るりちゃんはもちろん小咲や万里花にも期待!
春ちゃんと風ちゃんもでてきて欲しいな……
「…………聞いてくれ、楽隊員、城野崎隊員、舞子隊長。これはかなり重要な事なんだ」
海での旅行二日目。俺達は来ている男子全員で集まっている。
「どうした、クロ隊員。お前から話しを切り出して来るなんて珍しいな」
「舞子隊長。これはとうとうクロの奴も目覚めたってことなんでしょう」
「その隊員とか隊長とかやめねーか?」
集と城野崎はノリがいいが、楽は悪い。隊員とか隊長をやめる?はっ、天下の舞子集様に何て事を!!………話しを続けよう。
「俺の重要な事…………それは」
「「「それは?」」」
「………………昨日の夜から」
「るりの様子がおかしい」
「よーし、城野崎隊員。今からナンパにレッツゴーだ!!」
「了解であります!舞子隊長!」
「ちょっと待てえぇぇぇぇ!!」
俺の悩みを無視して集と城野崎がナンパに行こうとした。そんな二人を楽は呆れた目で見ていたが。
「いや、本当におかしいんだよ!俺が昨日の夜、バーベキューの串を渡したら目線逸らしながら受け取るし、あのるりがバーベキュー全然食べてなかったし、喋りかけたら返事しかしないし、何かもう夜から避けられてるし!」
「え、それはおかしいな」
「あぁ、おかしい」
「確かに。あの宮本が」
「「「夜ご飯を全然食べなかっただと!!?」」」
「一番はそこなのかよ!!」
なんだ、こいつら。俺の悩みを真剣に聞いてくれる気はあるのか?
「まぁ、冗談はこれくらいにして。昨日何があったんだ?クロが何かしないとそんな事にはならないぞ」
俺が昨日るりにした事……いっぱいありすぎるような気がする………
「えっと……海に着いて、るりの胸の話しをしただろ。クジ引きをした後るりと一緒に海の深い方へ行って泳いで、その後は………疲れたから俺がラムネ買いに行って帰ってきたらるりが不良に絡まれてたから俺が助けた。そんなもんか?」
「…………クロ、最後のやつもっかい言ってくれ」
「だから、るりが不良に絡まれてたから俺が助けた。その後なんだよな。るりの様子がおかしくなったのって」
((いや、惚れた男に助けられて様子がおかしくならない奴なんかいるかよ!!こいつどこまで鈍感なんだ!))
「クロ、お前って鈍感なんだな」
「「お前が言うな!!」」
「えぇ!?何で俺こんなに怒られてんの!!」
確かに楽だけには鈍感なんて言われたくない。でも、るりの事は本当にもやもやする。好きになった女の子があんな様子なのを俺は黙って見てられない。てか、俺が鈍感ってどういうこと?
「クロ隊員。別にお前が心配する事じゃないと思うぞ。少ししたらるりちゃんはいつものるりちゃんに戻るさ」
「集がそういうなら信じるけどさ。でも、やっぱり心配なんだよな」
「大丈夫大丈夫。今頃、宮本の親友が何かアドバイスとかしてる頃だろーよ」
るりside
「小咲、橘さん。少し困ったわ」
「いきなりどうしたのるりちゃん?」
「宮本さんが悩み事なんて珍しいですね」
二日目も砂遊びをしている小咲とパラソルの中で本を読んでいた橘さんに声をかけた。
不良に絡まれてるのを助けてもらってから、自分の気持ちにはっきりとわかった私は、クロ君とまともに話せなくなってしまった。
「もしかして、昨日の事を気にしていらっしゃるのですか?」
「………………うん」
「昨日の事?」
「昨日、クロ君が私を不良から守ってくれたのよ。まぁ、追い払ってくれたのは橘さんの警察?の人なんだけど。でも、助けてもらってから自分の気持ちがはっきり理解できちゃって。それからは、クロ君とどう接したらいいかわからなくなったのよ」
「それで昨日の夜からるりちゃんの様子がおかしかったんだ」
コクン、と無言で頷く。
「でも、今まで通り、普通に接したらいいんじゃないかな?」
「それはわかってるのよ。でも、いざクロ君と向き合ったらどうしたらいいのかわからなくなって……」
「重症なんだね」
小咲に重症って言われた。私からしたらあなたと一条君の方が重症に思えるわ。何で、付き合わないのよ!
