俺の凡高での日常   作:ブリザード

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何とか今日中に2個投稿出来たぞ。
一日に2個投稿出来たの初めてだ。

はい、というわけで今回は過去編です。
自分は九州弁が一切わからないので昔のマリーなのに
口調が全然違います。ですが、お許しください。



第16話 オモイデ話

橘万里花。俺の数少ない友達の一人。……なんで俺は女子に友達が多いんだ?

 

「うわー!!久しぶりだな!でも、どうして俺の家がわかったんだ?」

 

「それは………クロ様に会いたいがためにちょっと家の力を使って」

 

「……おい、それ少し犯罪みたいだぞ」

 

橘万里花は警視総監の娘のためそれができるのは不可能ではないはずではあるけど。

 

「実はわたくし凡矢里高校に編入することになって、試験を受けたのです。で、クロ様が凡矢里中学の方を受けたのは知っていたものなのでもしかしたらと思って、思い切って先生に聞いてみました。神崎クロという生徒はいますか?と。そしたら」

 

「ドンピシャだったわけだ。なるほどな…………ん?じゃあ、マリーはこれからうちの学校に通うのか?」

 

「えぇ。まぁ、試験の結果次第ですけど、おそらくは大丈夫なはずです。ですから、これからは一緒の学校ですよ、クロ様!!」

 

そう言ってマリーは俺に抱きついてくる。ちょ!待って。二人っきりとはいえど恥ずかしい。

 

「クロちゃん。お茶が入ったわ………よ……」

 

なんというタイミング。まさか、ここでばあちゃんが入って来るなんて。てか、ノックしてよ!

 

「ごめんなさい。お邪魔のようでした」

 

ばあちゃんはお盆を俺の机の上に置いて、謝って俺の部屋のドアを閉めた。

 

「ちょっと、待って!今のは誤解だから!」

 

ばあちゃんは一階へ降りていった。

 

「さぁ、クロ様!折角ですし、わたくしと昔話でもしましょう!」

 

「ん?あぁ、そうだな。いやー、マリーと話すの久しぶりだから何か緊張するな」

 

こうして、俺達は昔話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が出会ったのは親父が鶫の仲間を殺した数日後。母さんが親父の事で警察に呼ばれた事から始まりだった。当時、三歳だった俺は母さんが事情聴取を受けてる間、子供部屋で遊ばさせられてるところだった。その場所には俺と当時三歳のマリーがいた。だが、俺達は特別話すこともなくただ、別々に遊んでるだけだった。

 

だが、数十分経った頃にマリーは一人で遊ぶのが飽きたのか、俺の方へやって来た。

 

「ねぇ、いっしょにあそびましょう」

 

俺はその時、大きく頷いた事は覚えている。それから、俺達は色んな事をいっしょにした。ツミキやシャボン。絵本などをいっしょに読んだりした記憶がある。

 

数時間経った頃に、母さんとマリーの父親がやって来た。

 

「あら、クロ君。お友達ができたの?すいません、うちの子がお世話になっちゃったみたいで」

 

「いやいや、こちらこそ。すいません。マリーの遊び相手になってもらってしまって。ほら、マリー。帰るぞ」

 

母さんは俺の手を、マリーの親父さんは俺の手をとった。

 

「あなたのなまえ、くろ?」

 

俺は頷いた。

 

「あなたはまりー?」

 

マリーはその時頷いた。本当の名前は万里花だと知ったのはまだ先だった。

 

「またね、くろ」

 

そうして、その日は俺達は別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が次にあったのは一年後の保育園だった。一年たった頃には母さんも親父がした事に少しは落ち着きを取り戻して、その時は俺のために必死に働いてくれた事を覚えてる。

 

「くろ?くろではありませんか?」

 

その時、いきなり話しかけられて驚いたけど、顔を見た瞬間マリーだとわかった俺は喜んだ。また、マリーに会うことが出来たのだから。

 

俺は保育園にいた頃、マリーがいる時はほとんどの時マリーと一緒にいた。何故なら、他の子が俺に話しかけようとしなかったから。今思えばこの時から親父のした罪のせいで俺は友達ができなかったのかもしれない。

 

保育園に通い出してある日の頃。俺は突然マリーにこんな事を聞き出した。

 

「マリーはすきな人はいるの?」

 

何故この時俺はこんな事を聞いたのかわからない。だって、こん時四歳だぜ。マジで、なんでだろ?

