めだかボックス?知ってる、主人公チートの漫画だろ?   作:慧都

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『初めて』と二度目

「……お前が何をしようとしてこの結果に至ったのかは理解した。それで、これから何をするつもりだ?安心院なじみ」

 

先とは違い、怒りのオーラが消えた玲が口を開く

その視線の先には当然安心院なじみが地面に正座している

 

………何故かいつぞやの猫耳尻尾を着けて

 

「僕としては君が怒り狂って無いことに驚きなんだけどね、殺されると思ってたんだけど」

 

「思うところがあったからな、で?なんでそんな格好をしてるんだ?」

 

「……普通の感覚だったら、僕のやったことは許されない行動だったんだろう?だとしたら許してもらう為に何でもしようと思ったのさ、僕も死にたくないからね」

 

 

 

色仕掛けでもなんでもしてさ

 

 

 

しょぼーんとしながら、服を脱ぎ出す安心院なじみ

その白い肌が照明の光を反射し、華奢な身体が見えそうになる

艶かしい鎖骨から着物がずり落ちそうになったその時

 

「……ネジで脱げない」

 

「この痴女が…」

 

大事な所で何故か抜けている安心院なじみの姿に、玲は手で目頭を覆うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が痴女で、やったことを後悔していて、償いのために何でもしてくれる痴女だってのはわかった」

 

「ち、痴女って言わないでよ!

死ぬくらいなら何かされて生き延びたいと思うのは当然のことじゃないか!?」

 

「黙れ痴女、腑引き釣り出すぞ?」

 

「 」

 

普通、あんなことがあれば修復不可能な程に憎むはずだが、生憎玲は普通ではなかった

 

周りの人間は路傍の石でしかなく、血のつながりからあった球磨川禊に唯一愛を注いでいた存在であったという知識はある

安心院なじみが憎むべき人間だという記憶もある

しかし大事であったはずの感情は無くなっていた

 

『姉弟でなかったことにした』

 

大嘘憑きは限定的に、しかししっかりと作用していたのだ

 

 

姉でなかったら、手を貸していなかった

姉でなかったら、守っていなかった

姉でなかったら、気にかけていなかった

姉でなかったら、愛を向けていなかった

 

 

所詮、球磨川玲の球磨川禊に対する愛というのはそういう類だった

 

姉弟愛

 

唯一血の繋がった姉弟だから自分は愛していたのだから

 

 

それを自覚させてくれたのは、安心院なじみなのだから殺すことはしなくていい

出来るのならば手元に置いて、未知を起こして貰いたいと思っている

 

 

それに

 

自分の同類など、全宇宙を探しても他にいないのだから

 

「よし、決めた。安心院、お前、俺のものになれ」

 

「わかっt………、ふぇぇぇ!?

ど、どうゆうこと身体が目当てなのこのケダモノでも玲だったら別にいいかもしれないって何言ってるんだろう僕はそうこれは強者に生かしてもらう代わりに身体を差し出すという等価交換から成り立っているから全く問題ないよねそうだよね僕は悪くないそんなこと言い出した玲が悪いんだよ僕が欲しいなんて言うからあれこれって僕大勝利ってやつじゃあでもただ単純に労働力としてかもしれないそれでも長い間一緒にいればチャンスあるかもしれない童貞だからもしかしたらころっといくかもああでも僕も処女だった普通の中には処女だとめんどくさいから要らないとかいう人もいるらしいけどどうしようだけどもしかしたら処女じゃないとダメっていう人の方かもしれないしああ僕はどうしたら」

 

「おい、黙れ痴女」

 

さて、これからどうやって生きていこう

 

目的も、意味もなくした自分は何もして生きていこうか

いや生きる意味もないのかもしれない

 

だけど、何か面白い事を探して生きて行くんだ

 

知らない事を探して

 

 


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