻って、この機体を渡した時

ユニウス条約により、Nジャマーキャンセラーが取り除かれたのだ

 

それにより、機体のパワーは一気に下がった

それでも従来の機体よりも上の性能を持っているのだが

 

 

「…あ、シン!」

 

 

そこで、視界に入ってきたユニット

 

シンに呼びかける

 

 

「あぁ!わかってる!」

 

 

「援護は任せろ!シン!」

 

 

レイがインパルスの前に立ちはだかる

インパルスに向けて撃たれるビームを防いでいく

 

シンは、こちらに飛んでくるユニットに向かう

そして、背中に装備している武装をはずす

 

とんできた飛行物体が後部にあるユニットをパージする

そして、そのユニットを接続した

 

これが、インパルスの特性

背面の装備を換装することができるのだ

 

今、装備したのは、フォースシルエット

接近戦、遠距離戦をバランスよくこなすことができる、機動型の装備だ

シンは、バーニアを吹かせてガイアに接近する

 

 

「落ちろぉおおおおおおお!!」

 

 

ビームサーベルを抜いて斬りかかる

ガイアに接近し、サーベルを振り下ろそうとしたところだった

 

ガイアが、ずっと砲火を浴びせ続けたコロニーの壁の一部分

そこが、破れた

 

 

「!」

 

 

その空いた穴を、三機は潜っていく

 

 

「くそっ!逃がすか!」

 

 

シンは、その三機を追っていく

 

 

「シン!深追いをするな!…くっ!」

 

 

レイもシンを追っていく

シエルも、二人を追って、穴を潜っていった




ヴァルキリーは残っていました
核は取り除かれましたが

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