『更新停止』 東方加速録   作:sinononns

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お久しぶりです。sinononnsです。
遅くなってすみません。学校行事の準備で時間が無かったのです。
今回も字数の割りに全然進んでいません。あと今回は幻想郷の方々も出てきません。完全にAWしか出てきません。
原作は東方なのに、なんでだろう。


第二話 黒雪姫の誘い

「明日の昼休み、ラウンジまで来い。」

 

そう言い残し、黒雪姫は去って行った。

だが今のではっきりした。レベル166と言う、とんでもないスコアを叩き出したのは、彼女だ。

 

次の日の昼休み

 

授業が終わり、荒谷からのメールも届いたあと、春雪は食堂に来ていた。

 

ハ(きっと、あれは・・・・。)

 

夢だ、と言う言葉を心の中で呟くが、歩みは止めない。

やがて食堂とラウンジを仕切る、草のアーチの前にたどり着き、立ち止まる。

ラウンジの利用は2年生からで、1年生は出入りを禁止されている。上級生からの誘いがあれば入れるが、その場合その上級生と共に入らなければならない。そのルールは知っていたため、春雪は今すぐここから立ち去りたかったが、なけなしの勇気を振り絞ってアーチを潜った。

春雪に気づいた上級生の女の子がこっちにやってくる。

 

女子生徒「あら?どうかしたの?ここに何か用?」

 

ハ「あ、えっと・・・・・・。」

 

笑いながら訪ねてくる上級生に緊張して口がまわらない。

 

ハ(む、無理無理無理無理無理!絶対に無理!やっぱり帰ろう。)

 

そう思い、「やっぱりいいです。」と言おうとした瞬間、一番奥の窓の前にいた生徒が口を開いた。

 

「来たな、少年。すまない、彼は私が呼んだんだ。そこを空けてくれるかな?」

 

そう言ったのは、黒雪姫だった。アバターとほとんど変わらない美しさに見惚れかけたが、理性を掻き集め顔を引き締める。前にいた上級生が道を空けてくれる。

春雪は身を小さくしながら、黒雪姫の元へ向かう。

黒雪姫の向かいの席に座ると、目前にケーブルが差し出された。

 

ハ「あの、これは?」

 

黒「君のニューロリンカーに刺す以外に、使い道はなかろう。」

 

ハ「いや、でも、それは・・・。」

 

こちらの言葉は無視され、ケーブルのプラグをニューロリンカーに刺された。

この行為の事を一般的に直結と言い、ニューロリンカー同士を直接繋ぎ思考発声やデータのやりとり等の処理を早くする為や秘密話等に使われる。だが、直結すると情報保護のための防壁がほとんど無効になる為、直結する相手は親しい人に限られる。具体的に言えば、家族や、恋人等。だから、プラグが春雪のニューロリンカーに刺さった時、周りから、悲鳴が聞こえて聞こえたのは言うまでもない。そんな周りからの目線を無視して、思考発声で話しかけて来る。

 

黒『さて、わざわざ来てもらってすまなかったな。有田春雪君。思考発声はできるな?』

 

ハ『は、はい。あの、なんでここに呼ばれたんですか?もしかして、手の込んだイタズラか何かですか?』

 

黒『ふむ。ある意味ではそうとも言える。何故なら、今から私は君に一つのゲームを送信する。それをインストールすれば、君の現実は破壊され、思わぬ形で再構成される。』

 

そう言った後、黒雪姫は仮想デスクトップを操作し、手を春雪に弾く。目の前に現れる確認ウィンドウ。そこには、【B.B2039をインストールしますか?】と書いてあった。

 

ハ(現実。僕のリアル・・・・。)

 

自分の身体を見て、決意する。

 

ハ『望むところです。現実が本当に、壊れるなら。』

 

ウィンドウの実行ボタンをクリックする。

その瞬間視界に赤い炎が吹き荒れた。その真ん中には、

【BRAIN BURST】の文字とレバーが現れる。

 

ハ『あの、何なんですか?このブレインバーストって。』

 

黒『無事にインストール出来たら教えよう。』

 

ハ『無事ってどうゆう事です?』

 

黒『失敗する可能性もあると言うことさ。まあ、君なら問題ないと思うが。』

 

失敗と言う言葉に心配しながらインストールが終わるのを待つ。それから30秒くらい後、インストールが終わり、目の前に英文が現れる。

 

【WELLCOME TO THE ACCELERATED WORLD】

 

ハ『アクセラレーテッド………加速世界?』

 

黒『君ならばインストール出来る、とは思っていたが、期待通りだな。』

 

