細かい説明を入れたせいか進行がめっちゃ遅い。
恐らくはずっとこのペースで行きますので、説明部分を知っている人は見なくても大丈夫です。
それでは、東方加速録第二話[加速の前奏曲]をお楽しみ下さい。
第一話 加速の前奏曲
梅里中学校の朝のホームルームの時間、<有田春雪>は眠気に耐えていた。だから先生の話なんて全然聞いてなかったし、あまり興味も無かった。しかし、偶然聞こえた先生の言葉に、春雪は眠気が吹っ飛んだ。
先「これから、転校生を紹介するぞ。」
ざわざわ、ざわざわ。
どよめくクラスなど関係無しに教室のドアが開き、3人の女子が教団の隣に立った。
男子「かわいい・・・・。」
男子の誰かが呟いた。そう、その通りなのだ。それぞれ雰囲気は違えど、どれも美少女なのだ。
先「じゃあ、自己紹介してくれ。」
霊「私は博麗霊夢。これからよろしく。」
魔「あたしは霧雨魔理沙だ。趣味は運動だぜ☆これからよろしく!」
妖「えっと、魂魄妖夢です。よ、よろしくお願いします。」
転校生三人が自己紹介する。
先「転校して来たばかりで分からない事も多いと思うから、みんな仲良くするように。博麗の席はそこの後ろで、霧雨はそこ、魂魄が右端のあそこな。」
そう言われた転校生達は席に座り、周りの人に挨拶してい た。(ちなみに、春雪の周りには転校生はこなっかった。)その後はいつも通りに連絡などをした後、朝のホームルームは終わった。その後の休み時間、予想どうり沢山の女子が転校生の下に集まり、話しかけていた。(男子にあの女子の集団に飛び込む勇者はいなかった。)だが気の所為だろうか?女子の質問に転校生達の答えは曖昧で、妙に話をはぐらかしているように見えた。
それから一週間後、授業のはなんら変わりなくすすんだ。
そう、いつも通りのメールが届いた。
4時間目がもうすぐ終わると言うタイミングで、仮想デスクトップの右端にメール着信のアイコンが、ピピピッという音共に現れた。仮想デスクトップとは、ニューロリンカーが脳と通信して、脳に直接映像を送り込み、そう映像をパソコンの画面の様に操作する、いわば超小型PCだ。そして、この学校では、グローバルネットへの接続が禁止され、代わりに学内ローカルネットが存在する。生徒は在学中、必ずローカルネットに接続していなければいけないため、必然的に送り主は梅里中学校の生徒か先生に限定される。
ハ(今日もくるのかよ。)
春雪はこのメールをいますぐゴミ箱にドロップしたい気持ちを抑え込み、先生が黒板(この黒板も仮想デスクトップ)
に向いた隙に、メールを開いた。その瞬間馬鹿でかいサウンドと大量のグラフィックが視界いっぱいにぶちまけられた。そのあと、メッセージが音声で再生される。
【ブタくんに今日のコマンドを命令する!焼きそばパン二個と、クリームメロンパン一個と、いちごヨーグルト三個を昼休み開始から五分以内に屋上までにもってこい!】
左後ろから感じる、不愉快な視線にうんざりしつつ、考える。何故、こんな事になってしまったのだろうと。だがそんな事を考えたって仕方が無いと思い直し、春雪は終業のチャイムが鳴るのを待った。
昼休み
春雪はパンとヨーグルトを持って屋上に来ていた。
不良B「そんなにビクビクするなよ。ちゃんとソーシャルカメラの死角に入ってるから安心だってば!」
そう言って春雪の後ろに立って退路を塞ぐ不良B。
ソーシャルカメラとは、簡単にいえば最新型の監視カメラのことである。このカメラは国が取り付けを義務にしていて、どの学校でも絶対にある。しかし、どんなに沢山設置していても、死角はどうしてもできる。しかも一部の先生はソーシャルカメラの過剰設置に反対する人もいる。そのため、梅里中学校はソーシャルカメラの死角が所々に存在している。
