俺の凡高での日常   作:ブリザード

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ニセコイ第2期、2015年春に放送決定!!
マジで嬉しい!春が楽しみだな〜



第33話 黒のケッシン

文化祭本番。とうとう練習してきたロミオとジュリエットをみんなに見せる時が来る1時間前。その時、俺とるりは

 

「俺たちのクラスで飲食店やってまーす。ジュースやケーキ、お菓子もあるのでどうぞきてください〜」

 

「………………来てください」

 

宣伝用の服に着替えて2人でクラスの宣伝をしていた。るりはこの前の格好にメガネをかけた姿で、俺は楽の衣装を改造したような感じ。ロミオとジュリエットの衣装はこんな感じですよ、と見せるような感じだ。

 

『ねぇ、あの子可愛くない?』

 

『うんうん!すっごく可愛い。何組だろ?』

 

『でも、その隣にいるのって神崎クロだぜ。…………恐ろしい』

 

おい、恐ろしいってなんだ!!いい加減俺見てビビるのやめろよ!

 

「クロ君は相変わらずね」

 

「まぁ、仕方ねえよ。そういうるりはいつもと違う格好して校内を歩き回ってるけど、どうなんだ?」

 

「別に。いつもと雰囲気が少し違うだけよ。それ以外、何もないわ」

 

「そーですか」

 

最近、るりと小咲の様子がおかしい。あまり、向こうから俺に話しかける事がなくなってしまった。最近俺が少し2人を避けているように、2人も俺を避けてきている気がする。

 

「…………今日、本番なんだもんな。終わったらちゃんと言わないと」

 

「何か言ったかしら?」

 

「いや、何でもないよ。宣伝の続きしようぜ」

 

ここまで先延ばしにしてきたのは完全に俺のミスだ。どんな結果になってもみんなにはちゃんと言わないと。楽や集、マリーや小咲やるりには悪いけど。俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九州に帰るって事を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『1年C組神崎黒君。1年C組神崎黒君。担任の先生がお呼びです。すぐに体育館裏に来てください。繰り返します…………』

 

「あれ、俺呼ばれた?何でだ?」

 

「さぁ?何かあったんだと思うわ」

 

「まぁいいや。じゃあ、悪いけど少しの間宣伝頼むな」

 

「はっ?ちょ、クロ君!!」

 

宣伝用の看板をるりに渡して俺は小走りで体育館の方に向かった。後ろで何故か起こったるりの悲鳴を無視して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじゃましまーす。先生、本番前に何か用ですか?」

 

「おっ、来たか。ちょっとこっちでトラブルがあって小野寺が足をくじいたんだ」

 

「小咲が!?大丈夫何ですか?」

 

「ただの捻挫のはずだから大丈夫。普通なら橘が代役で出るんだが、あいにく風邪をひいて休みなんだ。とりあえず考えがまとまるまで一条に小野寺を見てもらってたんだけど、少し前までいきなり一条が見ていたんだけどいきなり走ってどっかに行ったから急遽お前に来てもらったんだ。じゃあ、小野寺のことよろしく」

 

キョーコ先生がどこかに行ってしまったので、俺は床に座って俯いている小咲の横に座る。小咲を心配するようにもう1人女の子がこっちに来た。

 

「……大丈夫か?」

 

「…どうしよう。私のせいでみんなで頑張ってきたこの劇ができなくなっちゃう。この衣装も台詞もみんなちゃんと考えてくれたのに私のせいで」

 

「違う、寺ちゃんは悪くない。私のせいなの。私が無理して飾り付けしようしたから脚立から落ちて…………それで」

 

「違うよ。愛音ちゃんは悪くない。悪いのは私なの。私が…………」

 

中村愛音。髪型がポニーテールの同じクラスの女の子。どうやら、この子を助けるために小咲は足をくじいたようだ。

 

「とりあえず、2人でどっちが悪いとかいうのやめろ。中村はクラスのためにやろうして、小咲は中村を助けようとしてこうなっただけだ。どっちが悪いとかいう事じゃない。気にする事じゃねえよ」

 

「「でも!」」

 

「本番前だからって絶対アクシデントが起きないとは限らない。今回はそれがたまたま起きただけ。問題はその後どうするかって事だ。俺は悔やむなら次の事を考えた方がいいと思うぞ」

 

