ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます   作:トッシー

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連続投稿。
本日はコレにて終了です。


本日の目玉商品『ファイト一発』

「お、おのれっ!」

 

ダイの魔法剣の威力に動揺を見せるヒュンケル。

しかし直ぐに持ち直し剣を振るう。

互いの剣が交差し、鈍い音を響かせる。

一進一退の攻防…。しかし長くは続かずヒュンケルが押し始める。

ダイは意識がないのだ。

闘争本能だけで戦い続けるダイと、魔法剣に一瞬の動揺を見せたとはいえ冷静さを取り戻しつつ有るヒュンケル。

どちらに軍配が上がるかは明白だった。

 

「闘魔傀儡掌っ!!」

 

それはダイが大振りになった瞬間だった。

その隙を逃さないとばかりにヒュンケルの暗黒闘気がダイの四肢を拘束した。

 

「もはや外さん…っ!これで終わりだ!」

 

ヒュンケルの剣の切っ先がダイに向けられる。

俺は念の為、いつでも助けられるように雷鳴の剣を構える。

しかし杞憂だったようだ。

 

「ダイ、稲妻だ!稲妻を呼べ~~~っ!!!」

 

ポップが弾かれたように叫んだ。

仲間もの声にダイの瞳に一瞬だけだが感情が戻る。

 

「無駄だ!この一撃で終わりだ!くらえ!ブラッディースクライドーッ!!」

 

「うおおおおおおっ!!!ライデイーンッ!!」

 

火事場の馬鹿力か、それとも潜在能力の発露か、竜の紋章の力か。

ダイは力ずくで暗黒闘気の拘束を引きちぎった。

同時にライデインの稲妻を剣に付与。

未完成とはいえアバンストラッシュと共に放った。

 

「ストラーーッシュッ!!!」

 

「うおおおおおああっ!?」

 

ヒュンケルは棒立ちのまま金色の斬撃に飲み込まれた。

煙が晴れそれでも両の足で立ているヒュンケル。

その姿にポップが驚愕するも一瞬。

次に瞬間、鎧は砕け、ヒュンケルは地に伏した。

 

 

これでようやく決着か…。

オレはマァムの膝の上で涙を流すヒュンケルを見て溜息を付いた。

それにしても羨ましい…。

ポップはムスッとしている。

その気持ちよく分かるよ…。

そしてダイの意識が元に戻り。

 

「…うそ…オレ、勝ったのか?」

 

「そうだ。俺の負けだ…」

 

天候呪文も切れ、青い空の下でヒュンケルは自らの敗北を認めた。

 

「ククク…クックック…」

 

不気味な笑い声が辺りに響く。

コロシアムの観客席、その上の方からだ。

俺達が視線を向けると、そこには大柄の人影が見えた。

 

「ざまあねぇな…不死騎団長さんよ…。負けた挙句、情けを掛けられ女の膝枕で涙とは…」

 

「き、貴様は…」

 

その男は岩陰から姿を現した。

両半身が氷と炎に別れた怪物。

胸には大魔王の紋章が描かれたメダリオン。

そいつは凶暴そうな眼でコチラを睨みつけていた。

 

「氷炎将軍フレイザードッ!!!」

 

ヒュンケルがその男の名を明らかにした。

 

「な、なんだ…っ!?あいつ、炎と氷がくっついてやがる!」

 

「なぜ貴様がここにっ!?」

 

「決まってんじゃねぇか!テメエの息の根を止めに来たのよっ!!」

 

「なんだと!?」

 

フレイザードのあまりの言い分にヒュンケルは身を起こして叫んだ。

 

「だいたいテメエは前から気に入らなかったんだ!人間のクセに俺の獲物を横取りなんざ百年早いんだよ!」

 

(まだ一年しか生きていないガキの癖によく言う)

 

俺はフレイザードを睨みながら道具袋を探る。

こいつ自体はそれ程脅威じゃない。

何故ならハドラーの禁呪法によって生み出されて間もなくレベルが低いからだ。

実際の戦闘力は大したことないし、見た目もあんまり怖くない。

戦えば勝てる自信はある。

でもそれよりも逃げる準備だけはしておかないと…。

ヒュンケルが助けてくれるのは知っている。

が、現実に何が起こるか分からないからな…。

 

「テメエが勝てばぶっ殺して手柄を横取りと思ってたが…負けていたとは好都合だぜ!」

 

フレイザードは炎の腕から火炎の弾を作り出すと、コチラに向かって放り投げた。

 

「負けたテメエの敵はオレが取った事にしておいてやるから泣いて感謝しろいっ!!」

 

フレイザードの放った炎の弾丸は地面を砕き奥底へと潜り込んだ。

そして…。

 

「な、なんだ!?」

 

ゴゴゴ…。

音を立てて地面が揺れ始める。

フレイザードの攻撃の影響か、地震が起こったのだ。

その揺れと音は次第に大きくなっていく。

 

「クカカカ…ちょいとそこの死火山に活を入れてやったのさ。もうすぐその辺りはマグマのプールになるぜ…!」

 

それはまさに死の宣告だった。

辺りは岩山に覆われており逃げ場は無い。

引き返そうにも迷宮に戻れば間違いなくマグマに飲み込まれるだろう…。

考えている間にマグマの噴火が始まってしまった。

フレイザードの開けた穴からマグマが吹き出す。

それに連鎖するように地面を突き破ってマグマが次々と吹き出してく。

 