アラヤ「おい、ブタくん?焼きそばパン一個しか無いじゃんか?」
ハ「焼きそばパンは売り切れてて。」
不良A「おいおい、おつかいも満足に出来ないの?」
アラヤ「そんなブタくんにはお仕置きが必要だな?あぁ!」
そう言って腕を鳴らす不良組のリーダー、アラヤ。
?「何の音かしら?ってあらまぁ。めんどくさいのに遭遇しちゃったわね。」
そんな台詞と共に現れたのは綺麗な銀色の髪をした一学年上の女子生徒だった。
女子生徒「焼きそばパンなら丁度、余った分があるけどいる?」
その生徒は冷静に話しかけて来る。
アラヤ「あ、あぁ。くれるなら貰おうかな。」
対して荒谷達不良組は少し慌てていた。それはそうだろう。いじめの現場を目撃されたのだから。しかし、相手は女子生徒。脅すにも脅せず、どうすればいいか必死に考えていた。
女子生徒「心配しなくても、この事は誰にも言わないわよ。」
アラヤ「本当か?」
女子生徒「えぇ。そのかわりそのお仕置きとやらは辞めてあげて。」
そう言った後、その女子生徒は返事を聞かずに去って行った。
アラヤ「あぁ、びくった!でもよかったな。ここはあの女子の顔にかけて勘弁してやる。けど、つぎも出来なかったらただじゃおかないかんな!これが最後のラストチャンスだ!」
その行った後、荒谷達は何処かに行った。それから少ししてから春雪もその場を去った。
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屋上を後にした春雪は、男子トイレにある鏡の前で愚痴をこぼしていた。
ハ「最後のラストチャンスってなんだよ。意味被ってんだよ。バーカ!バーカ!バーカ!」
ハ(とか、いえればなぁ。)
心のなかでそう思いながらも口に出せない自分に嫌気がさしながらも、空腹にたえる。
ハ(いつも通り、向こうに行こう。)
そう思い、便座の個室の鍵を閉めて、蓋を上げずにうえに座る。ネクタイをゆるめ、魔法の言葉をつぶやく。
ハ「ダイレクト・リンク」
その言葉を言い終えた瞬間、視界がブラックアウトし、身体が落下し始める。しばらく落ちると、青いゲートが見えてきた。そのゲートをくぐった途端身体が変わる。その身体は手足に蹄、丸いおなか、くるりと一回転した尻尾。つまりブタである。変化が終わるとこんどは地面が見えてきた。しかし、いきなり小さくなった身体の所為でバランスを崩し、前のめりに倒れた。
ここは、梅里中学校の学内ローカルネットにある仮想世界である。その世界にニューロリンカー経由で五感を仮想世界に移し、自らの身体と同じ感覚でアバターを動かすことが出来る。そのアバターは多種多様で可愛い物から、面白い物まで、自由にカスタマイズできる。
しかし、春雪が使っているアバター、通称ピンクのブタは荒谷達に強制的に使わされている物で、元々はもっと普通の人型アバターをつかっていた。
ハ(惨めなぼくにピッタリのアバターだな。)
そんな事を考えながら、その場から逃げる様に走る。中央広場にたどり着くと、真ん中にある噴水の近くに大きな人だかりが出来ていた。気になって目線を向けて見ると、全校生徒の憧れのアバターがいた。
黒いドレスに黒い日傘。真っ白な肌に、背中には虹色のラインが入った黒い揚羽蝶の羽。長いストレートの髪に縁取られた、雪の様に白い顔はとてもアバターとは思えない美しさだ。しかも、その美しさは現実の容姿をほぼ完全に再現したものだ。それ故に、彼女に与えられた二つ名は、
<黒雪姫>。
彼女は春雪の一学年上の二年生で福生徒会長を務める、有名人だ。思わず見惚れいると、突然黒雪姫がこちらを向いた。一瞬だけ、目が合う。ドキッとしたがその顔はすぐに人だかりに呑まれて見えなくなる。春雪は黙って走り始める。
ハ(なに思い上がってんだ!あんな人がこんなぼくを気にするわけ無いだろ!)