ハ『なんなんです?このブレインバーストって。』

 

黒『ああ、それはな・・・・。』

 

「おい、有田!調子乗ってんじゃねぇぞ?おい!」

 

黒雪姫が話を始める直前に、荒谷がラウンジに入って来て、真っ直ぐ春雪達の場所へ向かって来る。そこへ黒雪姫が話しかける。

 

黒「君は確か、荒谷君だったな。」

 

そして、爆弾を落とす。

 

「ハルユキ君から話は聞いているよ。間違って動物園からここに連れて来られたのではないかとね。」

 

ハ(え?ちょ、何言ってんの?俺そんな事言ってないし。ってそんな事より・・・・・。)

 

そっと荒谷の顔を見てみる。その顔はだんだん険しくなっていく。

 

アラヤ『な、ん、だと!てめぇ!このブタァァァァ!』

 

荒谷が拳を振り上げる。それと同時に頭の中に黒雪姫の言葉が聞こえる。

 

黒『いまだ!叫べ、バーストリンク!』

 

ハ「バ、バーストリンク!」

 

春雪は何もわからないまま叫ぶ。その瞬間、周りの景色が青くなり、動きが止まる。春雪の身体(身体も青い)からブタ型アバターが出てくる。このブタが春雪である。

 

ハ「え?あれ?なんでみんな止まってるんだ?」

 

黒「加速しているからだ。」

 

後ろから声が聞こえて振り向くと、黒雪姫の黒揚羽アバターが佇んでいた。

 

黒「ようこそ、ハルユキ君。此処は加速世界。我々バーストリンカーの住まう世界だ。」

 

ハ「加速世界?と言うかなんで皆止まってるんですか?」

 

黒「一見すると周りが止まっているように見えるが実は違う。この世界はソーシャルカメラが捉えた3D映像だ。その映像をニューロリンカーを通して思考を加速させた脳が直接見ているものだよ。」

 

ハ(ソーシャルカメラをハッキング?そんな事が?)

 

黒「その思考の加速レートは通常の一千倍。つまり現実の1秒を約16分30秒として認識すると言う事だ。」

 

ハ「い、一千倍?」

 

黒「そしてこの力を使えば、今まさに殴られようとしている君も、荒谷のパンチを躱すことができる。だが、避けるな。此処はあえて殴られようではないか。」

 

ハ「え?い、嫌ですよ。痛いじゃないですか!」

 

黒「これはチャンスなんだ。彼はソーシャルカメラの死角に入る事で処分を避けて来た。しかし、ここには沢山のカメラがある。ここで君が避ければ荒谷は正気を取り戻し、この場から立ち去るだろう。そしてそのあと、またソーシャルカメラの死角に呼ばれ、今まで以上にいじめられる。」

 

春雪は考える。この場を乗り越える最善の方法を。

 

ハ「あの、この力を、ブレインバーストを使えば、ケンカでこいつに勝てますか?」

 

黒「勝てるだろうさ。今の君は常人を超える力を持つ、バーストリンカーなのだから。」

 

憎い。こいつが憎い。今すぐこいつを殴り飛ばし、歯をへし折り、自慢の赤毛を抜いてやりたい。だが、そんな事をすれば、退学になるのは自分の方だろう。それでは意味が無い。だから・・・・。

 

ハ「いえ、やめときます。大人しく殴られますよ。せっかくのチャンスですから。」

 

黒「賢明な選択だ。どうせなら効果を最大にするか。ハルユキ君、君は殴られると同時に、自ら後ろに跳ぶのだ。」

 

ハ「え?でもそっちには先輩がいて、ぶつかっちゃいますよ?」

 

黒「大丈夫だ。考えてあるさ。それでは、作成開始だ。上手くやれよ。バーストアウト!」

 

ハ「バーストアウト!」

 

春雪も教えられていた、加速終了コマンドを言う。その瞬間、周りの景色に色が戻り、動き始める。目の前の拳が急接近を再開し、春雪の頬にぶつかる。痛みを堪えながら、春雪は黒雪姫の言われた通り、後ろに跳ぶ。

 

ガン!ガシャーン!ゴン!

