ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます   作:トッシー

40 / 47
あけましておめでとうございます。
今年初めての投稿になります。
よろしくお願いします。

今回はすごく短くなります。


本日の目玉商品『メタルキング装備』

俺達は自然を信仰する国『テラン』へと訪れていた。

百貨店で出会った占い師の老婆ナバラと孫娘のメルル。

二人がダイの紋章を目にして口にした『竜の騎士』という言葉。

その意味とダイの出生の秘密を追う為だ。

それは俺の知識通りの事だ。

それよりも今の俺の心は憂鬱だった。

 

-近づくな!化け物っ!!-

 

瞼の裏に焼きついた人々の非難と拒絶の感情。

まさか自分が向けられる事になるとは考えていなかった。

俺の力は唯のチート。自慢すべきものなんかじゃない。

なにせ世界樹と精霊ルビスの加護が付いているのだ。

まさにチートである。この世界の人々から見れば完全にズルだ。

何も知らない人から見れば化け物扱いも納得だ。

 

「確かに嬉々として能力使ってきたけどさ…、俺だって望んで手にした力って訳じゃ」

 

異邦人である自分がこの世界で不自由なく生きていく為には有効だった。

ただそれだけだった筈だ。

魔王軍が復活するまで攻撃呪文だって殆ど使った事はなかった。

 

「化け物か…」

 

今回のことは間違いなく魔王軍にも知ることになった筈だ。

ダイの正体の露見と俺の存在。

キルバーンは本体が小物とはいえ、間違いなく魔王軍内では最高幹部だ。

それを倒した俺は今後、間違いなく…。

俺は背筋が寒くなるをの感じた。

もう後戻りはできない。

俺は意を決して道具袋の中からとっておきの物を取り出した。

 

 

 

 

「なぁ、タケルのやつはまだか?何時までションベンしてんだよ」

 

ポップは目の前の水面に小石を投げて溜息を付いた。

メルルはポップの口から出た下品な言葉に顔を赤くする。

 

「……ポップさん」

 

 

テランの村外れにある湖の前に一行は集まっていた。

占い師ナバラとメルルも一緒だ。

神秘的な雰囲気の湖には竜の神が祀られており、竜の騎士の伝説も眠っているのだという。

ダイは自身の出生の秘密を前に焦りを隠せないでいた。

 

「ダイ、気持ちはわかるけど焦るなよ。もう少しタケルをまとうぜ」

 

「ポップに何が分かるんだよ!」

 

今の様な気持ちになったのは生まれて初めての事だった。

人々から向けられる視線に宿った感情。

今まで暮らしてきたデルムリン島では向かられた事のない負の感情。

自分の事ながら深く考えたことなど無かった。

島の皆は自分にとても良くしてくれたからだ。

そして自分も島の皆が大好きだったからだ。

種族なんて関係なかった。

 

「でも人間はオレが人間じゃなきゃ仲間には入れてくれないんだよね?だからオレ、一人でいってくる……、オレは皆に嫌われたくないから…っ」

 

そう言ってダイは駈け出した。

 

「ダ、ダイッ!!!」

 

ダイの目尻から涙が真横へと流れる。

そんなダイの寂しげな背中を皆は何故か追うことが出来なかった。

水柱が上がりダイの姿が水底へ消える。

 

「バカヤロウ…ッ、つまんねえこと気にしやがって…っ」

 

ポップは悔し涙を流す。

地面を殴りつけて感情を吐き出す。

 

「俺達は仲間じゃねえか……、友達じゃねえかっ!!!正体なんて…そんなの関係ねえよっ!」

 

「ポップさん…」

 

レオナはダイの身を案じてじっと水面を見つけていた。

此処から先はただ待つことしか出来ないのだ。

 

「………ダイは、行ったのか?」

 

「……あ、貴方は…」

 

メルルは唖然とした声を上げた。

ポップは涙を拭いメルルの視線を追う。

 

「お、おめえ……、何だその格好は…」

 

パーティーが目にしたのは全身がこれでもかと言うくらいの銀色。

ギンギラギンに輝く甲冑…。

 

「タケルっ!!?」

 

「姿を表さないと思えば…」

 

「お?似合うか?」

 

全身鎧の重量など微塵も感じさせない軽やかな足取りでタケルは歩く。

武具にはそれぞれ幻の魔物の姿が彫られ鈍い輝きを放っていた。

これからの戦いの激化と自分の身の安全を懸念したタケルが用意した新装備だった。

腰に差したメタルキングの剣、背中に背負ったメタルキングの槍、そして腰に装着したメタルウィング。

価値の分かる人間が見れば生唾ものだ。

 

「ずいぶん物々しい格好ね」

 

「タケル、全く似合ってないけどそいつは…?」

 

「メタルキングの武具だ」

 

「メ、メタルキングだってぇっ!!?」

 