俯いて涙を流す小咲と中村を見て俺は慰めるようにゆっくりと小咲の頭を撫でる。……にしても楽の奴、小咲を置いていきなり走ってどっかに行くなんてあいつ何考えてるんだ。

 

「…………ふふっ、神崎くんって以外と優しいんだね。みんなが事件の事言うから私も少し怖かったんだけど」

 

「言われてる方も辛いんだぞ。後、俺はクロでいい。上の名前は嫌いだ」

 

「うん、わかったクロ君。ありがと。何か少し楽になったよ」

 

「礼をされるほど良いことを言ったつもりもないけどな。…………小咲、中村、見てみろ。劇も何とかなりそうだぞ」

 

俺が見ている方を2人は見る。そこにはロミオの役だった楽とその横に桐崎さんが立っていた。

 

「ち、千棘ちゃん!?千棘ちゃんがジュリエット役やってくれるの!?」

 

「うん。こいつが泣いて土下座するから仕方なくね」

 

「なっ!!俺はそんな事してねえぞ!」

 

「…………??」

 

何があったか知らないけど、2人は無事に仲直りしてみたいだ。これで劇は何とかなりそうだな。良かった。

 

「中村、劇は何とかなった。だから、次は小咲に助けてもらったその体で何かするべきだと思うぞ。もちろん、次は無茶しないようにな」

 

「………………うん!なんか元気でた。ありがとう、クロ君!」

 

そう言って中村は劇の準備をするために走っていった。

 

「……さてと、じゃあ俺は宣伝の方に戻りますか」

 

「ちょっと待って!!」

 

宣伝に戻ろうとして立ち上がろうとしたら小咲に服の袖を掴まれ止められた。

 

「どうした?まだなんか用があるのか?」

 

「うん。でも、ここではちょっと…………」

 

何の用なんだ?ここでは話しにくいって事はとても大切な事なのかな?

 

「わかった。とりあえず外に行こう。そこで話せばいいだろ?」

 

小咲は黙って頷いたので、小咲のくじいた足を気にしながら俺たちは外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、話ってなんだ?」

 

「うん………………あのね、クロ君はこのまま転校してもいいと思ってるの?」

 

…………………………え?ちょっと待って。なんでその事を小咲が知ってるんだ?俺まだこれをマリーにしか話してないぞ。なのになんで?

 

「この前、私とるりちゃんが用事で放課後の練習抜けたでしょ?」

 

「あ、あぁ」

 

「あれね、本当は私とるりちゃんでクロ君の家に行ってたの。最近のクロ君の様子が明らかにおかしいからるりちゃんがクロ君の家に行ったら何かわかるかもって。それで向かったらクロ君のお母さんにあって」

 

「母さんに話しを聞いたって訳だ。ったく、母さんは……余計なこと喋らなくてもそれくらい自分で言うのに」

 

「うん。だから、今聞かせて欲しいの。クロ君はどうするつもりなの?」

 

「………………小咲達には悪いけど俺は九州の方に引っ越す事に決めた。俺はもう母さんが悲しむ顔を見たくないんだ。だから……ごめん」

 

本当なら文化祭が終わって楽や集達みんなが揃ってるところで言いたかったんだけどな。聞かれた以上答えるしかない。

 

「そうなんだ…………………クロ君がそう決めたなら仕方ないよね」

 

それだけ言うと俺たちは黙ってしまう。

 

「………………ねぇ、クロ君。もう1つ聞いていい?」

 

「なんだ?と言っても大体聞きたい事はわかる。るりの事だろ?」

 

小咲は黙って頷く。

 

「最初は告白して去ろうと思ってたんだけどな。やめとくことにした」

 

「どうして!?」

 

「告白して向こうも好きだったとしたら?それなら俺たちが余計に苦しいだけだ。引っ越しするならどっちにしても苦しいんだしさ」

 

俺が向こうに行くことを知ったらきっとるりも悲しむだろ。それなら、この気持ちは胸の中にしまっておいた方がいいに決まってる。……って

 

「小咲?もしかして……泣いてるのか?」

 

小咲が手で顔を抑えている。俺は泣いてるのかと思った小咲の顔を覗き込もうとした瞬間。

 

「ふふっ、やっぱりクロ君とるりちゃんはお似合いだね!」

 

小咲は笑っていた。俺が転校すると言って悲しいはずなのに、なぜか笑っている。てか、お似合い?