そう自分に言い聞かせながら目の前の大きな木に向かって走る。この木は簡単に言えば、ゲームセンター。と言っても中には野球やサッカーの様なスポーツ、クイズゲーム等、教育上問題の無い物ばかりで、ガンシューティングや対戦ゲームは無い。
ハルユキはその中のゲームの一つ、<スーパースカッシュ>の部屋に入る。中には他のゲームと違って、誰もいない。だからこそ春雪はこのゲームをプレイするのだ。
画面を操作してゲームを開始する。地面からラケットが現れる。それを右手で掴み、落ちて来たボールを思い切り叩く。物凄い早さで飛んで行き、ゆかや壁に何回かぶつかったあと戻ってくる。ほとんど視覚出来ない速度で飛んで来るボールを打ち返す。
このゲームのルールは簡単だ。ラケットでボールを打ち、跳ね返って来たボールを打ち返す。これを繰り返しポイントを競う単純なゲーム。しかも複数人でプレイする事も出来ないため、殆ど人は来ない。
ぼくは小さな身体を縦横無尽に走らせ、ボールを打ち返す。そんな極限状況でも心を無心に出来ず、頭の中で怨嗟に満ちた声で嘆く。
ここでならこんなに早く動けるのに
くそっ。現実なんているか!
なんで今更本物の教室とかがいるんだよ!
仮想世界だけでいいじゃないか
レベルが145を超える。それと同時に球の速度があがり、反射角度も不規則になる。だんだん反応が遅れていく。
ちくしょう!
もっと、もっと加速しろ!
仮想世界も、現実も!
みんなぶち抜いて、誰もいない場所にいけるくらい、
はやく!
ついに、ラケットが空を切る。
ラケットの少し上を通り過ぎた球は、地面に落ちて消滅した。その直後、コートの中央にGAMEOVERの文字降って来た。その後表示されるハイスコアを無視し、再びゲームを再スタートしようとしたハルユキの耳に、大きな声が響き渡る。
チ「あー!こんな所に篭ってたのね?ハルがいないから、探し回ってたのよ!」
大きな声と共に動物型アバターが階段をすっ飛ばして飛び降りて来る。
彼女の名前は倉嶋千百合。(以下チユリ)彼女はゲーム画面を見て驚いた。
チ「えー!なによこれ・・・・レベル152、スコア263万⁈あんた・・・・・」
すごいじゃない!と言うセリフを期待したハルユキだが、そのあとに続く言葉は怒号だった。
チ「ばっかじゃないの!何やってんのよ、今すぐ落ちなさい。」
ハ「お、俺の勝手だろ!ほっとけよ!」
チ「あーそう。そういう態度取るんだ。だったらこっちにも考えがあるからね!リンクアウト!」
その言葉と同時にチユリの姿が消える。
ようやくうるさいのが消えたと思いつつも、少し寂しいと言う気持ちを堪え、ゲームを再開しようとした瞬間。
強烈な衝撃と共に現実世界に強制的に戻らされた。
頭に感じる鋭い痛みを我慢しながら目線を前に向けると、
目の前にはチユリのリアルの姿があった。
ハ「おま・・・なん・・・・・⁉︎」
チユリは左手にバスケット、右手を握り締めて仁王立ちしていた。
チ「むっふー!強制リンクアウト。まいったか!」
ハ「おま、ここ男子トイレだぞ?ばっかじゃねぇの!」
チ「バカはお前じゃ。」
そんな話をしながら個室から出る。
ハ「でも、なんでここがわかったんだ?」
チ「・・・・見てたの。・・・・さっきの。」
ハ「あっ・・・・。」
暗い顔をしながらトイレをでる。
チ「ねぇハル。あいつらのメール、学校に提出するば?」
