ある日目覚めて   作:おは

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やっとガリア編に突入できた。




地平線すれすれを浮かぶ赤い太陽と日に日に強くなっていく秋風の響く中

 

「お漏らし女、なんで私はガリアにいけないのよ。花の都リュティスが似合うのはあたしのような御しとやかな人が似合うの、アンタみたいなねしょんべんしてる子じゃないの。」

 

とアイナはジレーヌがベットで漏らしてから呼び続けているあだ名で言った。

 

なんでこいつはわたしのことをお漏らし女って言い続けるかなぁ。それにみんな帰ったのになんでこいつはいつまでのいるのよ。

 

「そんなこと、知らないわよ。だいたいなんで私の国にいつまでもいるのよ。もうみんな帰ったんだからアンタも早く帰ったらいいじゃないの」

 

「お漏らし女はゆるいのは尿道だけじゃなくて頭もゆるいのね。アンタみたいなバカにも分かりやすく言うと。大いなる意思からすばらしい恩恵を受けた私が、慈悲の心で一人ぼっちで可哀相なあなたの相手をしてあげようとしてるの」

 

とアイナは得意げにジレーヌに言った。

 

アンタ、いつわたしに慈悲をあげたと思っているの。毎日毎日毎日、人魚の怪談を話すことが慈悲というなら、笑い事ね

 

ジレーヌは笑い声をあげながら

 

「わたしがあんたみたいな魚に慈悲を受けると思ってるの?もしそうだったらとんだお笑い草よ」

 

とジレーヌが返した瞬間、アイナが血相を変えながらなんですってと言うとジレーヌに掴みかかった

 

そしてそのまま、殴り合いの喧嘩が始まった

 

 

 

お互いが相手を殴るのに疲れて肩で息を吐いているときにブリッタが呆れながら

 

「本当に、あなた達は殴りあうのがお好きですね。ここ一週間で12回もやっていますよ」

 

と言うとジレーヌが

 

「だってあの子、わたしのことをまたお漏らし女って言ったのよ。何回もやめてっ言ってるのに」

 

と言うとアイナがすかさず

 

「バカメイドこいつ、わたしのことを魚って言ったのよ。偉大な種族にたいしたの侮辱よ」

 

とブリッタに言い合った。それを聞いたブリッタは

 

「さすがのわたしも日に何回もおんなじことを言われるとつかれますよ。それにですね今この部屋に来たのは姫様の愚痴を聞くためではなくて重要なことを伝えに来たのです」

 

とブリッタは疲れた声で言った。

 

重要なことって、たぶん暗殺者関係のことだと思うけど聞いてみるか

 

「その重要なことってなにブリッタ」

 

とジレーヌが聞くとブリッタが

 

「はい、姫様そのことをお伝えする前にまず私と一緒に別の部屋に行きましょう」

 

「待ちなさいよ。私もついていくわ」

 

とアイナがブリッタの服を掴んでいった。

 

顔が少し青いわよアイナ。あはー、前に私がこの部屋に幽霊が出ると言う話を信じているのね。まぁ私も最初ブリッタに聞かされたときは怖くて仕方なかったからなぁ。

 

「アイナ、私達はちょっと別の部屋に出かけてくるけど、安心してあなたは一人じゃないわ」

 

とジレーヌが言うとアイナが顔を真っ青にして

 

「お、お漏らし女、ひとりじゃないって。ど、どうゆうことよ!」

 

というとジレーヌはニッコリした後に

 

「教えてあげても良かったんだけど、わたしのことをお漏らし女って言ったから。ぜっったい教えない」

 

今にも泣き出しそうなアイナにそう告げるとジレーヌはブリッタに

 

「さぁ、行きましょう」

 

と言うとジレーヌは扉を開けた。

 

 

 

 

「姫様、性格が悪くなっていませんか?」

 

と通路に出るなりブリッタがたずねてきた

 

「えっ、別に悪くなってないわよ。それになんで私より性格が悪い、あなたが言うのはおかしいと思うけど」

 

とジレーヌが言い返すと

 

