いやー、13巻いいですねえ。付録目当てに2冊買いました。
明日の準決勝は、花田次第で全てが決まる。友清は最後のミーティングを行っているレギュラー陣を見ながら、そう思った。
今年のインターハイには自分が出る。そう信じて疑わなかった。二年の中では鶴田に次いで麻雀ができると自負していたし、実際に校内ランキングも5位だった。今までの新道寺はランキング順でメンバーを決めていたから、校内ランキング5位以内であればレギュラーは確実、そう言ってくれたのは確か江崎先輩だったはずだ。
それなのに、私はレギュラーに選ばれなかった。しかも、私の代わりにレギュラーに選ばれたのは、校内ランキング10位の花田煌だった。
彼女の人柄はともかく、花田の麻雀に特別優れた点は全くないと私は思っている。覚えている限りでは、花田との対局で私が彼女に負けたことはなかった。なのにどうして彼女なのか。私は理不尽だと思ったし、怒り、泣いた。花田に言いたいこともたくさんあったが、彼女に当たり散らしても、あっさり謝られて罪悪感が残ってしまうことがわかっているから、結局なにも言えなかった。
だから、鶴田に当たり散らした。鶴田ならわかってくれると思ったからだ。すると、鶴田は白水部長の話を教えてくれた。
「前にプロの雀士が来たときのこと、覚えちょるか?」
「なんでもぶちょーの話によると、花田はあのときですら、いっぺんもトばんかったらしい」
「言いたかないけど、今年の新道寺は弱い。もし宮永と当たったら、人によればトんでまうかもわからん」
「それを見越して、トばん花田を宮永に当てようっちゅうことと」
プロが来たときのことははっきりと覚えている。ラス回避はおろか、トばないようにすることすら難しかった。それを花田は全くトばなかったという。そのトばない花田をレギュラーにおいて、対宮永用のシールドにしようというのだ。一言で言えば捨て駒である。
花田はそんな真実を知っているのだろうか。もし私なら、プライドが許さないだろうと思う。
しかしそこは花田である。捨て駒をやれと言われればきっと「任されました!」と言って捨て駒の役割に徹するのだろう。そう思った私は、花田を密かに応援することにした。
そうして始まったインターハイ。花田は地方大会ではさすがに新道寺のランキング10位だけあって周りを抑え、問題なくインターハイ出場を決めたが、くじ運が悪く二回戦で白糸台と当たってしまった。計画通り宮永照と対戦した花田だったが、いかんせん宮永は強すぎた。
結果として白水部長と鶴田が2位をまくって準決勝行きを決めたものの、準決勝でも大量に失点してしまえば決勝行きは難しい。
花田には宮永を抑えて、是非とも決勝へ行ってほしい。友清は密かに願った。
文章ェ…
佐賀弁わかりません。勉強します。
準決勝出場校は清澄と阿知賀を除いて6校ですので、次回が最終話、姫松の話になります。