ハ「停学くらいにはできるよ。でもその先は?」
チ「じゃあ、タッくんに相談してみる?タッくんなら・・」
ハ「タクにだけは言うな‼︎」
タッくんこと黛拓武(以下タクム)は春雪・チユリの幼馴染だ。しかし、タクムは頭が良かったため、中高一貫校に進学したため、最近は会ってない。
ちなみに、チユリとタクムは付き合っている。
は「もういいんだよ。学生時代は捨てるってきめたんだ。だから、構うなよ・・・・俺なんか!」
そう言い捨てて、走りだそうしたハルユキだが、チユリに腕を掴まれる。
チ「で、でもこれくらいはさせてよ。サンドイッチのハムチーズとポテトサラダ。ハル好きでしょ?」
そう言ってバスケットを差し出してくる。
ハ(惨めだ)
春雪はそう思った。同級生に虐められ、幼馴染に心配される。これ程惨めな事はそうそう無い。
ハ「・・・・・いらない。」
チ「でも・・・・」
ハ「いらないって言ってる!」
春雪は思わず差し出されたバスケットを強い力で振り払う。バスケットはチユリの手から離れて壁にぶつかり、中に入っていたサンドイッチがぐしゃぐしゃになる。
チ「あっ!」
チユリが驚いた声をだす。
謝らなければいけないと分かっていても、春雪はそう出来なかった。
チ「い、いらねぇよ!」
春雪は走りだした。その場から逃げる為に。角を曲がるときチラッとチユリの方をみてみた。その光景とチユリの顔を見て、春雪は心が痛んだ。
ハ(なんで謝る事ができないんだよ。ぼくの意気地なし。)
ハ(チユ、泣いてたよな・・・・。)
自分を罵倒しながら、教室に戻る。その後、残りの授業を受けて、下校になる。
しかし春雪は生徒玄関には向かわず、図書室に向かう。奥の席に座りネクタイを緩めたあと、つぶやく。
ハ「ダイレクト・リンク」
ブタ型アバターに変身した後、誰もいない仮想世界をゲームコーナーに向かって歩く。すぐに下校しないのは生徒玄関や校門でチユリと接触するのを避ける為だった。
やがてゲームコーナーに到着するとコンソールを操作して、自らのアバターデータをロードする。そして、偶然目に入った自分の最高記録に驚愕と疑問を抱く。
ハ「レ、レベル166⁈スコア374万⁈おれ以外の誰がこんなスコアを・・・・⁈」
驚きのあまり後ずさるが、つまずいて後ろに転んでしまう。しかし、ショックのあまり身体を起こすことすら忘れ、うなだれる。
ハ「これしか無かったのに・・・・。ゲームなら、VRゲームのテクニックなら、誰にも負けないって、そう思ってたのに・・・・。」
涙がこぼれる。
?「あの馬鹿げたスコアを出したのは、君か。」
春雪は驚いて顔を上げる。階段の上には、黒いドレスを見に纏った、白い肌をしたアバターが立っていた。そのアバターの名は、<黒雪姫>。
「もっと先へ、加速して見たくはないか?少年。」
END
如何だったでしょうか?
楽しんでくれたらよかったです。つまらなかった人は、すいませんでした。
さてこの作品、始まったばかりですが、ちょって困っています。じつは、霊夢達のデュエルアバターの名前が決まっていないのです。と言うわけで、なにかいい名前があったら教えてください。
みんな、オラにアイデアを分けてくれー‼︎
感想、ダメ出しお待ちしております。
次の投稿は一週間後かな?
7/16 リメイク(誤字脱字修正)
11/27 リメイク(台本化・表現の変更)