超次元ゲイムネプテューヌ 雪の大地の大罪人   作:アルテマ

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第54話 事態が最悪に繋がる理由

何故か俺は教員室に呼び出され、今ここで担任の先生に怒られていた。

 

 

理由は自分の同級生3人に暴力を振るい、怪我をさせたこと。

 

 

正直に言うと俺にはここで怒られる理由が全く分からない。そいつらは俺をいじめをする連中の主な主謀者達であった。

 

 

いつもの通りに俺でストレスを発散するように数を集めて俺を囲って殴る蹴るの暴行。その時はご丁寧にも傷が目立たないように、暴行する場所を腹や服の上からするのだ。

 

 

いつもだったら適当に耐えているとこだったが、何がきっかけだったのだろうか、気がつけば俺を囲っていた奴らの多くはその場で呻いていたり、悲鳴をあげて逃げて行ったりする奴が殆どだった。

 

 

だがしかし、俺はこの事を起こした元凶として反省を求める教師が理解できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

だって同じことを……いや、やられたことを何百分の一にも満たないことをやり返しただけなのに、咎められる道理など無いだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マジェコンヌとブランたちの戦闘は一方的な物だった。

 

勿論、ブランたちが一方的にマジェコンヌを押していると言う意味だ。

 

「やあっ!!」

 

戦闘が始まった時から、手加減は無用と既に女神化をしたネプテューヌは、両手に持つ紫の装飾が施されている機械じみた刀を袈裟斬りでマジェコンヌへと振り下ろす。 肩の真上までに迫っていた刃をマジェコンヌは後ろへ飛び、それを避けた。

 

「はあっ!」

 

その避けた瞬間を狙いアイエフは、マジェコンヌの横からカタールの装備された拳をマジェコンヌへと叩き込もうと飛びかかる。 それも避けようとしたマジェコンヌだったが

 

「そこです!」

 

「っ、ちっ!」

 

巨大な注射器を肩に乗せ、その注射器から半液状の塊がアイエフの後ろからコンパにより射出された事に気づいた。 その塊が向かう先が、自分の避けようとした場所とも気づいたマジェコンヌは、毒づきながらアイエフの両手を鎌の枝で止め、コンパの射出した半液状の塊を受け流す。

 

「オラァ!」

 

マジェコンヌがアイエフの攻撃を抑えたことにより、ガラ空きになった防御を狙い、ブランがハンマーをしたから振り上げるようにマジェコンヌの体を打ち付けた。

 

「ぐっ!!」

 

これを避けることは出来ず、マジェコンヌは後方へと飛ばされ、ゴロゴロと地面を転がるも、マジェコンヌは無理矢理体勢を変えて転がる勢いを止めて立ち上がった。 口元には、一筋の血液が滴っていた。

 

ブランたちがマジェコンヌを圧倒している要因は、単純に数が多いと言うだけでは無かった。

 

戦いは何よりも数が重要だと言うが、単純な数だけで戦いに勝てるのなら、策を立てる必要などない。 どんなに数を揃えても、連携がマトモに出来ないのであればそれはただの烏合の衆と化してしまう。

 

その点、ブランたちの連携、主にネプテューヌ・アイエフ・コンパの3人の連携は素晴らしい物だった。 ネプテューヌが敵へと切り込み、アイエフは敵を逃がさないように回り込み、コンパはそんな2人をサポートする。 プラネテューヌで出会った3人はこれまで何度も3人で戦闘をこなしたことにより、連携が完成の域にまで届いていると言っても過言では無いほど出来上がっているものだった。 ブランも、このリーンボックスでネプテューヌたちと共に戦闘をこなしたことにより、多少は連携の中に合わせられるようになっていたのだ。 ベールはまだまだネプテューヌたちとの戦闘回数が少ないため、連携に混じるのは難しかったが、ベールはその事をしっかりと理解し、サポートを主体として戦うように心掛けた。

 

何も考えずに数だけで押し切れる程、マジェコンヌは甘い敵では無い。 そんなマジェコンヌを、5人は見事な連携により圧倒していたのだ。

 

