クロバス+プラス   作:ネッシュ

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第22回目は……はい!荒木監督再び~~w

はい、五か月ぶりの投稿です。
本当にごめんなさい。すみませんでした。
お前誰やねんって思う人もいると思います。改めまして、ネッシュです。

ええと、今回の荒木監督は監督ではなく、日本代表のときの荒木さんです!
リクエストいただいていたのに遅くなってしまい、申し訳ございませんでした…!

では、読んでもいいよって方はどうぞ!!


クロバス+プラス 荒木雅子

 

 日本代表時代 【荒木雅子】

 

 

『ねえ、明日ってヒマ、かな?』

 

突然の彼女からの電話。なんだか遠足前の子供のようなわくわくした声だった。

 

「明日…?ああ、明日は9時くらいまでバスケのミーティングだな。すまないが、会うのならばそれ以降となってしまうが…」

 

『じゃあ、会えるんだね?』

 

「ああ」

 

『じゃあさ!明日9時過ぎにまさちゃんの家行ってもいい?』

 

「構わないが…急にどうしたんだ?」

 

『えへへ…内緒!』

 

「…そうか、美咲らしいな。じゃあ、明日な」

 

『うん、また明日!じゃ、おやすみなさ~い!』

 

「ああ、おやすみ」

 

 

____________

 

…と、いうのが昨日の会話。

 

そして現在、11時47分。

 

私はいま…家に向かって全力で走っている。

非常にまずい。これはまずい……。美咲に連絡したいのはやまやまなのだが…こういう時に限って携帯の充電がなくなるという事態…。

 

「もう、帰ってしまっただろうか…」

 

いくら温厚な彼女とはいえど、夜に3時間近く連絡の一切もなしで待たされたら…さすがに呆れて帰るに決まっている。

 

私は、足を止めた。走ったって、待っている人はいない。

 

「……っ」

 

熱いものが、こみあげてくる。

 

 

彼女との約束を守れなかった私が

 

彼女を失望させてしまった私が

 

彼女を悲しませてしまった私が

 

………許せなかった。

 

 

どうしていつもこうなのだろうか。大事な時に限って、いつも……。

 

「ずっと落ち込んでいても、仕方ないな…」

 

家に帰って、まず電話をしよう。そして、謝ろう。

 

両頬を手の平でうち、再び歩き始めようとしたその時____

 

 

「まさちゃん!!」

 

 

…と、聞きなれた、私の大好きな声が夜の道にこだました。

 

それと同時に、柔らかな、優しい温もりが私を包み込んだ。

 

振り向かなくても分かる。この温かさは__…

 

 

「…美咲」

 

まず、何より彼女に会えたのが嬉しかった。

 

…でも、疑問が1つ。

 

「何でここにいるんだ…?」

 

待ち合わせは3時間前。呆れて帰ったとばかり思っていたのに…。

 

「どうしてって……今日会うって約束してたから?」

 

不思議そうに小首をかしげる彼女。

 

「だ、だが…待ち合わせは3時間近くも前…」

 

私の言葉に「あ~」と軽い言葉を返し、笑いながら答えた。

 

「いいんだよ~。遅れたのだって、話し合いが長引いたとか何かでしょ?」

 

「あ、ああ…」

 

「連絡がなかったのも、携帯の充電がなくなったとかでしょ?」

 

「…良く分かったな」

 

的確すぎる彼女の言葉に思わず苦笑さえした。「何でもお見通し」という所なのだろうか。

 

「あはは!何年まさちゃんと一緒にいると思ってるの~?それくらい予想できちゃうよ!」

 

彼女の曇りのない太陽のような笑顔が、私のどんよりとした雲を追い払ってくれた。

 

…ああ、やっぱり彼女には適わないな。

 

「__美咲、ありがとう」

 

「ん?何がー?」

 

きょとんとした表情で私を見つめる彼女。「何でもないよ」と、頭を撫でた。

 

「あ…そういえば、今日はどうして会いたかったんだ?内緒、と言っていたが…」

 

そうだ、これが一番謎だったんだ。こんな夜なのに会いたいとは…よっぽどの用なのだろうか?

 

「あー、そうだね。…ん~、もうちょっとしないと言えないんだよね」

 

「…?ますます分からないな…」

 

頭を回転させてみるも、考えれば考えるほどよく分からなかった。

 

ううん…何なのだろうか…。

 

「本当に分からないんだ~!あはは、まさちゃんは本当に自分のことになると鈍感だよね」

 

「はあ…?何を言っているんだ?」

 

自分自身のこと…?そんなの、自分が一番分かっているはず__

 

「……よし」

 

彼女はきらりと光った腕時計を見て、そう呟いた。

 

 

時間は、午前0時。

 

 

彼女は向日葵のような笑顔を浮かべて、私に向かってこう言った。

 

 

「まさちゃん、お誕生日おめでとう!!」

 

 

「__!!」

 

ああ、そうか…今日は、私の誕生日。すっかり忘れていた…。

 

「どうせまさちゃんのことだから、忘れてるだろうな~って思ってたんだよね。そしたら…案の定?」

 

くすくすと小さく肩を震わせる彼女。その目じりにはうっすらと涙が浮かんでいた。

 

…そこまで面白いか?

 

「お前の言う通りだ…。…だが、ありがとうな。嬉しいよ」

 

「えへへ、どういたしまして!あ、「おめでとう」言ったの私が最初だよね!?」

 

「ああ、もちろんだ」

 

「よかったあ!そうじゃなきゃ今日会った意味ないもん~」

 

今度は桜のような柔らかな笑みを浮かべた。…ああ、そうだったのか。

 

「一番に言うために、今日会いたいって言ってたんだな?」

 

「えへへ、そうで~す!…あー、なんか子供っぽかったね」

 

赤く染まった頬をかきながら、視線を泳がせる。ふふ、可愛いやつだ。

 

 

私のために、待っていてくれたこと。

 

私を信じて、待っていてくれたこと。

 

私のために、笑みを浮かべてくれたこと。

 

それが、何より嬉しくて

 

 

「美咲」

 

私は愛しい彼女の名を呼んだ。

 

「ん?どしたの、まさちゃん?」

 

今日何度目だろうという彼女の笑顔。

 

いつみても、飽きる事なんてなくて

 

 

「__大好きだよ」

 

 

この恋にも、飽きることは無いだろう。

 

 

 

_______愛おしい彼女と一緒なら。

 

 

 




どうも皆様、おはこんにちばんわ。ネッシュです。

いやーーーーーー五か月ぶり!!
色々突っ込みたくなるところもあると思いますが、突っ込まないでください!!
温かい目で見守ってください!支えがないと私はやっていけませぬ


あと、監督たちの日本代表時代のリクエストですが、連続で投稿はするか分かりません。少し違うキャラクターを挟んでの投稿になるかもしれません。
ご了承くださいませ…!

ではでは、今回はこの辺で筆をおろさせていただきます。

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