「……でしたら、一度二人っきりで話してみるのはどうでしょうか?」
「「二人っきりで?」」
「はい!幸い、舞子さんが夜は花火をすると言っておりました。ですからその時に二人っきりになれば何か話す事もできましょう」
「いや、何を話したらいいかわからないって言ったのに、二人っきりで話せるわけないじゃない」
「いえ、二人っきりならきっと話せます!私が小学生の頃、クロ様と遊んでいる時はいつでも二人っきりでしたわよ?」
「いや、そういう問題じゃなくて」
「とにかく、私と小野寺さんでそういう場面を作りますから、とりあえず、頑張ってください!!」
「るりちゃん、私もできることは精一杯協力するから頑張って!!」
「………………わかったわよ」
そんなにうまくいくのかしら?私には成功する気がしないんだけれど。
クロside
「お、ついたついた。やっぱり最後は花火だよな」
「そうだな。昨日今日と本当に楽しかったよ」
二日目の夜。花火をする事にした俺達はいろんな種類の花火で遊んでいた。結局、俺は今日るりと話していない。
「私、こういう花火は初めてで……小野寺さん、鶫さん、舞子さん、城野崎さん。向こうでこの花火のやり方を教えてくれますか?」
あれ?なんで俺とるりの名前が呼ばれなかったんだ?
「モッチローン!!万里花ちゃんの頼みとあれば。なぁ、城野崎?」
「おう!クロもこい『城野崎、早く行くぞ!!』えっ、おい舞子隊長!なんで引っ張るんだよ!』じゃあな、クロ。後は頑張れー」
集は俺にウインクをしてマリー達の方へついていった。何故か、小咲もこっちを向いてガッツポーズをしている。
………………あれ?俺、今るりと二人っきりじゃん?楽と桐崎さんはどこかへ行ってしまったし。
「……………………」
「……………………」
気まずい。果てしなく気まずい!何これ、俺いじめられてるのか?いじめられてるのか?
「…………花火、きれいだな」
「…………そうね」
マジで助けて!!この空気から俺を出してくれええぇぇぇぇ!!!
「………るり、俺なんかお前に悪いことしたのか?」
「えっ?」
「昨日の夜から俺に対するお前の態度が凄く不自然だ。なんというか、ギクシャクしてる。でも、それをする根拠が俺にはわからないし、るりのそんな様子も見たくない。だから、頼む。お前のその態度の原因を教えてくれよ」
「…………別にクロ君が悪いんじゃなくて、私が」
「そうだったとしても、思い悩んでる友達をほっとくのは俺にはできない。俺に協力できることはなんでもする。頼むよ、お前の調子悪いのが俺のせいだとしても、るりが原因なんだとしても相談してくれよ。俺達、親友だろ?」
俺の今思ってる気持ちすべてをるりに伝えた。二人っきりだから言えることを全部吐いた。これで、るりが戻ってくれたら…………
(…………そうか。彼を好きだと思うから、こんなに緊張してしまうんだ。彼は私を励まそうとここまで考えてくれている。彼が私をどう思っているとか気にしなくていい。今はまだ私達はただの親友。それ以上の事はまた、これから考えていけばいいんだから)
「………………クロ君、ありがとう。今の事もだし、不良からも助けてくれて。あの時、クロ君がいなかったら、私がどうなってたかわかったもんじゃないわ」
「いいさ。大体、あの場面で(好きな)女の子を助けない男がいてたまるかよ」
「それもそうね(でも、そんなクロ君を私は好きになってしまったのよ)」
「…………あ、るり!今流れ星流れたぞ」
「えぇ、私も見たわよ」
(どうか、いつかるりと付き合う事ができますように)
最初に浮かんだお願い事はそれだった。恋愛は自分の力で叶えるものだろうけど、別にお願いするくらいはいいだろう。
「るりは何をお願いしたんだ?」
「秘密よ。クロ君が教えてくれるなら教えてあげてもいいけど」
「えー。いいじゃん、教えてくれよ!!」
「嫌よ。それより、花火なくなっちゃったから舞子君のところに取りに行きましょう」
「ちぇ、わかったよ」
俺とるりは集達から花火をもらえるため歩き出した。
(いつか、この人と………クロ君と恋人という関係になれますように)
前の話と今回でだいぶ話が進みました。
次はオリジナルです。自分が大好きなキャラ
四人+クロでいきます。