「……まさか、この私がここまで追い込まれるとはな」

 

口から流れていた血を乱暴にマジェコンヌは拭う。 そんなマジェコンヌにベールは自らの槍を突きつけて、降参するように言った。

 

「命まで取ろうとは思っていませんわ。 さあ、大人しくわたくしの力を返すのですわ」

 

そのベールの言葉に対し、マジェコンヌは意味深な笑みを浮かべる。

 

「ほぅ、さすが腐っても女神と言うわけか。 随分と寛大なのだな」

 

「皮肉のつもりでしょうが、わたくしには褒め言葉ですわよ」

 

マジェコンヌの皮肉に対して、ベールはしれっと受け流すどころか、逆に皮肉を返す。 最初に皮肉った方と言えば、それを聞いてあからさまに表情を歪めた。

 

「はっ! それこそ私への皮肉のつもりか!? だがな、私の本当の力を目のあたりにして、いつまでもそんな強がりを言えると思うなよ!」

 

マジェコンヌの、ネプテューヌたちにとってはそんな強がりにしか聞こえない言葉に対し、ブランは姿こそ女神化前だが、口調は女神化中のものと同じであり、スイッチが入りっぱなしな状態で鼻で笑った。

 

「フンッ! 典型的な悪役の台詞だな。 脅しなら通用しねぇぞ!」

 

再びハンマーを構えるブラン。 それに合わせてネプテューヌたちもマジェコンヌへと武器を構える。 しかし、多くの武器に切っ先を向けられているにも関わらず、マジェコンヌは焦る様子も無く、それどころか不敵な笑みさえ浮かべていた。

 

「ならば貴様らに1つだけ忠告しておこう。 どうせ、貴様らはここで私に殺されるのだからな」

 

余裕そうに、得意げに言うマジェコンヌは言葉を続ける。

 

「貴様らはな、詰めが甘いのだ。 そして、貴様らのような詰めが甘い人間は、その甘さゆえに窮地に陥り、貴様らにとって最悪の事態に繋がってしまうのさ」

 

「……何が言いてぇんだ」

 

回りくどい言い方にブランは苛つく。 苛ついた故にブランはマジェコンヌにその言葉の真意をさっさと言うように求めた言葉にさえ、マジェコンヌは流すどころか、律儀に答えていた。

 

「この状況で言えば、貴様らは最初から私を、それも殺すつもりできていれば、私に殺られる事も無かっただろうになぁ……」

 

「……そうまでして、まだ自分には隠された力があるだなんて言いたいの? 無駄な事はやめて、降参しなさい」

 

ネプテューヌはここまで強がりを言えるマジェコンヌに対し、呆れを通り越して感心さえしていたが、それとこれとでは話が違う。 早く投降するようにマジェコンヌに言った。

 

マジェコンヌはそんなネプテューヌたちに対し、いつまでも自分の求めるリアクションをせず、強がりと勘違いをしているネプテューヌたちに対し、我慢しきれなかったかのように獰猛な笑みを浮かべた。

 

「ここまで言っても分からないなら教えてやろう! 貴様らは、()()()()()()()()()()()もう忘れたのか!」

 

「! まさか!?」

 

いち早くマジェコンヌの言わんとすることに気付いたような言葉を言ったのは、もう誰だか分からなかった。 その言葉をマジェコンヌは聞いた瞬間、浮かべたいた獰猛な笑みをさらに強く歪めたと思えば、突如眩い光に包まれた。

 

マジェコンヌを覆う光と、その光を囲うように回る幾何学的な文字の羅列。 その場にいるネプテューヌたちはこの現象がどんな現象であるのか、何度も見て、あるいは実践していたために知っていた。

 

マジェコンヌを覆う光が一際強くなり、やがて爆発するように光子が辺りに飛び散る。 キラキラと光りながら舞い散る光子の中にいたのは、緑の髪をポニーテールで結わえ、白を基調とし、所々肌が露出しているレオタード、そのレオタードを押し上げて存在感を誇張している胸を持つ女性が立っていた。 その姿を目にし、ベールは驚きを隠せなかった。