武器屋を実家とするポップは思わず驚愕の声を上げた。

ポップ自身、目にしたことは無く話には聞いただけだった。

父親であるジャンですらお目に掛かったことは無いのだという。

ただ、一武器屋として一度は見てみたい品だという…。

全世界の武器屋を通しての幻の品なのだ。

 

「……本物?」

「当然」

 

思わず目の前の存在に疑いをかけたポップにタケルはドヤ顔で答えた。

 

「おっと、そうだった皆の分も用意したんだ」

 

メタルキングの武具を自慢したいところだが、あまり時間がない。

『ヤツ』が来る前に皆の装備を一新しないと。

タケルはこれから始まるであろうバランとの戦いに最も有効だと考えた武具と道具を取り出して皆の前に置く。

 

「ちょ、ちょっと!!いきなりどういう事!?」

 

目の前の光り輝く……、というよりも凄まじいオーラを放つ武具に気圧されながらレオナが叫ぶ。

新しい装備買う必要なかったじゃないっ!

 

「あれは息抜きも兼ねてだと思ってたけど?」

「……まぁ、確かに……じゃなくて!」

 

「すげえ…オレん家、武器屋だけどこんな物、初めて見るぜ」

 

「みんな聞いてくれ。確かにベンガーナで装備を一新した。けど竜の群れと戦ってみてどうだった?その前の戦いは?」

 

タケルの言葉に一行は厳しい表情で俯いた。

装備は所詮消耗品だ。激しい戦いが続けば痛むし壊れる。

それにこれからの戦いは更に厳しいものになっていくはずだ。

パーティーのレベルアップは勿論だが、優れた武具やアイテムは必須だ。

以前の戦いだが、展開によっては新しい武具もダメにしてしまうところだったのだ。

 

「だったら、少し早くても強い武具に変えるのも有りだと思う。力量が足りなきゃ武具に見合う実力をこれから身に付ければ良い訳だし…」

 

強い武具を身に付けて生まれる慢心や心の隙。

それを懸念してないわけじゃない。

けどここまで関わった以上、タケルに出来る最大限のサポートをするしか無い。

勇者であるダイが大魔王バーンを倒す。それを待つ気はない。

出来るなら、可能なら自分がバーンを倒す。

例え最悪の物を使ってでも。

 

「さぁ、ダイを待っている間に着替えちまおうぜ」

 

「着替えるって…ここで?」

 

「いや、それは服の上からでも着れるようになってるから…」

 

「けど、ダイが…」

 

「大丈夫!ダイの装備もちゃんと用意してるって!」

 

どうせならダイを待って一緒に。

そう言うポップ達だが、タケルがしつこく勧めるものだから渋々新しい装備を身につけていく。

そんな皆の姿を見ながらタケルはホッと息をついた。

そして空を見上げて吐き捨てるように呟いた。

 

「………来るなら来やがれ」

 

装備、アイテム共に充実している。

相手の情報も識っている。その能力や技も。

今回の武具もその情報に沿って選んだ。

後は作戦次第で圧倒的な戦力差を覆す。

タケルは虚空をじっと睨みつけた。

しかしタケルは知らなかった。

これから近づいてくる敵は一人ではなく複数だという事に。

過去に自分がした事が決定的な原作ブレイクを引き起こしていることに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

 

レベル28

 

さいだいHP:165

さいだいMP:624

 

ちから:71

すばやさ:177

たいりょく:82

かしこさ:308

うんのよさ:256

 

攻撃力:208

防御力:338

 

どうぐ

E:メタルキングの槍

E:メタルキングよろい

E:メタルキングヘルム

E:スーパーリング

E:星降る腕輪

 

どうぐ(チート道具袋ではない手持ちの)

 

エルフの飲み薬

エルフの飲み薬

超万能薬

超万能薬

世界樹のしずく

賢者の石

メタルキングの剣

メタルウィング

 

メタルキングよろい +120(炎や吹雪を防ぐ)

メタルキングヘルム +60(マヌーサ、メダパニ、ザキ系などの呪文を防ぐ)

メタルキングの盾  +70(あらゆるダメージを軽減)

 

 

 

呪文・特技

 

錬金釜 採取 大声 口笛 

寝る 忍び足 穴掘り 大防御

連続魔法 雄叫び 思い出す もっと思い出す

 

 

ホイミ ベホイミ ベホマ

キアリー キアリク シャナク

メラ メラミ メラゾーマ

ギラ ベギラマ 

イオ イオラ

ヒャド ヒャダルコ ヒャダイン

バギ バギマ バギクロス

ドラゴラム

ニフラム マホカトール

バイキルト バイシオン 

スカラ スクルト 

ピオラ ピオリム 

ルカニ ルカナン

ラリホー ラリホーマ

バーハ フバーハ

ラナリオン

トラマナ レミーラ 

インパス アバカム 

ルーラ トベルーラ リリルーラ

レムオル 

 

装備が一新。

レベルが変わらないのは死んでたからです。

キルバーン一人の経験値じゃレベルが上がりませんでしたw




今年もよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。