めだかボックス?知ってる、主人公チートの漫画だろ? 作:慧都
今回はめだかちゃんパートです!!
黒神めだかは『異常性』を持っている
そんなことは生まれた時から分かっていたし、この力は何のためにあるのかと考え、悩んだこともある
自分で言うのもなんだが、私は「一を聞いて十を知る」をすることのできる人間だった
家庭教師に教わったことは二度と忘れなかったし、長年誰も解けないため懸賞金のかかった「ミレニアム懸賞問題」なんてなぜ解けないのかわからなかった
だって「基本を学べば誰にでもできる」のだから
そんな自らの道を見出すことのできない「黒神めだか」に価値を与えてくれたのは、「人吉善吉」であった
『見知らぬ他人のために生まれてきた』、ああそうかもしれない
私に与えられた使命というのは、この『異常性』をもって生まれた理由は、『誰かの役に立つ』ためなのだ
そう認識した後、どうすれば『誰かの役に立てる』のかを考えた
悩んで悩んで、悩み尽くした
しかし答えは出なかった、「基本」を知っていればなんでも解決できると思い込んでいた私はここで大きな壁とぶつかることになる
そんな悩みも善吉は何でもないことのように解決した
「めだかちゃん、『ヒーロー』になればいいんだよ!!」
目から鱗が落ちた、なんてことだ
『ヒーロー』、『英雄』、つまりは『正義』である
ああ、なんてわかりやすい目標であることか!!そんな答えにたどり着くなんて善吉はなんてすごいやつなんだろうか!!
その時から私は『正義』を志し、『見知らぬ誰か』のために生きることを目的とした
そして中学で出会ってしまったのだ『善』の体現者に・・・
その人のやることには全て『理念』が通っていた
全ての行動に説明がつき、自分の意思を関与させず、他人のために行動を行う
だからその姿に見とれ、憧れた
私は精神が未熟だから行動に意思や感情が関与してしまう、いくら観察しても『模倣』することができなかった
だがそれでいいとも思った、私が目標とした存在が近くにいるというそれだけで、私は『他人の役に立てている』気がしていたのだから
その存在とはご察しのとおり『球磨川怜』先輩のことだ
奇しくも同じ『球磨川』でも『球磨川禊』には嫌悪感しか抱くことはなかったが
ある日、ふっと先輩は姿を消した
『球磨川禊』が退学した次の日から、まるでいなかったかのように
一時期取り乱したが、先輩が私の頑張りを見ているのだと思い努力した結果、この箱庭学園では生徒会長を務めさせてもらっている
先輩から学んだ『善』を、『正義』を行っていた、はずであった・・・
だが、今回の件において――――便宜上『VS風紀委員』とでも言っておこうか――――では風紀委員による生徒会メンバーに対した過剰なまでの風紀執行を目撃し、その首謀者である風紀委員長『雲仙冥利』に対してこちらもまた過剰な暴力をふるったのだ
しかも、それを『善』の体現者たる先輩にまで見られてしまった
その私に先輩は一言もかけることなく、雲仙風紀委員長をもって去ってしまった
私が一時の感情に動かされ『乱心モード』、つまりは怒りの感情のみで行動した結果なのだから当然だ
簡単に結果だけを述べるとするならば、私は『見限られた』のだ
あの瞬間、『球磨川怜』という『善』の体現者に、『黒神めだか』という存在は『悪』に認定されたのである
『善』と『悪』は対義語で、『悪』と『不義』は同義語で、『不義』と『正義』は対義語だ
つまりはこの瞬間、私の存在意義である『正義』は崩れたといっていいだろう
誠に自分勝手であるが、『正義』でない生徒会に皆を誘うわけにもいかない
それに気付いてしまったのだ、雲仙冥利風紀委員長との対決で私には皆を守るどころか危険に近づけることしかできていないのだと
・・・だから、私は生徒会を解散する、私という『悪』と一緒にいて危険にあってほしくはないから
生徒会は私一人で、『見知らぬ他人のために』続けていこうと思う
それは、贖罪なのかもしれない
偽善でしかないのだと十分理解している
『悪』でしかない私が偽『善』などとは、的確すぎて泣けてくる
だからみんなには今日の放課後、生徒会室で解散を言い渡そう
私の自分勝手に、他人を巻き込むことなんて許されないのだから・・・
・・・皆は私を『仲間』だと言ってくれた、他人じゃないと怒ってくれた
他人を危険に巻き込むのではなく、『仲間』と危険に立ち向かうのだと笑った
私は偽『善』かもしれないが、それでいいのかもしれない
私の『仲間』は『善』であるから、私が偽『善』でも『善』を執行しているのかもしれない
安心した、心が落ち着いた、不安が薄らいだ
私の存在意義である『見知らぬ他人のために生まれてきた』ことと、目標である『正義』は歪んでしまったが方向は間違っていないのだろう
涙を拭くのだ『黒神めだか』、私は、私には『仲間』がいるのだから
さあ、生徒会を執行する!!
なんかおかしいな、と思ったら教えていただけると幸いです
さて、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
私は最近電車の中で寝てしまうことが多く、小説を書く時間があまり取れません・・・
最初この小説は息抜きでスマホをポチポチしてたらできたものです(´Д`;)
それを楽しみにして下さる方がいて、わざわざ感想なんて書いてくれる人がいて、とても嬉しいです!!
これからも不定期かつグダグダ稚拙な文章を並べていきますが、楽しんでいただければ幸いですm(_ _)m