 

「そ、その姿は……!」

 

その美しい女性の姿が何であるか、ベールが一番知っていたのだ。 見間違える筈が無いその姿は、自身が女神化した時の、『グリーンハート』の姿だったのだから。

 

ベールの反応を見た、その女性は外見にそぐわない程の歪んだ笑みを浮かべて言った。

 

「御名答! 貴様から奪った女神の力を使わせてもらったのだ! さあ、自らの力に滅ぼされるがいい!」

 

女神化したベール、『グリーンハート』の姿のマジェコンヌは、自身の身長よりも長い緑色の槍を装備し、切っ先をネプテューヌたちへと向けた。

 

 

 

 

 

 

目を開けなきゃいけない。 自然に眠った時とは違う、深いまどろみの中で僕はそんな事を思った。

 

まだ眠っていたい衝動が沸き立つが、それを振り払うように瞳をこじ開けた。

 

そこで気付いたのだが、体が上手く動かない。 少し動こうとするにしても、それなりの重さの鉛を体にひっつけられ、それを引きずるような感覚だった。

 

それでも、僕は痺れるような体を動かし何とか上体を上げた。

 

起きなきゃいけない。 何の根拠もないが、そう思ったのだ。

 

ボヤける視界を瞬きして無理矢理ピントを合わせる。 どうやら、ここは誰かの部屋であるようで、僕はその誰かの部屋のベッドで寝かされていたようだ。

 

でも、今はどうでもいい事だ。 僕はベッドの掛け布団を退けて、マットレスの上を引きずって足を下ろし、ベットから立ち上がろうとしたが、ずっと寝ていたせいか足元がおぼつかず、手をベットへと着けてしまった。

 

どうして僕は生きているのか、どうして僕はベッドに寝かされていたのか、誰が助けてくれたのか、この部屋の主は誰なのかだとか、後で考えて、後でお礼を言うことのできることは、今この瞬間だけはどうでも良かった。

 

行かなきゃいけない。 根拠もないそんな思いが、僕の心中を占めていた。

 

ベットに着けている手に力を入れ、何とか立ち上がり、ふらつく足で部屋の外へと向かう。

 

行く場所がどこだなんて分からない。 だけど、僕が向かうべき方向は何となく分かる。

 

それはきっと、さっきから熱を放っている左腕のお守りが教えてくれるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

マジェコンヌとネプテューヌたちとの戦況が変わるのに、それ程時間はかからなかった。

 

槍を構え、プロセッサユニットのウイングパーツを用いて突進するマジェコンヌ。 その切っ先が向けられているのはブラン。

 

「くっ!」

 

ブランはマジェコンヌが接近してきたのを察知して、立ち膝から急いで立ち上がりハンマーを構える。 が、既にマジェコンヌは目の前にまで迫っていた。

 

「オラ!」

 

放たれた槍の突きをハンマーの頭部を盾にして何とか防ぐが、ハンマーを抑える両手に凄まじい衝撃に襲われる。

 

「っ! 重、すぎる……!」

 

加えられる力にブランは耐えられず、盾にしていたハンマーを腕ごと打ち上げられてしまった。 その瞬間を逃さず、マジェコンヌは不敵に笑い、槍をブランへと叩き込む。

 

「プープルアセンスバースト!」

 

「うぐぅっ!!!」

 

放たれた槍の連撃を今のブランは防ぐ手段を持っておらず、まともに全ての攻撃を食らってしまう。 最後に蹴り飛ばされ、ブランは地面に着くこともなく後方の木の幹にまで吹き飛ばされる。

 

「! ブラン!」

 

吹き飛ばさたブランを見て、これ以上の追撃を防ぐためにもベールは手に持つ槍を一振りし、回転させた。 瞬間空中にに魔法陣が発生し、描かれた魔法陣の中からベールの持つ槍とは別の槍が姿を現した。 その槍の切っ先はマジェコンヌへと向いている。

 

「シレットスピアー!」

 

ベールが叫んだ瞬間、その槍は魔法陣から勢い良く射出された。 槍に纏わり付いている風が地面の草を揺らしながら、マジェコンヌへと迫る。

 

