超次元ゲイムネプテューヌ 雪の大地の大罪人   作:アルテマ

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第56話 因縁

時は少し遡る……

 

 

 

「ねぷねぷ、大丈夫ですか?」

 

「……ええ、大丈夫よ。 これくらいはかすり傷だわ」

 

怪我の心配をして近寄ってきたコンパに対し、ネプテューヌは地面に片手をつき、何とか立ち上がりながらそう言った。 言葉ではそうは言ったが、ネプテューヌの女神化した状態のパープルハートの服装であるレオタードは、所々に血が滲んでいた。 勿論、看護師見習いであるコンパがそれを見逃す筈もなく、ネプテューヌを叱咤する。

 

「そう言う怪我はかすり傷とは言わないです! この薬を飲んでくださいです」

 

「ありがとうこんぱ。 ありがたく貰っておくわ」

 

ネプテューヌはコンパが差し出したグラス瓶をありがたく受け取ると、蓋を開けて口をつけると、一気に瓶を傾けた。 すると少しづつだが、ネプテューヌにあった傷口が塞がり始めた。 『ヒールグラス』と呼ばれるその薬は、戦闘中の短い合間でも切り傷程度なら完治できる優れものであり、このようなダンジョンで生計を立てるバウンティーハンターや、冒険家には必須のアイテムだ。 ネプテューヌにはこの薬の詳しいメカニズムはよくは知らないが、まあ便利ではあるし深く考える事もないだろうとすることにしている。

 

ネプテューヌは薬を飲み終え空の瓶をコンパに渡すと、視線をコンパから外してある一点を見つめた。

 

「……それにしても、あれってどういうことなのかしら?」

 

「わたしにも分からないですぅ……」

 

ネプテューヌが指した物に対し、コンパはポーチに空の瓶を入れながら答えた。 ネプテューヌが何のことを指しているのか、コンパには分かっているため、ネプテューヌと同じ地点の方へ視線を向けなくても答えられたのだ。 そもそも、散り散りにされていた状態からコンパがどうにか常備しているヒールグラスを服用し、ネプテューヌへと駆け寄る事が出来たのも、それが原因なのだから。

 

「く……くそっ! くそっ! 消えろ! 死ね! 消えてなくなれぇ!!」

 

ネプテューヌの視線の先で、リーンボックスの女神、『グリーンハート』の姿であるマジェコンヌは、その姿に見合わない口汚い罵倒をしながら、やたらめったらに槍を振るい、槍を射出し、風を発生させていた。 その攻撃が当たる場所は、全て虚空であるにも関わらずだ。

 

ネプテューヌたちと敵対し、圧倒していたマジェコンヌが突如として、乱入してきたらんらんを蹴り飛ばした直後から意味の分からない行動を取り始めたのだ。 具体的には誰もいない場所に向かって、対話するように言葉を発したり、何も無い場所に槍を振るったり、と言った所だ。

 

「一体どうしたって言うのかしら? まるで何かに取り憑かれたみたいね……」

 

「わたし、知ってるです。 体に悪い薬を打ち続けた人は、あんな風になるです。 きっとマジェコンヌさんも、そういう薬を打っていたんです……」

 

マジェコンヌを同情するように言うコンパはともかくとし、マジェコンヌの様子は誰から見てもおかしな物であり、コンパの言う薬物乱用者のように見えた。

 

「……ケホッ、ケホッ!」

 

それは暴れ出したマジェコンヌの最も近くにいる、先ほどまでマジェコンヌに散々嬲られダメージが抜け切らず、四つん這いで胸を抑え、咳き込むブランも同じ事を思っていた。 寧ろ、ネプテューヌたちよりも遥かに近くにいるために、マジェコンヌの様子の異常に気づいた。

 

(……こいつ、目の焦点があってない……)

 

