俺の凡高での日常   作:ブリザード

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遅くなってすいません!
これからも時々投稿があいてしまうかも
しれませんが、お許し下さい。


第21話 友達の家へホウモン

「というわけでクロ様。明日私の家に来てもらえますか?」

 

「はい?」

 

今日の最後の授業が終わり、その授業でわからなかったところをるりに聞いていると、マリーが楽を連れて俺の席まで来た。

 

「いや、なんで明日俺がマリーの家に?」

 

「お父様にクロ様の話しをしたら久しぶりに会いたいと申されましたので。楽様も今日私の家に来ることになっているのでよければ一緒にどうですか?」

 

「どう、って言われてもなぁ……」

 

俺は明日部活があるし、るりと一緒に帰る約束もしたから、すぐにわかりましたと返事をしにくい。

 

「…………別にいいわよ」

 

「えっ、いいのか?」

 

るりが机に肘をついて、窓の方を向きながらいった。

 

「何回も言わせないで。顧問の先生にもちゃんと休む理由を言っといてあげるから」

 

怒ってるな、これは。2年の付き合いで感じ的にわかる。

 

「……………へぇ」

 

マリーが何かを察したようにるりを見ている。マリーもるりが怒っているのがわかったのかな……

 

「では、クロ様。また明日」

 

「じゃあな、クロ。おい、橘。何故、俺を引っ張る」

 

「別にいいじゃないですか」

 

楽の腕を引っ張って、二人は教室を出て行った。

 

「…………すまん、埋め合わせはちゃんとするから」

 

「じゃあ、今日の帰りにアイス奢って頂戴。それで許してあげるわ」

 

「了解、それにしてもるりってホントアイス好きだよな」

 

そんなジト目で俺を見るなよ。ちょっとビビるじゃねえかよ。

 

「別にアイス好きなのを悪くいったわけじゃねえよ。ただ、そう思ったから言っただけだ」

 

「ならいいけど」

 

「それより、さっきのわからなかった問題を教えてくれよ。マリーが来たから曖昧になったから」

 

さっきの問題を教えてもらってそれから、少し勉強をした後俺達は帰った。俺達が勉強してる間周りの奴は嫉妬のような目で俺達を睨んでたから勉強しにくかったけど…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「はぁ、何でまたこんな事に」

 

「そんな顔するなよ。こんなに可愛い子の家に招待してもらえるんだぜ」

 

「可愛いだなんて、クロ様はお上手ですね」

 

俺達は昼頃に集合して、マリーの家へ向かっていた。

 

「俺が言ってるのはそういうことじゃなくてだな。………はぁ、千棘には無茶な事言われるし」

 

こいつも大変だな。

 

「楽様、クロ様。ここが私の家でですよ。このマンションの最上階フロアのすべてが私の家です」

 

マンションのフロア全部って……どんだけぶっ飛んでるんだ、こいつの家。でも、楽と桐崎さんも似たようなもんか。

 

「ところで、橘『まぁ、橘なんて。どうぞ万里花とお呼びください』…………橘の親父さんってどんな人なんだ?確か警視総監なんだよな?」

 

「とんでもありませんわ。父はとってもお優しい方ですよ。いつも私の事をマリーと呼んで、いつも私の事を気遣ってくれるのです」

 

楽は納得したような顔をしていた。そう言うけどマリーの親父を見たら、ビビるだろうな。俺も8歳くらいになってあの人の外見にちょっとビビってたからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、帰ったかマリー。早かったな」

 

「あら、お父様。ちょうど今呼びに行こうと思っていたところなのです」

 

うわー、変わってねえなこの親父さん。転校する前と変わらずすげぇ怖い顔。楽も驚愕してるし。

 

「お父様。この方が私の許嫁の一条楽様ですわ。素敵でしょ?」

 

「え、あ、はい。あの…どうも初めまして。俺、いや。僕は……」

 

楽、テンパりすぎたよ。いくら顔が怖いからといえもう少し落ち着けよな。親父さんに失礼だろ。

 

「ほぅ、君があの一条のせがれか。大きくなったな。父親にだいぶ似てきたんじゃないか…………ん?」

 

マリーの親父さんが俺に気づいたのかこっちに来た。

 

「親父さん、お久しぶりです。俺の事覚えてますか?」

 

「おぉ、覚えているとも。お前も大きくなったな、クロ坊」

 

俺は昔から親父さんにクロ坊と呼ばれて親しまれていた。何か、この感じ懐かしいな。

 

「まぁ、座ってゆっくり話そう。親父さんは元気か?」

 

「は、はい。もちろん」

 

「…………この傷」

 

親父さんは自分の額から目を通って頬までかかる傷を親指で指す。

 

「えっ、あぁ、カッコいいですね。お仕事中に受けたんスか?」

 

「うむ………この傷は昔君のお父さんに傷つけられたものでな。君を見ていると親父さんを思い出して来て傷が疼いてくるのよ」

 

うわっ、楽の親父さんなんて命知らずの事をしてるんだよ。下手したら一瞬で殺されるかもしれないのに。

 

「ふん、まぁ、そんなつまらん話しはどうでもいい。マリーも結婚出来る歳になったか。君もマリーの事を大切に想ってきてくれたと思うが」

 

「え、いや、まぁそれは『楽様は私の事を忘れてしまわれたそうですけど』どぅおい!!!」

 

「忘れてた?……おい、そいはどがん言うことと?」

 

あ、やべぇ親父さん切れた。切れるとマリーと同じで九州弁になるんだよな。楽が可哀想。

 

事情説明中

 

「……なるほど、それで君は婚約の話しを聞かされてなかったわけか。……あんのクソヤロウ。男と男の大事な約束を忘れやがって。今度会ったらただじゃおかねえぞ」

 