 

何かが当たる音。何かが割れる音。何かがぶつかる音。

 

様々な音が混ざり合い、大惨事を生み出す。頬の鋭い痛みを堪えながら、顔を上げる。上げた先には、額に血を流している黒雪姫の顔。

 

ハ「あっ!せ、先輩!」

 

黒『動くな!』

 

ハ「で、でも血が!」

 

黒『心配するな。少し切っただけだ。それより、これでもう、荒谷は君の前には現れない。二度。』

 

そう言った後黒雪姫は春雪の身体に倒れかかってくる。慌てて受け止めた春雪の耳元で呟く。

 

ハ「よく耐えたな。これからよろしく頼む。ハルユキ君。」

 

その日の放課後

 

春雪は生徒玄関で外履きに履き替えて、校門に向かう。

昼休みの一件の後、春雪は保健室、黒雪姫は念の為医者へ連れて行かれた。そこでケーブルが抜かれる直前に、黒雪姫は一つの伝言を残した。

 

黒『明日登校するまで、ニューロリンカーは外すな。ただし、グローバルネットへの接続は1秒たりともしてはならない。いいか、絶対だぞ!』

 

春雪は黒雪姫の伝言に従って、グローバルネットへの接続を切る。目線を前に向けると校門の前で立っていたチユリと目があった。昨日の昼休みの事を思い出し、逃げ出したくなったが、先にチユリが気づいてこちらに向かってくる。

 

チ「一緒に帰ろ?聞きたい事もあるし。」

 

ハルユキとチユリは少し距離を空けながら帰っていた。

 

チ「聞いたよ?昼休みにあいつに殴られて吹っ飛んだって?それ、その時の傷?大丈夫?」

 

ハ「あ、あぁ。大丈夫。少し切っただけだって。」

 

ハルユキと頬には一つの絆創膏が貼ってあった。

 

チ「・・・二年生の黒雪姫先輩と直結したって、本当?」

 

ハ(な、なんでそれを?)

 

ハルユキは分かっていない様だが、黒雪姫は校内でも有名人である。しかも、男子からもモテるため、告白されたことも何度もある。しかし、その全てを断っていたあの黒雪姫が直結していたとすれば、当たり前に情報は広まる。

 

ハ「あ、あぁ。まぁ、そうだけど。って、そんな事より。その、き、昨日は・・・・。」

 

タ「おーい。ハル、チーちゃん!」

 

ハルユキが昨日の昼休みの事を謝ろうとした時、前から自分達を呼ぶ声がした。

 

ハ「あっ、タク!久しぶり。」

 

「久しぶり、ハル。珍しいね、ここで会うなんて。今帰り?」

 

駆け足で近づいて来たのは、もう一人の幼馴染、タクムであった。(詳しくは第一話を参照)

 

ハ「そう言えば、前の剣道大会の動画見たよ。すげーな、一年でもう優勝かよ。」

 

「いや、まぐれだよ。ちょうど相手が疲れてたからね。そこを一気に攻めただけさ。それに、チーちゃんもお弁当持って、わざわざ応援に来てくれてたからね。」

 

ハ「あの入れ込み様は弁当パワーかよ。」

 

タ「いやまあね。でも、ハルだって昨日、チーちゃんの手作りのお弁当、食べたんだろ?」

 

その言葉にハルユキは足を止めて、立ち止まる。

 

ハ(⁉︎なんで知ってるんだ?弁当はタクのアイデア?でも、どうして・・・。まさか、喋ったのか?タクに、荒谷のこと。だから、チユは弁当なんか・・・。)

 

タ「?どうかしたの?ハル。」

 

ハ「わ、悪い。ちょっと見たい番組あったんだ。だから先に帰る。タク、またな。」

 

そう言った後、ハルユキは自宅のある高層マンションに走る。

 

ハ(知られた!タクに・・・・!)

 

マンションについて、そのままエレベーターに乗り込む。

 

ハ(せっかく荒谷はいなくなるのに。)

 

ハ(結局こんなもんなんだ。ぼくの現実なんて・・・・。)

 

エレベーターから出て、そのまま家の中に入る。自分の部屋に閉じこもり、泣く。

 

ハルユキは暗い空間にいた。周りを見ていると、後ろから押され、倒れる。その上に何かが置かれる。よく見てみると、上に乗っているのは人の足だった。その人の顔は荒谷の顔だった。周りにどんどん荒谷の顔をした人が増えて来て、ハルユキを踏みつける。荒谷達の笑い声が聞こえる。

目線を前に向けると、チユリとタクムがいた。2人の顔は、まるで汚い物を見る様な表情だった。

 

(そんな目で見ないでくれよ。もうここは嫌だ!)

 

顔を上に、空に向ける。そこには、一羽の白い鳥が飛んでいた。

 

(ぼくも連れて行ってよ!そこに行きたいんだ!)

 

(飛びたい、彼方まで!)