「お、おのれ…フレイザーーードッ!!!」

 

ヒュンケルは剣をフレイザードに向かって投げる。

だが戦う力の残っていないヒュンケルに命中させる力は無かった。

剣はフレイザードの足元に突き刺さる。

 

「おっと!歓迎されてないようだな!じゃあそろそろ俺様はオサラバさせてもらうぜ!あばよ」

 

イザードは高笑いをしながら去っていった。

俺達はどうにかマグマを避けながら移動するが徐々に追い詰められていく。

俺だけなら星降る腕輪の力で高い場所まで逃げられる。

後は時間との勝負か…。

俺は足にグッと力をこめると全力で走りだした。

 

「お、おい!タケル!?」

 

ポップが戸惑ったように声を上げるが今は無視だ。

時間にして約2秒。

速攻で観客席の上の位置まで来た俺は道具袋からある物を取り出した。

取り出したのは三つ。

超・グリンガムの鞭と吹雪の剣、そしてファイト一発だ。

 

「みんなーっ!これからマグマを凍らせる!一箇所に固まって伏せててくれ!」

 

「お、おい?タケル、一体なにを…?」

 

「考えている暇はなさそうだ…アイツの言う通りにするほか無いだろう…」

 

「そうね…」

 

「タケル、頼む!」

 

皆が身を伏せるのを確認すると俺は吹雪の剣の力を開放した。

刀身から放たれた猛吹雪がダイ達に迫るマグマを凍らせていく。

しかしその後から吹き出るマグマによって凍りついたマグマは溶け始める。

周囲だけ凍らせても皆を逃がすのは無理だ。

 

「皆、凍らせたマグマはすぐに溶ける!コイツに掴まれ!」

 

俺は用意しておいたグリンガムの鞭を振るった。

全体攻撃が出来るだけあってコイツはかなり長い。

しかも自在に動く三本の鞭。

先端に付いた刃が地面に深く突き刺さる。

俺は軽く退いて抜けないのを確認するとファイト一発を一気飲みした。

力が込み上がってくる…。

そして腕の筋肉が一回り膨れ上がった。

コイツは凄い…。

 

「皆、早く掴まれ!」

 

ダイ、ポップが掴まりマァムが鞭に捕まる。

マァムはヒュンケルの方を向くと手を伸ばした。

 

「さぁ!あなたも早く…!」

 

「オレは…」

 

ヒュンケルは俯いて目を逸した。

 

「何をしてるの!早くっ!」

 

マグマに押されて徐々に溶け始める氷。

それを見たマァムは焦ったように声を上げた。

 

「な、なにやってんだよぉ!」

 

ポップも慌てたように声を上げる。

 

「早くしろ!ヒュンケルとかいったな!マァム達を殺す気か!そいつらは絶対にお前を見捨てない!死なせたくなければ早く手を掴め!」

 

「くっ!」

 

ヒュンケルがマァムの手を掴んだのを確認するとオレは腕に力を込めて叫んだ。

 

「いいか、絶対に手を離すなよ!ファイトーー、いっぱーーーつ!!!」

 

魚の一本釣の要領で一気に引き抜く。

 

「うわああああああっ!?」

 

まさにギリギリだった。

鞭の先端に付いた刃が抜けると同時に氷の壁は突き破られた。

ダイ達が空を舞った瞬間、その場はマグマに飲み込まれた。

我ながら上手にいったものだ。

 

「…あ」

 

ここでオレは一つのミスに気づいた。

 

「アイツらの着地、考えてなかった…」

 

「うわああああああ~~~っ!!!」

 

ズズンッ!

鈍い音と共に四人は地面に激突した。

ファイト一発の力もあって相当な勢いがついていた筈だ。

大丈夫かな…。

オレは三人に回復魔法を掛けてやろうと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日のタケルのステータス

 

レベル18

 

さいだいHP:102

さいだいMP:558

 

ちから:50

すばやさ:120

たいりょく:51

かしこさ:279

うんのよさ:256

 

攻撃力:190

防御力:117

 

どうぐ

E:超・グリンガムの鞭

E:ビロードマント

E:力の盾・改

E:幸せの帽子

E:スーパーリング

E:星降る腕輪

 

 

呪文・特技

 

錬金釜 採取 大声 口笛 

寝る 忍び足 穴掘り 大防御

 

 

ホイミ ベホイミ 

キアリー キアリク シャナク

メラ メラミ メラゾーマ

ギラ ベギラマ 

イオ イオラ

ヒャド ヒャダルコ ヒャダイン

バギ バギマ

ニフラム 

フバーハ

ラナリオン

トラマナ レミーラ 

インパス

 

 

本日の道具データ

 

超・グリンガムの鞭 攻撃力140 

 

改造され尽くして最強となったグリンガムの鞭。

三本の長い鞭の先端に鋭利な刃が付いている。

蛇のように自在に動き攻撃範囲も半端無く広い。

 

吹雪の剣 攻撃力105

 

刀身に氷系呪文の力が込められた魔剣。

マヒャドの効果。

 

ファイト一発

 

飲むと一時的に力が倍増する。

飲んだ後はお決まりの掛け声を…。

 


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