めだかボックス?知ってる、主人公チートの漫画だろ? 作:慧都
またもや短時間での書き上げなので、矛盾や思った事があれば教えて下さると嬉しいです
さて、またも時間は飛んで現在校舎が1人の少女によって動かされようとしている
その少女とはかの有名な主人公、黒神めだか
対する小学生はさっきまで調子に乗って黒神めだかの胸を揉んでいたというのに、いまでは驚き棒立ちになっている
小学生は小学生なりに頭を使って頑張っていたのだとは思うが、ある程度の頭脳プレイは圧倒的力の前では無策と同じ
小学生は普通の人間に比べて強い力を持っているけど、上位の存在には敵うはずもないのだ
ほとんど上位互換と言ってもいい黒神めだかに勝とうと思うなら、もっと策を弄するべきだったな
現実は何が起こるかわからないのだから
そして小学生、君の思考と行動は間違いじゃない
それは我が保障しよう
見下し性悪説とは、大いに結構
安心院の考えと似た部分があるし一つの真理と言えるだろうさ
だけど、拘束した少女の胸を揉むというのは悪の部類に入るんじゃないか?
小学生でも許されることはないぞ
引っ張られた校舎はあちこちにヒビが入って所々崩壊しているが黒神めだかはともかくとして、あの糸と校舎の壁はかくも耐久力の高いものなのか?
糸が強靭だと言っていたが、取り付けられた壁の設置点が耐えられた理由がわからないな
それが彼の異常性というのなら、使いこなせているようでなによりだが
しかし校舎を壊すとはやり過ぎじゃないか
これでは教育を受ける場所がなくなってしまう
それに、黒神めだかの紅い状態、スーパー野菜人状態では感情が危険な方向に向かうようだな、小学生が殺されてしまいそうだ
人吉善吉や破壊臣らが向かってるが……一応助けておくか
知らぬ仲でもないしな
ということで、振り下ろされる黒神めだかの拳と小学生の間に割り込むと力の方向を地面へと向けてやる
拳が地面にぶつかり軽いクレーターを起こすが、我と背後の小学生にダメージはない
呆然とした顔でこちらを見てくる黒神めだかだが、追撃をかけてくる訳ではなかったので無視して小学生と対面する
「誰だ、余計な事しやがって…」
煩い、黙って気絶していろ
軽く叩いて脳を揺らしてやると小学生が倒れる
保健室の方が端末がいる分後遺症が起こる確率が低いと判断し、保健室に連れて行くことにする
さて、どうしたものか
対面するのは2年半ぶりである黒神めだかと、人吉善吉、破壊臣
特に黒神めだかは面倒だ、こいつの行動力は眼を見張るものがあるからな
はぁ、憂鬱だ
黒神めだかにとっては晴天の霹靂であった
生徒会長になり、喜び勇んで情報を集めたが殆ど情報はなく、会いに行くと必ずいない(授業の時間は厳守しなければならないし、放課後すぐに向かっても教室はもぬけの殻だからだ)
同じ場所に存在しているのに会うことが出来ない、何も知らなかった中学時代に比べて場所がわかる分どれほど苦痛だったかは言うまでもないだろう
避けられているのだと一週間してから気付いた
自分は会えると浮かれていたが球磨川玲にとって、自分は会いたくない存在なのかと一人悩んだ
悲しかった、尊敬していた先輩に避けられるのは
しかし、善吉の言葉で考えが変わった
「先輩に避けられるのはめだかちゃんが追いかけるからじゃねーか?」
確かに、球磨川玲という人は探していても見つからず、見つかりたくない時に現れる不思議な人だった
つまり、いつか自分から会いに来る時を待つしかないのだ
その時恥ずかしい真似を見せることないよう精進しよう、そう思い目安箱を取り入れ24時間365日誰かのために働こうと決めた
そしていま、目の前に球磨川玲は立っている
何も言わず無表情で、ただ黒神めだかという存在を見ている
イケない
頭のわずかに残っていた冷静な部分が囁く
名状し難い感覚が体の芯を急速に冷やしていく、今自分は何をしようとしたのか
生徒会を執行、雲仙冥利を殴ろうと……
そう、雲仙冥利を殴ろうとした、顔を、この右手で思いっきり!?