ふむふむ。直訳すると、楽の親父さんが昔、マリーの親父さんと二人の結婚の約束をしたのに、その約束を楽の親父さんが忘れてしまっていたと。

 

「しかし、そうなると一つ疑問が……お前さん、もしかして好きな女の子でもいるんじゃないだろうね?」

 

「えっ、それはまぁ『彼女がいますわ』っどおおぉぉぉぉい!!!」

 

「……彼女?……わいは彼女ばおる身でこげん所挨拶に来よっとか?」

 

「わーーー!!待って待って!!」

 

「お父様、落ち着いて。楽様が悪いわけではないのです。……それに私はそれでも構わないと思ってます。私はその彼女から楽様を奪って見せると決めたのです。そうしなければ楽様と結ばれる資格なんてありませんわ」

 

「…………ふん、お前がそういうなら別に構わんが」

 

「ところで、君はいつもそうやって娘とくっついているのかね?」

 

見ると、マリーは楽の腕をとっていた。てか、なんで俺は二人の婚約の話しを聞いてるんだ?俺いる意味なくね。

 

「ご、ご安心ください。僕らはとっても清廉潔白な関係で『まぁ!楽様ったら照れなくてもよろしいのに…もうキスも済ませましたのに』だからお前はそういうことを!」

 

「……君ィ……そういうことはもう少しお互いば理解してからすっべきなんじゃなかとか?」

 

楽、ご愁傷様。俺の方を見たってなんも解決しないんだぞ。

 

「……あら、いけませんわ。私としたことがお茶も出さずに。すぐ、ご用意しますわ。一人じゃ不安なのでクロ様も手伝って下さいますか?」

 

「ん、おぉ、別にいいぞ」

 

俺とマリーは部屋を出て、台所の方へ向かった。楽……グッドラック!!

 

 

 

 

 

 

 

「で、本当の理由はなんなんだ?」

 

「何の事でしょうか?」

 

紅茶を入れる準備をしながら、俺はマリーに聞く。

 

「なぜ、ここでとぼける。楽とマリーの親父さんを二人っきりにした理由があるんだろ?」

 

「まぁ、流石クロ様ですわ!それをわかってたんですね!!」

 

いや、あのタイミングで二人っきりにするって事は何か考えがあるって事くらいはわかるだろ………

 

「……まぁ、理由という理由はないですが、強いて言うなら、楽様の本音をお父様に伝えて欲しいって感じですね」

 

「そんなにうまくいくか?あの楽のテンパり方で」

 

「えぇ、きっと大丈夫です。楽様ならきっと………」

 

マリーが楽とあった頃の話しは少し聞かされていた程度で詳しくは知らない。でも、これだけはわかる。

 

「お前、本当に楽の事が大好きなんだな」

 

「………はい、とっても大好きですよ」

 

マリーはこっちを向いて満面の笑みでそう答えた。そんな風に思われてる楽が少し羨ましい。

 

「もちろん、クロ様も大好きですけどね」

 

「…………ありがとう」

 

なんでマリーはこんなに大好きという言葉を簡単に口に出来るんだよ。

 

「クロ様、一ついいですか?」

 

「ん?なんだ?」

 

「クロ様は宮本様の事が好きなのですか?」

 

どぅおっせええぇぇぇええいい!!

 

「は、いきなりなに言ってるんだマリーは。好き?俺が?るりの事を?てか、どうしてそう思うんだ?」

 

「だって、クロ様と宮本様がとても仲良くされてる様に見えますし、それにクロ様が宮本様と話すとき、あからさますぎてなんだかすごくわかりやすいですよ?」

 

「え、マジで」

 

「マジです。で、どうなのですか?」

 

これは嘘ついてもバレそうだな。マリーなら別に話しても大丈夫か。

 

「…………確かに俺はるりの事が好きだ」

 

「そうですか。告白はしないのですか?」

 

「するつもりだけど、中々機会が見つからない。あと、告白をしにくい」

 

「どうしてですか?」

 

「もし、俺とるりが付き合ったら、小咲がかわいそうだろ?俺達今まで三人で仲良くやってきたのに、それが崩れてしまいそうでさ。逆に、もし付き合えなかったらその後の関係がギクシャクしそうで怖いんだよ」

 

小咲の誕生日に告白しようとしたけど、やっぱり、やめてしまったのもそれが原因でもある。

 

「……まぁ、クロ様がそうおっしゃるなら何も言いません。しかし、心配はしなくてもいいかもしれませんよ」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「話しはこれで終わりです。早くお父様と楽様に紅茶を持って行きましょう」

 

「あ、おい!!」

 

一体どういうことだ?心配しなくていいって……余計に不安になってきたんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、何か大変だったな。親父さんは楽に切れまくるし、マリーのよく分からない事いってくるし」

 

俺と楽はしばらくマリーの家でゆっくりした後、帰らせてもらった。楽は用事があると言って走っていったので今は俺一人でのんびり帰ってる。

 

「あれ、クロ君」

 

「ん?おぉ、小咲じゃん。こんな所でどうした?」

 

後ろから声をかけられて、振り向くとそこには私服姿の小咲が立っていた。

 

「私はちょっとした用事。クロ君は?」

 

「俺はマリーの家に行ってて今はその帰りだよ」

 

「へぇ、そっかー…………」

 

そう返事をすると、会話のネタがなくなってしまい黙ってしまった。

 

「あの、クロ君」

 

「どうした?」

 

小咲が俺に話しかけてくる。何故か小咲は緊張してるみたいだし、顔を少し赤くなってる。

 

「私と………付き合って欲しいんだけど……」

 

……………………………………え?

 

 

 




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