「フン」

 

対するマジェコンヌはベールの攻撃に対して馬鹿にするように鼻で笑うと、自分の手に持つ槍をたった一振りした。 瞬間、ベールの放った槍の向かう軌道上に、全く同じ魔法陣が対をなすように現れた。

 

「シレットスピアー」

 

そして魔法陣から放たれる槍は、ベールの放った槍を簡単に押しのけ、勢いを殆ど緩めぬまま突き進む。 槍に纏わり付いている風が地面の草を切り裂きながら、先ほどのベールの放った槍と全く同じ軌道上を反対方向に進むその槍は、当然ベールへと切っ先が向けられていた。

 

「なっ!?」

 

簡単に自分の技があしらわれた事に驚愕し、ベールは回避が遅れてしまい槍を一撃をその身に受けてしまった。 辛うじて防御をし急所は守ったが、槍の勢いに吹き飛ばされた。

 

「はあっ!!」

 

マジェコンヌの隙を突くように、紫の機械剣を大きく構え、空中に飛び上がりマジェコンヌへと高速で肉迫するネプテューヌ。 対してネプテューヌの方へと振り返ったマジェコンヌに焦りはなく、あるのは先ほどから浮かべている余裕めいた笑みだけであり、その余裕が嘘で無いことを証明するようにネプテューヌの攻撃を最低限の動きだけで簡単に受け流した。

 

「ふんっ!」

 

「っ!!」

 

受け流したことにより背中がガラ空きのネプテューヌに対し、マジェコンヌはお返しとばかりに槍を突く。 それをネプテューヌは手に持つ機械剣の装備を解除し、女神化前に装備していた巨大なバスタードソードに急遽切り替え、振り返って槍を防いだ。

 

実はネプテューヌたち女神は女神化の際に専用の武器を使うことも出来るが、この時女神化前に装備していた武器も共有して使えるのだ。 その際、その武器には各女神に対応した装飾が自動で施される。 ネプテューヌが森クジラとの戦いの際、バスタードソードに紫の装飾が施されていたのはこのためだ。

 

刃の大きなバスタードソードに切り替えた事により、間一髪で槍を防ぐ事が出来たネプテューヌ。 機械剣ではこう上手くはいかなかっただろうと、ネプテューヌは安堵したが、その安心も束の間であった。

 

「はぁ!!」

 

マジェコンヌは防御された槍を引き、再び槍を突いた。 瞬間、バスタードソードの刃からピキッと嫌な音が響いた。

 

「! くっ!」

 

ネプテューヌは槍を止めているバスタードソードに力を込めて無理矢理槍を押し返し、バク転をしてマジェコンヌから距離を取る。

 

地面へと着地し、ネプテューヌは右手に持っているやたらと軽くなったバスタードソードであったものを目の前に掲げ、唖然とする。

 

「! 私のバスタードソードが!?」

 

先ほどの槍の一撃は致命的であったようであり、無理矢理押し返した瞬間に槍によって入れられたヒビが一気に広がり、バスタードソードは使い物にならなくなっていた。 あっさりと武器が壊されてしまったネプテューヌに対し、マジェコンヌは鼻で笑って言う。

 

「ハッ! そんな量産型の武器如きが、一級品である女神の武器に劣るわけが無いだろう。 初撃を防げただけで奇跡だ」

 

馬鹿にするように言うマジェコンヌに、ネプテューヌはきっとマジェコンヌを睨みつける。

 

「この武器、結構高かったのよ! どうしてくれるのよ!」

 

「ハッ! 私の知ったことでは無いわ」

 

「! もう絶対に許さないわよ!」

 

武器を壊されたことにご立腹のネプテューヌに対し、マジェコンヌは一言で切り捨てたことに更にネプテューヌは腹を立てた。

 

「何でこんな時に、あんな事で怒るんだか……」

 

「ねぷねぷは変身してもねぷねぷなんですねぇ……」

 

武器を壊されたことに対し、必要以上に怒るネプテューヌにアイエフとコンパは呆れたが、すぐに自分たちも己の得物を構え、準備を始める。

 