「ほらやっぱり性格が悪くなっているじゃないですか。前の姫様だったら、そんなわけないじゃないとかわいい顔で言っていました。あぁ、あの頃の姫様は」

 

ブリッタが悲しそうな表情で答えた。

 

まさかとは思うけど、これが大切な話なんじゃないでしょうねぇ。まぁアイナの怖がる姿が見れたからいいけどね

 

「ブリッタ、大事な話ってそれなの?」

 

とジレーヌが聞くと

 

「いえ、これじゃありません。これは姫様の心を落ち着かせるためのものですから」

 

とブリッタがいつになく真剣に答えた。

 

あの様子はみると暗殺者じゃなくて私の命にかかわるような問題ね。一体何かしら?

 

「暗殺者の話じゃなさそうね。もっと大切な何かの話ね」

 

それを聞いたブリッタうなずくと

 

「ええ、そうです。でも暗殺者のことも少しかかわりますよ。いいですか覚悟して聞いてください。あなた様には腹違いの兄がいます」

 

と淡々とジレーヌに衝撃の話を伝えた。

 

兄!?そんなのがいたらなんで王位継承者私なのよ

 

「ブリッタ、それじゃあなんで私が王位継承者なの?私より年上でしかも男なんだから普通は王位継承者はその人なんじゃないの?王位継承者どころか兄がいたという話もきいていなかったわ」

 

とジレーヌがブリッタに聞いてみるとブリッタは

 

「確かに普通はそうです。ですが彼は私生児なので王族としての権利はもてないのです」

 

「・・・たしか結婚していない人から生まれた子供のこと言うのよね。でもどうして王族の権利がないの?」

 

「いいですか、姫様。結婚は神聖だと教えるブリミル教の教えもありますが実利的な理由として結婚することによって相手の家からの支援を手に入れる事ができます」

 

「でもぶりった、ちょっとした疑問なんだけど。私の家の始まりってブリミル様の結婚はしていないだけど最愛の人から生まれた子が初代でしょ。ということはブリミル様が結婚の誓いを破ったことになるわ。それに支援を手に入れる事ができると言ってもお母様の家ってトリステインある上に土地なし貴族じゃないの」

 

とジレーヌが言うと

 

「そうです。そして一番の問題もそこなのです。あの私生児は王家の始まりを理由に王位要求してくるでしょう

また王妃様が国外出身ということは北部と南部両方の支援を手に入らないです」

 

「私の立場がかなりまずいことは分かったけど、それと暗殺者に何の関係があるのよ」

 

「私生児が正当な手段で王位を継ぐための特例が一つだけあります。それは正当な子供がいないと言うことです」

 

「ブリッタ、まさか。わたしの兄が暗殺者を雇ったと言いたいの」

 

「そうです。一ヶ月近くかかったようやく暗殺者本人から聞きだせました」

 

本に王家の歴史は無数の内紛ってかかれていたけど本当にそうなのね

 

「そう」

 

「大丈夫ですか?顔色がわるいですよ」

 

「大丈夫よ。少し驚きすぎて疲れただけだから」

 

とジレーヌが答えるとブリッタがジレーヌを抱きかかえた

 

「ちょっ、ちょっと何してるのブリッタ」

 

とジレーヌがあわてながら聞くと

 

「一番早く元気になっていただくにための方法です」

 

「抱きかかえて相手が元気になるが何所の世界にあるって言うのよ!」

 

「あっアンタ達わたしのことを大事な話をするって聞いたから怖いのを我慢していたのにこんなところで・・い、いちゃいちゃしていなんて。信じられない!」

 

と言うとアイナはジレーヌ靴を脱がして白いタイツに覆われた足の裏を擽りはじめた

 

「ご、誤解よアイナ。だから私の靴を脱がして足の裏を・・・アハハハハ・・擽るのはやめて」

 

とジレーヌは笑いながらアイナに頼んだ。

 

「ぜっったいいやよ」

 

とアイナは言うとジレーヌのもう片方の靴を脱がした。

 

ジレーヌが笑いすぎて咳をしていると

 

 