 

 

 

<ソレガキミノノゾミカ>

 

 

 

ハルユキは目を覚ます。

 

ハ(夢、か)

 

ハ(なんか、変な夢だったな。)

 

時計を見ると時間は朝の6時30分。ハルユキはベッドから降りてリビングに向かう。朝食を食べて、着替えて、母親の寝室に向かう。

 

ハ「母さん、お昼代。」

 

ベッドで寝ていた母親は手をもぞもぞと動かす。

 

母「ハルユキ、ニューロリンカーの接続切れてる。」

 

慌ててニューロリンカーをグローバルネットに接続する。

すぐに電子マネー五百円がハルユキのニューロリンカーに加算される。

 

た「いってきまーす。」

 

玄関から外に出る。エレベーターに乗り込み下まで降りた後階段を降りる。最後の階段を降りたとき、

 

バシィィィィィィィィィ‼︎

 

と言う音と共に、周りの世界が停止する。

 

ハ「っ⁈。加速、した?なんで」

 

ハルユキはバーストリンクのバの字も言っていない。ではなぜ?

 

【HERE COMES A NEW CHALLENGER‼︎】

 

その文字が目の前に現れると同時に、幾つかの変化が起こった。まず視界の中央上に1800の数字。その両隣に青いば バーが出現し、更にその下に細いバーが出現する。最後に視界中央にあった、【HERE〜】が無くなり、代わりに

【FIGHT‼︎】と現れる。

 

ハ(なんだこれは。)

 

1800の数字は一秒ごとに減っていく。つまり、1800秒、つまり30分。確か加速の時間は30分だったはずだ。加速しているとしても、周りの景色は青い空間ではなく、フルカラーだ。何か手がかりはないかと周りを見回すと、妙に目線が高いことに気づいた。大きな鏡が地面に刺さっていたので、自分の姿を確認する。

 

ハ「な、なんだ?これ・・・・。」

 

その姿は、一言で言えば、ロボット。それもアニメや漫画などのかっこいいほうではなく、ザコっぽい。銀色の金属で出来た身体に、細い手足。全体的に小さいのに、ヘルメットに包まれた頭だけは妙に大きい。ハルユキはカッコ悪い自分の姿に驚いていると、後ろから複数の声がした。

 

?「なんか妙にビクついた奴だな。」

 

?「名前も知らないし、ニュービーかな?」

 

?「けどメタルカラーだぜ?ちょっとはヤるんじゃね?」

 

ハ(あいつら、NPCじゃない。)

 

あの物腰、口調。プログラムではあり得ない。それが複数いた。会話の内容からここが何処か分かっている様なので、彼等に話しを聞いてみようとすると、後ろからエンジン音が聞こえてきた。振り向くと、そこには、バイクに乗った、顔がドクロのライダーがいた。

 

?「久々の世紀末ステージだぜ!ラッキー!オマケに相手がピッカピカのニュービー。ギガラッキー!」

 

ハ(ステージ?そう言えば、ブレインバーストはたしかゲームだと言っていたよな。)

 

ハルユキはカウントを続けている数字と隣のバーを見る。カウントはいつ間にか、1620まで減っている。両方のバーの下にそれぞれアルファベットを見つけたので読んでみる。片方は<シルバー・クロウ>と読める。シルバー、この身体の色もシルバー。つまりこれは自分の名前だろうか。もう片方は<アッシュ・ローラー>と読むのだろう。ローラーとはたしかタイヤみたいな意味だったはずだ。つまりこれは目の前のライダーの名前だろう。そして、その上にある青いバー。これは体力ゲージだとしたら。見覚えがある。まさか、ここは。

 

アッシュ「そして、お前は、メガアンラッキー!」

 

目の前のライダー、アッシュ・ローラーがバイクで猛スピードで向かってくる。慌てて逃げるが慣れない身体だったため、足を絡ませ転んでしまう。慌てて身を起こすが、後ろからバイクが突っ込んでくる。バイクに吹っ飛ばされ、宙を舞う。視界のシルバー・クロウの青いバーがガクッと減るのをみて、ハルユキは確信する。

 

ハ(あぁ、やっぱり。勝てるわけねぇー!)

 

END

 




説明多すぎだと思った方。その通りです。でも仕方ないのです。だってAWって専門用語分からないと内容が分からなくなりますから。
それと今回幻想郷の方々は出てきませんでしたが、次回も出ないかもしれません。すいみせん。というか、第1章は幻想郷の方々はあまり活躍できないかもしれません。まぁ、がんばって絡ませますが、あまり期待しないでください。

感想、ダメ出し、お待ちしております。

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