悪態をつきながらメチャクチャに攻撃をするマジェコンヌの顔が、ブランのうずくまる場所からはよく見えた。 マジェコンヌの瞳孔の開き具合は明らかに近くにある地面や木々に合わせている物では無かった。 その焦点が合う場所は、マジェコンヌが槍を振るう切っ先の位置であり、則ち虚空だ。 今のマジェコンヌはまるでその虚空の位置に、何かマジェコンヌにだけは見えている物に焦点を合わせているように見えた。

 

「(´・ω・`) ブランさん! 起きてなの!」

 

突如として、マジェコンヌに蹴り飛ばされたらんらんは、地面に倒れ伏せたまま、蹲ったままのブランに叫んだ。

 

「(´・ω・`)今おばさんはベール様の力を留める力が不安定なの! だから、今ならベール様の力を取り返せるはずなの!」

 

必死にそう叫ぶらんらんにそう言われ、ブランは痛む体を抑えつけ考える。 確かに、今のマジェコンヌが行使している『グリーンハート』の女神の力は、ブランの時とは違い模倣ではなく直接奪取したものだ。 これだけネプテューヌたちを圧倒したのだから、もしかすればマジェコンヌにとっては模倣では無い純粋な女神の力は手に余る物である可能性はある。 それを信じ、ベールの『グリーンハート』の女神の力を取り戻せるのは、マジェコンヌが混乱している今しかない。

 

しかし、混乱はしても不安定であっても、マジェコンヌが強大な力を行使していることに変わりは無い。 その不安定な力を振り回し、暴れ回るマジェコンヌはさながら台風のようであり、近づくのは困難と言えるだろう。

 

ブランはらんらんの言葉を聞き、ため息を漏らした。

 

「……ハァ……怪我人にやらせるなんて、後で覚えておきなさいよ……」

 

そう言いながらブランはハンマーを杖に立ち上がり、暴れ回るマジェコンヌを見据える。 時々、マジェコンヌの流れ弾が体を掠めるが、ブランは気にもしなかった。

 

確かに、今のマジェコンヌに近づく事は容易な事では無いかもしれない。 だが、混乱する前よりは遥かに隙が大きい今しか奪い返すタイミングが無いからこそ、ブランはらんらんの言葉に従うことにしたのだ。

 

「……」

 

じりじりと、ハンマーを盾にしてブランはマジェコンヌに近づきながら隙を伺う。 近づけば近づく程流れ弾が飛んでくる数が増え、傷ついているブランに容赦無く襲いかかる。 刃のように鋭い風がブランの頬を、足を、横腹に切り傷を刻んで後ろに流されていく。 ブランはそれらの攻撃に耐え忍び続けた。

 

「なん……なんだ……何なんだお前らはぁ!!?」

 

そして突如として、マジェコンヌの嵐のように滅茶苦茶に暴れ回るのをピタリとやめ、何かに怯えるように叫んだ。

 

「(´・ω・`)今なの!」

 

「!!」

 

らんらんの言葉を聞くまでもなく、ブランは縦にしていたハンマーを手放し、マジェコンヌへと詰め寄る。 そして何かから身を守るようにしているマジェコンヌの体に手を触れた。

 

(……これだ。 あの戦いの時にベールから感じていた物と、同じ力!)

 

触れた指先からブランにはベールの女神の力を感じることが出来た。 辛うじてマジェコンヌはその力を自身の体に留めているようだが、ベールの女神の力はそれに反抗するように漏れ出ているようだった。 だからこそ、手で触れただけでベールの女神の力の状態が分かったのだろう。

 

その事が分かったブランは自分の女神の力をマジェコンヌへと送り込んだ。 今なら、少しキッカケを与えるだけでマジェコンヌからベールの力が離れる筈だ。

 

ブランの思惑通り、ベールの女神の力は押し出されるようにしてマジェコンヌから流れ出た。 マジェコンヌの体から抜けていくベールの女神の力の奔流は、眩い光を放ちながらブランの目の前に集い光球となった。 やがて光が段々と弱まると、ブランの目の前には緑のディスクが光を放ちながら浮いていた。

 