 

「笑ってごめんね。クロ君のさっきの台詞ね、るりちゃんと全く同じだったよ。クロ君のお母さんから話しを聞いた日にも同じ事言ってた。そう思ったら何かおかしくて」

 

「なっ!!?……………………そっか、るりも俺と同じ事を。お互いそれをわかってるなら別に気持ちなんか伝えなくても」

 

「クロ君は本当にそれでいいと思ってるの?」

 

さっきは笑っていたのに、今度は真剣な顔をして俺を見ていた。

 

「私なら嫌だよ。例え、離れ離れになるにしてもそんな別れ方するならやだもん。もし、一条君が転校するってなったら私、絶対告白する」

 

「そ、それは小咲だったらの話だろ。俺とるりは違うよ」

 

「嘘!るりちゃんもクロ君もそんな事絶対思ってない。私もるりちゃんと中学からずっと一緒だし、クロ君共一緒だったんだよ。それぐらいわかるよ!」

 

「…………違う。俺は小咲の考えるような事を考えてない」

 

俺が俯いてそう言うと小咲は俺の手を両手でギュッと握ってきた。

 

「ねぇ、クロ君。自分の気持ちに正直になってよ。お母さんの事とかそういうのなしにしてクロ君の本当の気持ちはどうなの?クロ君はるりちゃんの事をどう思ってるの?」

 

「俺がるりを………………」

 

小咲にそう言われて俺は心の中でゆっくり考えてみる。いや、考えてみる必要なんかない。もう自分でも十分理解している。

 

「俺はるりが好きだ。それは俺が転校しても……何があっても変わらない」

 

俺はるりの事が本気で好きなんだ。だけど、母さんの事ばかり考えていたからその事をちゃんと意識してなかった。

 

「でしょ?だったら、告白するだけした方がいいんじゃないかな?私だったらしない方が後から絶対後悔すると思うよ。

 

「それで、向こうが俺の事を友達としか見れないって言ったらそれはそれで俺が告白できてよかったで済む。けど、もし向こうが好きだったらどうすんだよ。俺はそっちの方が間違いだったって気しかしないぞ」

 

「その時はその時だよ。それにクロ君はどう思ってるか知らないけど私達が一生会えないわけじゃないんだよ?」

 

「………………確かに」

 

お金はかかるだろうけど、俺が自分からるりに会いに行けばいいんだ。もしかしたら、小咲とるりがこっちに来てくれるかもしれない。

 

「それに…………前者の方には絶対にならないしね」

 

「ん?なんか言った?」

 

「ううん、何でもない。じゃあ、クロ君、決心した?」

 

「あぁ。色々ありがと。俺ちゃんと告白する。小咲のおかげで目が覚めたよ」

 

「うん!私も応援してるから頑張って!」

 

「サンキュー!でも、その前にロミオとジュリエットを見よう。折角の楽の晴れ舞台だ。ちゃんと見ないともったいないしな!」

 

そう言って俺はまた体育館裏に戻った。それが終わったらちゃんと自分の気持ちを伝えよう。結果どうなったとしても俺はそれをちゃんと受け止める。そう決心したから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小咲side

 

「はぁ、何か私生意気なこと言っちゃったかな?私も人のこと言えないのに。一条君に告白………………後でるりちゃんに怒られるだろうな」

 

「おい、小野寺。そろそろ時間だぞ」

 

「ふえぇ!!」

 

振り向くとそこに城野崎君が立っていた。いきなりの事で私は叫んじゃったけど。

 

「おい、びっくりしすぎだろ。……にしてもクロが転校か。まぁ、あいつも昔色々あったみたいだしな」

 

「もしかして、全部聞いてた?」

 

「あぁ。劇がもうすぐ始まるって言おうとしたら、お前らがここで話してるの聞こえたからさ。聞くつもりはなかったけど思わず……………」

 

「そうなんだ。まぁ、城野崎君にならきっとクロ君も許してくれるよ」

 

「そう言われるとありがたい。とりあえず、早く戻ろうぜ。もう劇始まるからな!」

 

「うん、そうだね!」

 

クロ君、頑張ってね。るりちゃんもちゃんと気持ちに答えてあげてね。クロ君が決心した結果なんだから。

 




どうでしたか?
オリキャラを出しました。このタイミングでって思った人もいるかもしれないですがww

感想と訂正があればお待ちしております!

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