めだかボックス?知ってる、主人公チートの漫画だろ?   作:慧都

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リクエストが来ていたので急遽短時間で書き上げました!
遅くなり申し訳ありません(>_<)

生きていますが時間が取れません…
不定期更新なのでご理解下さい(>人<;)


『勘違い』と認識

 

校舎が崩壊して一ヶ月が経った

すでに学校は以前のような状態に戻り、建設会社の技術力の高さに驚くばかりだ

教室に入ると、高校生らしからぬ大柄な筋肉が腕を組み椅子に座っていた

無視して自分に割り振られた席に座ると鞄から本を取り出し、開く

本と言っても参考書の類いではなく、先程コンビニで買い求めた漫画雑誌ーーーージャンプである

すでに高校の学習内容は習得済みな玲は毎週月曜日の1限だけはこれを読むと決めている

 

(たまにある休刊日は機嫌が悪くなると安心院なじみが言っていたが本当かどうかは定かではない)

 

校舎が崩壊して復旧作業が終わるまでの間、臨時教室として全学年13組生は図書館が解放されていた為、黒神めだかに説明する機会があるかもしれないと思っていたがまさか入院するとはな

昔なら無理してでも登校して1日2日で完治していたというのに

黒神めだかも人の子だったということか

 

さて、今週のジャンプも面白かったことだ我は我のやることをするとしよう

 

鞄からノートを取り出す

そのノートの題名は『思春期における脳の異常発達と起こり得る奇跡』、簡潔に言うならば異常性と過負荷についての考察レポートである

 

誰よりも多く《それ》に関わってきた玲だからこそ、一般人にも対応できるようにと書き始めたものだ

内容は人吉善吉の母、人吉瞳が 10年前欲していたものであるがいまは誰が求めているのだろうか

愛すべきモノの役に立てばいいが

 

「………」

 

「なんだ君は、我のノートを凝視して。いつものように座っていたらどうだ?」

 

気がつけば筋肉ダルマが正面からノートを見ていた、邪魔にならないから構わないが正直視界に入るだけで気分がよくない

 

筋肉ダルマは声をかけられたことに驚き、尋ねてきた

「お前は俺が見えるのか?」と

 

ふむ、我は見えてはいけないものを見ていたらしい

筋肉ダルマの幽霊とはな

 

「幽霊じゃねぇ、俺は前生徒会長日之影空洞だ。」

 

前生徒会長?

ああ、《知られざる英雄》だったか

個人で軍隊と戦えるとかいう、バグキャラだ

 

見えてたから気づかなかったよ

 

「見えてたのか!なら3年間同じ教室にいるのに何故声をかけなかった!!」

 

煩いぞ、筋肉ダルマ

関わるな

 

取り出したばかりのノートを片付け、鞄を持ち席を立つ

こんなに煩い奴だったとはな

今後とも関わりたくない

 

「ちょっと待てよ、球磨川玲。気づいていたなら話が早い、聞きたいことがあったんだ」

 

肩を掴んできた筋肉ダルマの肘のある一点を軽く叩く、それだけで手は離れた

 

ファニーボーンという神経が浅い位置に集まる所は、軽い刺激で手の薬指と小指にかけ一時的な麻痺を発生させる

昨日安心院なじみが言っていたことだ

 

そして、《知られざる英雄》を自分に追記し認識の外へ

これで追ってくることは無く、今後関わることも無いだろう

なかなか使い勝手のいい異常性だ

 

さて、教室にはいられなくなったことだし研究室に行くとしよう

学生が授業時間に学外へ出るのは禁止だからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一ヶ月前、黒神めだかとの戦いの途中俺は誰かに気絶されられた

風紀委員長の俺様が、風紀を乱す生徒会を粛清しようとして化け物女に止められたのは分かる

どんな道具も黒神めだかを倒す手段になり得なかったのは、こちらの計算ミスだし、何より自分が黒神めだかより弱かったからだと納得できる

 

だがな、あの男だけは理解できねぇ

気絶する前の黒神めだかの一撃、あれは人一人殺すのは訳ねぇ威力を持ってた

それを在ろう事か受け流したあの男、底が見えなかった

受け流すってことは簡単じゃねぇ、力のベクトル、人間の構造、地形の起伏、他にも細かく考慮しなきゃならねぇことがある

超躍弾を使う関係上、俺もある程度の計算や予測はできるがあれほど見事に受け流すことは不可能だ

 

俺が黒神めだかの一撃を受け流したとして、上手くいって80〜90%だ

だがあいつは99%、もしかしたら100%受け流せてたかもしれねぇ

 

あんな化け物が知らねぇうちにいたとはな、名前は…そう

 

球磨川玲

 

って言ったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めだかちゃんは今日も生徒会室で空を眺めている

 

あの戦いから約一ヶ月、傷自体は一週間程で完治しためだかちゃん(そもそもあれほどの怪我を一週間で治る方がおかしいだろ!!!)だが、本人の意思で病院に留まることを選んだ

その間生徒会執行は三人で行い、何事もなく日々を過ごしていたんだが……

 

「生徒会を解散する!?何バカなこと言ったんだよめだかちゃん!!」

 

「そうだよ、黒神さん。なんで急に解散なんて!!」

 

「めだかさん、本気で言ってるんですか!?」

 

病院を退院しためだかちゃんに生徒会解散を言い渡された

当然俺たちは反対だ

めだかちゃんを1人にしておくなんて出来ない!!

あの戦いで俺たちはそう決めたんだ

 

それに、球磨川さんにも頼まれた

めだかちゃんをよろしくってな!!

 

めだかちゃんの弁では、みんなを巻き込んで危険に晒すから解散する、って言うんだが

 

めだかちゃん、お前、馬鹿だろ

俺たちは好きで黒神めだかの側にいるんだよ!危険だから?巻き込まれるから?

カッ!!!上等!!友達の危険に巻き込まれるなら本望だぜ!!!

 

阿久根先輩も喜界島も同じような事を言って、めだかちゃんが号泣した

………俺たちもつられて泣いたのは秘密だ

 

まあ、そんなことがあって生徒会は更に絆を深めたんだ

 

え?それのどこが理由何だって?

…落ち着いて聞けよお前ら、ここまでは前語りってやつさ

 

さて、めだかちゃんが空を眺めている理由何だが…

 

もうとっくにご存知なんだろ?

球磨川先輩の事だ

 

あの戦いで球磨川先輩に会っためだかちゃんは、理由がどうであれ暴力を振おうとしている瞬間だった

球磨川先輩は全て知ってたんだろうが、めだかちゃんからしてみれば晴天の霹靂、まずいと思ったんだろうな

 

めだかちゃんにしてみれば、『善』の体現者に『悪』を見られたと思ったんだ

 

 

そして先輩は、めだかちゃんに一言もかけず雲仙先輩を保健室に連れて行った

ここで勘違いは決定的になったわけだ

 

さらにお見舞いにも来てくれなかったから、完全に見放されたと思ったんだろうな

先輩はそもそも病院知らないし、めだかちゃんは無遅刻無欠席が当然だったから学校に来てると思ったらしいけど

 

まあ、そんなボタンの掛け違いでこんな状況になったってわけだ

 

俺が何度も訂正入れてるのに、都合の悪いように解釈して、思い込んでるのなら会いに行って誤解をとけばいいものを、探しても見つからないからとああして空を眺めているのさ

 

はぁ、先輩が来てくれればいつものめだかちゃんに戻るんだろうけど…

 

 


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