ブランはそのディスクを手に持ち、振り返ってベールへと投げ渡そうとしたのだが

 

「……ッ!!」

 

振りかぶったブランの足に激痛が走った。 耐えていたマジェコンヌによって刻まれた傷が無理な運動によって、誤魔化せない程の痛みが襲ってきたのだ。 あまりの痛みにブランは前のめりに倒れてしまう。

 

「よっと!」

 

その時、地面に倒れこみそうになったブランの体を受け止めた人物がいた。 ブランは受け止めてくれた人物の顔を、受け止めてきた人物の肩から覗き込んだ。

 

「まったく、無茶はやめなさいよブラン。 あなたに何かあったら、私はイツキに顔向け出来ないわ」

 

「……アイエフ……」

 

アイエフはブランにそう忠告しながらブランの片手を首に回し、ベールの元へと歩き出した。 無茶をするなと言ったアイエフだったが、その体はブラン程では無いにしろ、マジェコンヌとの戦いでボロボロであった。 そうまでしてブランに肩を貸すアイエフに、ブランは小さくお礼を言った。

 

アイエフとブランはお互いに支え合うように歩き、膝をついているベールの元へと2人は辿り着いた。 ブランは手に持つ緑のディスクをベールへと差し出した。

 

「……これで、借りはチャラよ」

 

「えぇ。 ありがとうございます、ブラン」

 

素っ気ないブランの言葉に感謝を述べ、ベールはブランの差し出したディスクを受け取った。 すると緑のディスクは再び光だし、ベールを包むように広がり始めた。

 

「この力が滾る感じ、懐かしいですわ……」

 

懐かしむベールの呟きを最後に、ベールは光に包まれた。 ベールを余さず包み込んだその光と、それを囲むように浮かび上がる幾何学的な文字列。 やがてそれらは弾け、舞い散るように落ちていく。

 

舞い散る光の中から現れたのは、緑の髪をポニーテールで結わえ、白を基調とし、所々肌が露出しているレオタード、そのレオタードを押し上げて存在感を誇張している胸を持つ女性。 ベールの女神化した真の姿、『グリーンハート』

 

先ほどまでマジェコンヌがしていた姿と同一の物だ。 だが、マジェコンヌがその姿をしている時に纏っていた禍々しい雰囲気は微塵も無い。 あるのは美しさと凛々しさを兼ね備えたバラのような雰囲気と、全てを包み込むかのような慈愛を含んだ柔和な雰囲気。 彼女の頭上から降り注ぐ光の粒子たちは、あるべき主の元へと帰ってこれたことを喜んでいるようだった。

 

「これが、ベール様の女神化した姿……綺麗……うぅん……美しい……」

 

さっきまで敵として姿を現していたグリーンハートと同じであるにも関わらず、アイエフはその美しさに見惚れていた。 つい呟いたアイエフにベールは微笑みを返すと、すぐに視線を向き直す。

 

「ありがとう、あいちゃん。 けど、今は目の前の敵を倒すのが先決ですわ」

 

ベールはそう言うと、自らの得物の槍を構えて敵を見据えた。

 

 

 

 

 

 

右手の掌から確実な手応えが伝わった後、マジェコンヌは後方へと吹っ飛んでいき、茂みを突き抜けていった。 割と本気で殴ったつもりだが、この程度であいつはやられるような奴じゃないだろう。

 

「……ッ…とと……」

 

力みすぎたせいか、体のバランスが不安定で足元がふらつき、視界がボヤける。 病み上がりであることと、()()()使()()()力の反動もあるのだろう。

 

僕はその場で踏ん張り、目をこすって無理矢理視界のピントを合わせようとした。

 

「(´・ω・`)イツキさんイツキさん」

 

目をこすっているそんな時、後ろから声を掛けられた。 僕は振り返り、その豚の仮面をした人に視線を合わせる。 彼は自分の傷の痛みを無視し、真剣な眼差しで僕を見つめていた。

 

