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私は今日、チームの役に立てたのだろうか。二回戦終了後の旅館、片岡優希は風呂で一人物思いに耽っていた。
麻雀の団体戦において、先鋒というポジションは古来エースが座るもの。どのチームも先鋒戦開始時点では原点スタートだから、ハンデなしの実力勝負の場でもある。タコスぢからの補助さえあれば東風負けなしの私にとって、先鋒というポジションはまさに適している、そう思っていた。
実際、長野でおこなわれた試合では私のタコスぢからは遺憾なく発揮され、清澄は順調に勝ち進むことができた。決勝では風越のキャプテンに利用され龍門渕のノッポに凹まされたが、あれはノッポにタコスを奪われたのでノーカンである。
全国行きを決めてからは決勝で戦った彼女たちにも支えられ、地方戦で浮き彫りになった私の弱点を強化し、全国の猛者たちとも十分に戦えるように自らをさらに鍛えた。
努力は実を結ぶもので、全国一回戦は無事に終えることができた。私も自らの仕事をきっちりとできたと思う。今日の二回戦もいけるはずだと疑わなかった。慢心がなかったとは言えないが、それだけやってきたことに自信があったのだ。
しかし、蓋を開けてみれば結果はマイナス収支。オーラスで直撃をもらってトップ陥落のうえ稼ぎが消し飛ぶ最悪の展開だった。
相手が悪かった、そもそもあの場であの程度の収支ならむしろベストだ、優希のおかげで大将戦まで決着がつかなかった、たくさんの慰めの言葉をかけられたが納得できなかった。特に、あの場であの程度ならベストとはどういうことなのか。二回戦の時点のこれでは準決勝・決勝でまともに戦えるとは思えない。なにせ準決勝には個人戦3位の辻垣内、決勝では咲ちゃんの姉であるインハイチャンプ宮永照と当たる可能性が高いのである。
果たして明後日、私はチームのために活躍できるのだろうか。辻垣内を相手に東場で打ちきれるとは思えないし、今日以上に強い人を相手に南場を耐えきれるものだろうか。考えれば考えるほどに不安がつのる。
こんなとき、花田先輩なら何を考えるのだろう。不意に優希はかつての先輩を思い出した。
花田煌、新道寺女子高校の2年生。中学時代の先輩であり、麻雀部の部長であった。昨日、反対ブロックの二回戦を観戦していたときに新道寺の先鋒としてインハイチャンプ宮永照と対戦していたので驚いた。結果として彼女はボロボロに負けていたが、新道寺自体は準決勝進出を決めていた。彼女の置かれている状況は今の私に重なる。
メンタルお化けでへこむことや怒ることを知らない彼女は自分の状況をどう捉えるのだろう。うまくいけば決勝で当たるかもしれない先輩に、今聞きたいことがたくさんある。
「とりあえず」と優希はつぶやく。「風呂からあがろうかな!?」彼女はのぼせかけていた。
もっと咲ss増えないかなー!!!!男女カプの恋愛話とか大学編とかもっといっぱい読みたいなー!!!!自分で考えるばっかりじゃ面白くなくなっちゃうんだよなー!!!!
どうかよろしくお願いします。