天才と規格外と召喚獣 作:ゆん
遥希と遥奈が教室に来た時に明久達は叫びそうになったが、それよりも早くある2人が叫んでいた。
「「明久、秀吉、優子、愛梨!」」
「「うわっ!?」」
「「キャアッ!」」
2人はは名前を叫んだと同時に遥希は明久と秀吉に、遥奈は優子と愛梨に抱きついた。
明久達はそれを予期して少し構えていたので倒れることはなかったが、それでも衝撃があったので倒れそうになってしまった。
「っと……危ないだろ?」
「次からは勢いをつけないでほしいのじゃ」
「ん、了解」
「あなたもよ? 遥奈」
「ほーい。以後気をつけまーす」
「絶対ですからね?」
そんなふうに雑談していると、女子生徒が2人こっちに来た。
それを見た優子は相手を睨みつけながら明久に抱きつき、明久と秀吉はそんな優子を落ち着かせ、愛梨と遥希と遥奈は首をかしげながら見ていた。
1人は黒髪のロングヘアーでまさに容姿端麗、才色兼備という言葉があっている人だった。
もう1人は黄緑色のショートヘアーで活発そうな人だった。
「えーっと、2人は誰?」
「……私は霧島翔子。Fクラスにいる坂本雄二の妻」
「工藤愛子だよ! 趣味は水泳と音楽鑑賞で、スリーサイズは上から78・56・79! 特技はパンチラで、好きな食べ物はシュークリームだよ! よろしくね♪」
「「「「「って、ちょっと待てーーーーーい!!」」」」」
2人の自己紹介に、思わず明久達は突っ込んでしまった。
「妻って何!? そこは彼氏じゃないの!?」
「……将来結婚する」
「その時は祝福するが今は彼氏じゃろうが!」
「お前はなんだよその特技! しかもスリーサイズとか言わなくていい、っていうか言っちゃ駄目だろ!」
「あれ、遥希君、だっけ? もしよかったら保健体育教えてあげようか? もちろん、実技で……ね♪」
「そんなんいらねーよ!?」
「それじゃあ、吉井君に教えてあげようかな」
「それは絶対だめぇーーーーーーーっ!!」
そんな中ただ1人、突っ込まずにゆっくりと愛子に近づく人物がいた。
その人物、遥奈は愛子の手を両手でつかみ、
「遂に同志発見!」
「「「「「同志にならなくていいから!?」」」」」
………同志を発見して喜んでいた。
そんな時、校内に放送が流れた。
『えー、船越先生、船越先生、2-Aクラスの吉井明久君がお待ちしています。至急体育館裏に来てください』
「…………え?」
「え? 吉井君、ここにいるよ?」
「てことは……」
「……船越先生を呼び出すための作戦」
「ほうほうなるほど……って、ちょっと待てーーーーーいっ!!」
明久が叫び、その場から逃げ出そうとした、その時、
『繰り返しま(バンッ)!? だ、誰だお前ら! え、歯を食いしばれ? ちょっ、まっ、ギャアアアアアアアッ!!!』
「「「「「「「…………」」」」」」」
しばらくの静寂。すると放送が再び流れた。
だが、その声は最初に放送した人ではなく、明久達がよく知っている人物の声だった。
『あーあー、船越先生、今のは放送室にいる男子生徒の照れ隠しです。なので早く来てあげてください。婚姻届を持って』
『それからFクラス男子ー、姫路と島田がお前らとヤりたいって言ってるぞー』
遥希と遥奈がそう言った、その瞬間、
『『『うおおおおおおおっ! 姫路さーーーーーん! 島田さーーーーーん!』』』
『『イヤァーーーーーーー!!』』
Fクラス男子と女子2人の叫び声が聞こえてきた。
これを聞いて明久達が固まっていると、とてもスッキリした顔で2人が戻ってきた。
「「ただいま~~~」」
「2人とも、何やってるのよ……」
「いや、あいつらが明久に暴力振ってるって話を聞いてたから、つい」
「そ。だから自業自得だよ」
2人のこの態度に、明久達はこれ以上言うのを諦めた。
ちなみに試召戦争ではFクラスが勝ち、姫路と島田も処女を守りきったとさ。