らんらんと言うこの人の協力のおかげで、マジェコンヌからベールさんの力を取り返す事が出来たのだ。 確かに力を使ったのは僕だが、この人の勇気無しでは成し得る事は出来なかっただろう。

 

地面に倒れ伏せている彼は視線の合った僕に、顔を上げてサムズアップするとこう言った。

 

「(´・ω・`)b 後は任せましたよ。 でないと、出荷よ」

 

「……はい。 了解です」

 

僕もまた、彼にサムズアップして答えた。 彼は自分の主人のために、僕の頼みを聞いてあんな無謀と思われかねない突進を繰り出したのだ。 彼の主人を思うまっすぐな気持ちは、主人に仕えていると言う同じ立場である僕にもよく分かる。 そんな彼を仕えている主人は、幸せだなと僕は思いつつ再び振り返り視線を戻す。

 

丁度そのタイミングで、僕の前方の森から人影が上空へと飛び出し、木々を飛び越えて僕の目の前に現れた。 右頬が赤く腫れ、茂みに吹き飛ばされた際についたであろう汚れや切り傷を刻まれたマジェコンヌは目を血走らせ、怒りに満ちた顔で僕を睨んでいた。

 

「貴様〜〜ッ!! 女の顔を何の躊躇いも無く殴りやがってッ!!」

 

ヒステリック気味に叫ぶマジェコンヌに、僕は両手をとぼけるように上げて言った。

 

「あのね、僕は差別をしない人なんだ。 男も女も皆平等。 平等主義者さ」

 

この煽りがマジェコンヌに対して効いたのかは分からないが、マジェコンヌは更にキレ気味に僕に問う。

 

「さっきの巫山戯た幻も、貴様が見せた物なのか!! 私に一体何をした!」

 

マジェコンヌのその問いに対して、僕は心底呆れた。 まさか、ゲームみたいに謎の力を使った悪役がする『ふふふ……我が力の正体、それは○○○だ』なんて親切な説明のような物が帰ってくるとでも思ったのだろうか。

 

「はぁ……そんなの、敵に答えるわけ無いじゃないか。 ちょっと考えれば分かることでしょ。 ……それとも、ボケ始めのオバサンには難しいことだったかな?」

 

この煽りはマジェコンヌには効果抜群だったようであり、この言葉を聞いた直後にマジェコンヌはその足で地面を踏み抜くようと、鎌を横に構えて突進してきた。

 

「クソがぁ!! また私の邪魔をするだけでなく、愚弄までしやがってぇ!!」

 

喚き散らしながらマジェコンヌは鎌を横に振るってきた。 僕はその鎌の刃の軌道上に左腕を出し、硬化して受け止める。 鈍い音と共に僕の左腕に衝撃が伝わり、その痛みを脳が知覚した。 僕はその痛みを抑え切ることが出来ずに顔がゆがむ。 マジェコンヌの力任せに振るわれた鎌と言うこともあるが、まだまだ僕が本調子では無い事もあり、強欲(グリード)による硬化が少し不安定であるためだろう。 だが、振るわれた鎌を止める事は出来た。

 

「な、何故だ! 何故生身の腕でこの鎌の刃を受け止められる!?」

 

マジェコンヌは僕が鎌と言う刃物を片腕で止めた事に驚いていた。 そう、マジェコンヌは僕が新しい力を手に入れたことを知らない。 だから、本当は腕を硬化して受け止めているのに、マジェコンヌには僕が生身の腕で受け止めている物だと思い込み、今も無理矢理押し込んで僕の腕を切ろうとしているのだ。

 

「あの時の僕と同じだなんて考えない方が良いよ。 人は成長するものなんだ。 ……最も、あなたの場合はもう成長出来るような年齢でもないけどね、おばさん」

 

「ッ!! キッ、貴っ様……!!」

 

それはもう分かりやすい位に激怒するおばさんもといマジェコンヌ。 ……いや、マジェコンヌもといおばさん。 相変わらず煽りに弱い。 そんなんだから成長しないって思われるんだよ。