ネプテューヌがバスタードソードの残骸を捨て、紫の機械剣に切り替えてマジェコンヌへと突っ込んだのとほぼ同時にアイエフもマジェコンヌへと駆け出す。 コンパは注射器を肩に乗せるように持ち、マジェコンヌへと針を向けていた。

 

ネプテューヌは再び機械剣を大きく構え、マジェコンヌへと振り下ろす。 それをマジェコンヌはそれを一歩下がっただけで避け、槍を突き出しカウンターを狙う。

 

「甘いわよ!」

 

たが、ネプテューヌはそのカウンターを予想していたかのように体勢を下げて避け、片手で槍の柄を掴み取った。

 

「もらった!」

 

その隙を逃さず、アイエフはカタールを装備した拳をマジェコンヌへと叩き込もうと跳び上がっていた。

 

マジェコンヌは今武器を抑えられ、身動きが取れない。 アイエフの攻撃を避けるには武器を手放さなければならない。 ここで一撃を与えるか、仮に避けられたとしても武器を取り上げることが出来ると、アイエフたちは考えていた。

 

だが……

 

「フン」

 

マジェコンヌは一つ笑うと蹴りを一発姿勢を低くしていたネプテューヌへと入れた。 ネプテューヌはその一撃によろめき、それを逃さずマジェコンヌはネプテューヌごと槍を持ち上げ、飛び上がり迫っていたアイエフへと槍を振り、横に薙いだ。

 

「キャッ!!」

 

「あうっ!!」

 

「あいちゃん! ねぷねぷ!」

 

アイエフはネプテューヌ諸共吹っ飛ばされ、2人纏めて茂みに投げ込まれてしまった。 予想外の事にコンパはアイエフとネプテューヌの安否を確認しようとするが

 

「シレットスピアーズ!」

 

「! きゃうぅぅ!!!」

 

ベールへと襲いかかった槍と同じ技がコンパにも襲いかかってきた事により、ネプテューヌとアイエフへと注意を向けていたために回避が間に合わず、マトモに槍をうけて吹き飛ばされてしまった。

 

「……」

 

マジェコンヌは辺りをぐるりと見回す。 視界に映るのは、地面に膝を着き、何とか立ち上がろうとしている女神たち。 それを見たマジェコンヌは、それらの事をしたのが自分だと思うと、ニヤリと笑うのを止められなかった。

 

既に戦況は拮抗どころか、ネプテューヌたちが圧倒され始めていた。 それはマジェコンヌの素の力の大きさと、女神の力が合わさって1人1人とのスペックの差が大きくなってしまったと言うのもあるが、他にもある。

 

まず、1つに武器の相性と言うのがある。 例えば、ネプテューヌの持つ『剣』と、現在グリーンハートの姿をしたマジェコンヌが装備している『槍』とで比べた際に、どちらの武器が強いかと言われれば、『槍』に軍配が上がる。 同じ女神であるネプテューヌが女神の力を行使するマジェコンヌに圧倒されている理由に、この武器の相性によるものも1つの要因なのだ。

 

そしてもう1つが、マジェコンヌが多対一の戦闘に慣れているということだ。 ネプテューヌたちは確かに素晴らしいコンビネーション力を発揮しているが、マジェコンヌはそれにつけこみ、ネプテューヌたちのコンビネーションのリズムを妨害しているのだ。 マジェコンヌはこれまで何度も多対一の戦闘を繰り返して来た。 だからこそ、ネプテューヌたちのコンビネーションにつけ込むことが出来るのだ。

 

「……ククク……」

 

マジェコンヌは笑いを堪えるように、しかし堪えきれないように微かに笑い声を漏らしていた。

 

「クハハハハ……、ハーッハッハッ!!」

 

やがて耐えきれなかったかのように、天を仰ぎ、馬鹿笑いするマジェコンヌ。 ネプテューヌたちはそんなマジェコンヌを悔し気に見ていた。

 

目の前に現れた高い壁が、ネプテューヌたちに襲いかかっていた。

 

 

 

 


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