スッと頭の血が下りる
雲仙冥利が自分の拳に耐えられたのは、彼の着る白虎《スノーホワイト》の性能故
ではそれで保護されていない頭に本気の一撃を加えたら…、最悪殺していただろう
「本当に、会いたくない時に来るんですね貴方は」
そんな言葉が口から漏れる
声が聞こえたのか聞こえないのか、球磨川玲は雲仙冥利の、襟足を摘み持ち上げるとゆっくりとどこかに立ち去った
何も言う事もなく、いや、言う価値すらないとでも言うように
黒神めだかと球磨川玲は再会した
しかし、その再会は望ましいものではなく最悪に近かった
人吉善吉は、球磨川玲を尊敬している
尊敬する人物は?と聞かれ一番に球磨川玲、二番に母親と答えるほどに
好きな人は?と聞かれた時、真っ先に思い浮かぶのは黒神めだかだ
愛おしく思っているし、隣に立って歩みたいと思う
しかし、黒神めだかの隣に自分は未だ立てていない
黒神めだかの本質は孤独である
なんでもできるが故に、誰かに頼る事はなく、仲間は必要ない
むしろ、仲間という存在は黒神めだかにとっては足枷でしかないのだ
雲仙冥利、風紀委員長である彼との戦いは終始お荷物であった
自分たちのせいで、めだかちゃんは傷つき、怒っている
それを自分は見ているだけ
カッ、こんなことじゃめだかちゃんの隣に立つなんて不可能だ
確かに強くなった、中学時代球磨川玲という尊敬する先輩に出会い体を鍛え、母さんに技を教わった
しかし、鍛えても鍛えてもそびえ立つ壁、そして強くなって感じためだかちゃんとの絶対的な差
その力を俺たちのために振るうめだかちゃんと、争う風紀委員長ーーー雲仙冥利
様々な道具を駆使し、文明の利器で黒神めだかという存在に立ち向かう(と言っても今回は襲いかかっているのだが)姿は少し眩しく思えた
俺なら同じ道具を使えばめだかちゃんと張り合えるのか?否、まともに扱えずやられるのがオチだ
その理由は雲仙冥利にはあって、人吉善吉にはないもの、それは『異常性』
普通の一般人である人吉善吉では立つこともできない領域
ハハッ、笑っちまうぜ
長い間目を逸らしてた現実に、こんなところで向き合うことになるとはな
めだかちゃんの隣に立つのは俺なんかじゃなくて、球磨川先輩みたいな…
そんなことを考えていたら、決着がつきそうだな
って、めだかちゃん何を!?
クソッ、変なこと考えてたから間に合わねぇ!!
阿久根先輩も喜界島も俺と同じように固まってやがる
やめろ、めだかちゃん!!
ドガァン
凄まじい音が響き砂埃が舞う中、必死に目を凝らすと爆心地に人影が3つ見える
めだかちゃん、雲仙冥利、そしてあれは…球磨川先輩!?
めだかちゃんの攻撃を止めてくれたのか
ハハッ、あの人が帰ってきたなら安心だ
俺なんかじゃなく、先輩ならきっとめだかちゃんを正しい方向に導き幸せにしてくれるだろう
俺がめだかちゃんの隣にいる必要もなくなったわけだ
先輩は雲仙先輩を猫のように摘み上げてこちらに向かってくる
そして俺とすれ違う瞬間
「黒神めだかには人吉善吉が必要だ、あとは頼んだぞ」
そう言って何処かへ行ってしまった
……カッ!先輩に頼まれたらやるしかねぇな
いつの間にか乱心モードが解けためだかちゃんをよく見ると相当傷ついてるみたいだな
それに、俺にしかできねぇ事がある
長年一緒の幼なじみが、先輩に指導を受けた俺だけができること。それは…
SEKKYOだ!!!
まずはめだかちゃんを病院に連れて行ってから、阿久根先輩と喜界島と話し合い、孤高で可憐な存在に俺たちだから伝えられることを伝えよう
めだかちゃんの隣にいること?
カッ!先輩に必要だって言われたらめだかちゃんに俺は必要な存在なんだよ!!
でも、球磨川先輩
後で話を聞かせてもらいますからね