 

マジェコンヌは僕に押し込む鎌の力を増す増す強める。 カタカタと震える鎌の刃と僕の左腕。 マジェコンヌは怒りのせいで血走った目には僕しか映っていなかった。

 

その隙だらけのマジェコンヌ狙うように、緑の槍と紫の剣が横槍を入れてきた。 マジェコンヌはその飛来してきた槍と剣の存在に気づいたが、僕に怒りを向けていたせいで周囲への警戒を疎かにしていたために、回避が間に合わずに槍と剣を体に受けた。

 

飛来してきた槍と剣の攻撃を受け、横に吹き飛ばされるマジェコンヌ。 地面に体を引きずりながら飛んでいくが、そこから無理矢理体を起こしてバックステップを取り、立ち上がった。

 

「私たちのことを、忘れてもらっては困るわね」

 

「えぇ。 あなたにはわたくしの力を奪って好き勝手し、挙げ句の果てにはあいちゃんやらんらんを傷つけたのですから、そのお返しをしなくてはなりませんわ」

 

声が聞こえた方へ視線を向けると、僕の両側に2人の女性が立っていた。 1人は何度か見たネプテューヌの女神化した姿、パープルハート。 もう1人は先ほどまでマジェコンヌがしていた姿と同一の姿だが、纏う雰囲気がマジェコンヌの時よりも遥かに優しく、暖かい雰囲気を持つ女性。 らんらんさんが言っていたベールと言う名前と、女神特有の服装と特徴から、この人がこのリーンボックスの女神、グリーンハートなのだろう。

 

僕の視線に気づいたのか、ベール……様はこちらに顔を向け、微笑みかけてきた。

 

「イツキさん、でしたね? らんらんを助けてくれたことと、わたくしの力を取り戻してくれて、ありがとうございます」

 

……この人はどうやら、マジェコンヌが急に暴れ出した原因が僕にあると勘付いているようだ。 確かに、マジェコンヌを混乱させるのに一役打ったのは僕だが、説明はしていないはずだ。 だが、そんな事よりも気になる事があった。

 

「いえ、大した事はしておりません。 ところで、聞きたいことがあるのですが……」

 

「心配せずとも、ブランはコンパさんに看病するように頼んでいますわ。 看病、と言っても命に関わる程では無いようですのでご心配なく」

 

「……あの、何で僕の聞きたいことが分かったのでしょうか?」

 

「同じ侍従を従える主人ですから分かるのですよ。 今のあなたは、主人の事が心配で心配で堪らないと言うのが顔に出ていますわ」

 

そう変わらず微笑み続けるベール様に、この人は苦手なタイプかもしれないと心の中で思った。 と、その時反対側から突つかれた感触を感じ、そちらに視線を向けるとネプテューヌが何故か不機嫌そうに僕に肘で小突いていた。

 

「2人とも、お喋りをしている場合じゃないわよ」

 

ネプテューヌが指差した方に視線を向けると、マジェコンヌが怒りの形相で鎌を構えてこちらを睨んでいた。

 

「……うん、そうだね」

 

「そうでしたわね。 では、今すべきことを果たしましょう」

 

確かにネプテューヌの言う通り、ブランさんの無事が分かった今、やるべきことは別にあるようだ。 僕は皮のグローブの位置を整えて構える。 ネプテューヌとベール様も各々の得物を構え、切っ先をマジェコンヌに向けていた。

 

切っ先を向けられたマジェコンヌはそれに対して怖気づく事無くベールたちに叫ぶ。

 

「ふん。 死にぞこない共が! 今の貴様らなど、この状態で十分だ!」

 

この状況でもこんなセリフを言えるマジェコンヌの度胸には感心する。 だが、だからと言ってマジェコンヌの所業を正当化できる訳でも無い。

 

「もとより逃がすつもりなんてないさ。 覚悟しろよマジェコンヌ!」

 

この言葉と同時に、僕たちとマジェコンヌは一斉に飛び出した。

 


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