 

「わたしはくろのことはすきですよー」

 

「ほんとに?ぼくうれしいよ!」

 

この好きは今になっても友達で好きなのか、男として好きなのかはわからない。でも、この時すごく喜んだのは覚えている。

 

それからもマリーとはずっと一緒にいた。時々休みがちだったから心配だったけれど。

 

そうして、また一年間と数ヶ月が経ち、もうすぐ小学生になろうとしていた時。

 

「くろは小学校どこに行くの?」

 

「ん?ぼくは◯◯小学校だよ」

 

「えっ、じゃあ小学校は別々になっちゃいます」

 

マリーは見て分かるくらいに悲しんでいた。もちろん、俺だって悲しかった。だから、俺は。

 

「じゃあ、一ヶ月に一回。マリーのいえにあそびに行くよ。これでいい?」

 

泣きそうになったマリーを励ますためにできるかわからないことを俺は口に出して言った。

 

「じゃあ、約束ですよ?」

 

そう言って、マリーは小指を突き出してくる。

 

「うん。約束だ!」

 

俺も小指をだして指切りをした。そうして、俺の保育園の生活は終わった。それからが俺のひどい日々の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

小学校

 

「おい、お前人殺しの息子なんだってな!」

 

「そんな奴が俺達に近づくな!」

 

「お前に触ったら汚れちまうよ!」

 

一年生の頃からそんな事を毎日言われ続けてきた。男子も女子も先生も俺の敵だった。その学校に俺の味方は誰一人いなかった。

 

「苦しいよ、マリー。マリーに会いたいよ」

 

小学校に入学して一ヶ月。毎日そう思うようになった。マリーとの約束はちゃんとできるようになってる。一月の第二日曜日に母さんがマリーの家まで行ってくれた。マリーに会うたび気が楽になった。マリーに心配をかけないため俺がいじめられてる事はだまっておいたが四ヶ月たったある日………

 

「くろ?どうしたの。凄く顔が疲れてるよ?何かあったの?」

 

その時にはもう小学校が耐えられなくなっていた。だが、マリーに心配かけないためにも俺は誤魔化そうとした。

 

「別に……何もないよ」

 

「嘘!くろは今わたしに嘘をつきましたわね?」

 

マリーに俺の嘘を見透かされた。俺は耐えられなくなってマリーに全ての事を話した。小学校に入って何が起きたのか。それを聞いたマリーは。

 

「くろ。大丈夫ですわよ。誰が何と言おうとわたくしはあなたの味方。だから、わたくしの前では見栄を張らず泣いたらいいのです」

 

俺はこの時初めて友達の素晴らしさを知った。俺はマリーに抱きついて泣きじゃくった。その間マリーは俺の頭をずっと撫でてくれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ありがと」

 

しばらく泣いていた俺だったが泣き止んだ時に急に恥ずかしくなってマリーから離れる。すると、マリーはくすくすと笑った。

 

「別にいいですわよ。さぁ、めいいっぱい泣きましたし、今日は何をしてあそびますか?」

 

その日はいつも遊んでいるより楽しく思えた。俺達は色んな話をした。マリーの本名が万里花だとこの時初めて知ったし、マリーの体が弱い事も、話したりした。

 

ここまでの話から俺はマリーを好きになってもおかしくないのに、何故かマリーを恋愛感情で見ることはできなかった。小学生だったからだろうか?理由はわからない。

 

その後も小学校ではいじめられてきたけどマリーがいてくれたおかげで俺は学校にも通えた。マリーがいなかったら俺は今頃どうなっていただろうか。こうして、るりや小咲に会うことだって出来なかったかもしれない。

 

小学校二年生になった頃。いつものようにマリーの家に遊びに行った。

その時に、らっくんという俺と同じ学年の人物の話を聞いた。その日はマリーはずっとそのらっくんの話をしてたような気がする。そして、マリーがそのらっくんを好きなんだろうということも理解した。

 

「あ、ごめんなさい。くろとは関係ないのにらっくんの話ばっかりを……」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

「わたくしはらっくんが好きだけどくろも好きだよ」

 

爆弾発言。俺はそう思った。しかも、めっちゃ顔赤らめていたような気がする。まさか、いきなり好きとか言われるとは思っていなかった俺は

 

「あ、えっと、その、ごめん、トイレ」

 

その場から逃げだした。どうやら、俺は想像絶するほどのチキン野郎だったようだ。戻ってくると、マリーはいつものように戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

四年生になった頃。(一応、ここから口調が変わりだしたということで)また、いつものように遊びに行くと、マリーは何か色々と変わっていた。髪型や髪飾り。そして、口調。すべてらっくんのためだと言っていた。本当に俺のことは好きなのだろうか?