「ブリッタさん、陛下があなたのお呼びです。アイナ様のガリア行きのことについてお話です」

 

とめちゃくちゃな状況にジレーヌたちの様子を見ても国王つきの執事は直立不動で伝えることを伝える去っていった。

 

「嘘でしょ、なんでアイナも一緒に行くことになったのよ」

 

とジレーヌが言うと

 

「やったー!」

 

とアイナは手を振り上げて喚起をあげた。

 

その様子を見ながらブリッタは抱きかかえていたジレーヌを降ろすと

 

「姫様、それでは私は陛下に会いに行ってまいりますので、アイナ様と仲良くお過ごしください、くれぐれも殴り合いの再開はやめてくださいね」

 

と言い残すと去っていった。

 

殴り合いの喧嘩をしないでぇと言うけど、わたしも努力はするけど。ガリアにいける喜びでのぼせ上がってるアイナ相手にかなり難しいのよね

 

とジレーヌが思っていると

 

「なに考え込んでいるの?私の可愛さにあなたの影が埋もれてると考えてるなら。大丈夫よちゃんとあんたの分は残してあげるから」

 

とアイナがジレーヌの顔を覗き込みながら言った。

 

アイナもガリアに行くとなると一番の問題はお漏らし女ってガリアのイザベラ公女とシャルロット公女の前で言われることね。優しい性格だったいいけど、もしアイナと同じ性格だったらガリアにいる冬の半年間、最悪3人からお漏らし女と言われるのとてもじゃないけど耐えられないわ

 

と思いながらとジレーヌが遠慮しがちに答えると。

 

「それはいいんだけど、ガリアに行ったらわたしのことをお漏らし女って言うのはやめてほしいの」

 

「なんで、アンタがもらしたのは本当の話じゃない」

 

当然のことのようにアイナは言った

 

ガリアに行っても言い続けるきね、どうにかしてそれだけは止めさせないと

 

「本当のことだけどあれからもう一ヶ月たっているのよ、それに・・・」

 

ジレーヌがぼつりぼつり答えると

 

「それに?」

 

不思議そうにアイナが尋ねた。

 

「これから行くガリア王国には私達と同じ年頃の公女がいるの、そのなかのひとりはわたしたちと同じ年よ」

 

とジレーヌが説明すると

 

「それとお漏らし女と言うことと何か関係あるの」

 

何か気づいたアイナが笑みをこぼしながら尋ねた。

 

うわー、墓穴をほった。あの子完全に気づいたわ、どうにかごまかさないと

 

「バカなの?それぐらい分かるでしょ」

 

とジレーヌはアイナを怒らせてごまかそうとしたが

 

「私の事を怒らせてごまかそうと思ったでしょうけど、その手には乗らないわよ。でもそこまでイヤと言うなら

私のお願いを一つ聞いたらかなえてあげてもいいと思うわ」

 

と勝ち誇りながら言うアイナに完全に敗北したジレーヌは

 

「ど、どんなこと」

 

と言うことしかできなかった

 

「アンタにはあのバカメイドがいるのに私にメイドがいないのは前からおかしいことだと思っていたの

それで提案なんだけどアンタガリアに行くまでの私のメイドになったらお漏らし女っていうのはやめるわ。どうする?」

 

とアイナが女王のように条件を伝えた。

 

ガリアに行くまでの一週間アイナのメイドになるのは屈辱だけど、それでもガリアで半年間お漏らし女ってよりはマシよ

 

「わ、わかったわ。わたしあなたのメイドになるわ」

 

とジレーヌが頭を下げながら答えると

 

「メイドはご主人様かお嬢様と言うんだけどジレーヌちゃんはそんなことも分からないのかしら?いっとくけどちゃんとメイドとして働かなかったらさっきの提案はなしよ」

 

アイナがジレーヌ長い髪を触りながら言うと

 

「お、お嬢様。も、申し訳ありません」

 

とジレーヌは屈辱のせいでつっかえながらアイナに謝った。

 

「うん、よろしい」

 

アイナはそう答えたジレーヌのあたまをさすりながら上機嫌に頷いた。

 


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