 

それからは特になく毎月遊びに行くだけだった。変化が起きたのは中学の頃だった。中学に上がっても俺たちは別々の学校に通っていた。中学になると、遊びに行くのを二週間に一回にした。そして、中学になると、何故かマリーもいじめられるようになった事を聞いた。まぁ、対して気にしてはいなかったみたいだが。

 

中二の五月頃。いつものようにマリーの家に遊びに行った。いつものように二週間で何があったのを話していた。そして、俺はマリーには話したくなかったが、話さないわけにはいかないので話した。

 

「マリー、聞いてくれ」

 

「はい?いきなり、改まってなんでしょうか?」

 

「実はさ、俺引っ越しして別の学校に移ることになったんだ。だから、お前とはこれからは会えない」

 

「なっ………………」

 

マリーは絶句した。俺はそれにも構わず話を続ける。

 

「凡矢里中学っていってさ。結構ここから遠い所。俺を今まで育てて来てくれた母さんに少し楽になって欲しいんだ。だから、向こうのばあちゃんとじいちゃんの家に住むことにしたんだ。だから、ごめん……」

 

「………………それでは仕方ありませんね。わかりました、クロ様。クロ様とのお別れは悲しいですが、わたくしはそれを受け止めます」

 

「マリー……本当にごめん!」

 

「謝らないで下さい。………その代わりといってはなんですが、目を閉じてもらえますか?」

 

「えっ、あ、うん」

 

言われた通りに目を閉じる。すると、数秒後に頬に何かが当たった。

 

「これはわたくしのお別れのプレゼントです。うけとってくれますよね?」

 

顔を真っ赤にさせて、笑うマリー。てか、今のって…………

 

「クロ様。わたくしはクロ様に会えないのはさみしいですが、二度と会えないわけではありません。ですから、また会えるとこを楽しみにしてます」

 

「マリー…………俺もだ。だから、中学になってもって感じだけど、また会うことを約束のため指切りしないか?」

 

そう言って、俺は小指を出す。

 

「……ふふっ、中学生にもなって子供ですね」

 

笑いながらもマリーも小指をだした。

 

「じゃあな、また会おう」

 

「えぇ、また会いましょう、クロ様」

 

しっかり指切りをして俺は引っ越した。それが、俺達の最後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今思えばわたくし達はずっと一緒でしたわね」

 

「……あぁ、そうだな。でも、本当にマリーがいてくれたおかげで俺は助かってたよ。ありがとう、マリー」

 

「わたくしはお礼をされるような事はしていませんわ」

 

俺達は見つめあって、ぷっ、と吹き出して笑った。

 

「さて、わたくしはそろそろ帰らないとなりません」

 

「あ、送ってくよ。もう夜遅いしさ」

 

「心配には及びません。車を用意させてありますから」

 

マリーは立ち上がって俺の部屋から出ようとした。

 

「あ、クロ様。一つ忘れてました。クロ様は一条楽様を知っていますか?」

 

一条楽?それって…………

 

「そいつ、俺のクラスメイトだぞ」

 

「まぁ!なんということでしょう。それはとても嬉しいことですわ。実は昔話していたらっくんという子は一条楽様なのですよ。では、クロ様。ごきげんよう。学校であったらよろしくですわ」

 

それだけ言い残してマリーは家を出た。だが、それを聞いた俺は立ち尽くしていた。楽が?マリーの言ってたらっくん?

 

「マジかよーーーーー!!!!」

 

俺の絶叫はすげえ近所迷惑だと後から後悔した。

 




これ書いてて思ったけどるりちゃんより
フラグ立ててないか?
クロとマリーの方が長くいるのになんでるりちゃんを
好きなっちゃったの?なんでマリーと
付き合ってないんだ?
って思う人たくさんいると思います。
なんか本当にすいません。
感想と訂正があればおまちしております!

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