【完結】ダイスで生き抜け宇宙世紀、一年戦争編(ジオン) 作:小倉ひろあき
さて、前回からどれくらいの時間が進んだかチェックしましょう。
dice2d6で出た数字×週だけ進みます。
なぜ2d(ダイス2つ)かといいますと、最低保証を2にして少しでも時間を進めたいからなんですね。この時期は宇宙にイベントないんですよ。
dice2d6【4】
4週間、1ヶ月弱ほど経過しました。
今は8月末か9月頭程度だと思われます。
この間、情勢の変化はほぼありません。
強いて言うならゾックが完成したようです。
欲を言えばもう少し時計の針を進めたかったですね。
さて、モブくんの動向はどうなるでしょうか?
1~3、制宙権を維持するために地道なパトロールを継続
4、ルナツーで連邦の新型モビルスーツが開発されているようだ。偵察任務へ
5、新型機リック・ドムの先行量産機を実戦で運用評価せよ
6、チームで重力戦線へ
dice1d6【4】
おっと、この時期のルナツーに関わるようです。
⚫
「ルナツーへの偵察ですか?」
「ああ、どうやら先日拿捕した輸送艦の貨物の中に用途不明の機械部品があったようだ。これを連邦の新兵器開発と見た上層部はルナツーへの警戒を増したらしい」
ウレノ少佐の説明を聞き、ブランド少尉は「なるほど」と頷く。
連邦宇宙軍はルナツーに引きこもっており戦力の回復に専念している様子だ。状況を打破すべく新兵器の1つや2つは用意しているだろう。
「我々以外に赤い彗星も動いているらしい。事態は思ったよりも大きいかもしれん」
赤い彗星シャア・アズナブル。宇宙攻撃軍が誇るトップエースだ。
それを投入する作戦とは、それだけで上層部の本気がうかがえるようだ。
「あの赤い彗星のシャアがいるなら安心ですね」
「エスパーだって聞きましたよ。人類のニュータイプだって」
後ろでイテル伍長とスギウチ伍長がヒソヒソとムダ話をしている。
上官の前でなんたる態度だとブランド少尉は腹をたてるが『こんな状態で前線に出されているのだ』と考えるとため息しかでなかった。
⚫
原作スタートが9月半ばですから、そろそろ事態は前段階に入りつつあるようです。
ジオン軍がホワイトベースを捕捉するのは9月15日、シャアがサイド7でガンダムと交戦するのが18日になります。
ダイスの目がずれたらシャアと関われたかもしれませんが、ちょっとタイミング的に合わなかったかもしれませんね。
さて、ルナツーへ向かうパプワ級トマソンですが、現地での調査はどのようなものになるでしょうか。
ダイスで決めていきましょう。
数字が大きいほど危険も大きいです。
1、安全第一! 周辺宙域で監視
2、不審な動きを見張るぞ! 出入りする艦艇を監視
3、まあこのくらいはね、ルナツーに接近して監視
4、2匹目のドジョウを狙うぜ! 出入りする艦艇を攻撃
5、まず殴ってみるか! ルナツーへの威力偵察
6、虎穴に入らずんば虎子を得ず! ルナツーに潜入
dice1d6【2】
うーん……もうちょっと頑張って欲しかったですね。
しかし、作戦能力が高いモブくんですから、何かに気づいた可能性はあります。
次の選択肢は有利なやつを増やしてあげましょう。
1異常ナシ! 調査を終了します。
2、もう少し情報が欲しいな。ルナツーで監視を続行
3、ヒャア、ガマンできねえ! 出入りしている艦船を攻撃するぜ
4~6、妙だな? 輸送艦がサイド7に向かっているぞ。追跡しよう
dice1d6【6】
よーし、よしよし。
やっとストーリーに絡めるかもしれません。
⚫
ルナツー、周辺宙域。
パプワ級トマソンは少惑星帯に潜みつつルナツーからの艦艇を監視していた。
『輸送艦を発見しました、コロンブス級。サイド7方向のようです』
「了解、2番機は母艦に帰投せよ」
偵察中、イテル伍長が輸送艦を発見したようだ。
ブランド少尉はブリッジから帰投を指示し、艦長のウレノ少佐と向き合った。
「ルナツーは活発に艦艇が出入りしているようですね。地球からならまだしも、ルナツーからサイド7への輸送艦は不自然ではないでしょうか?」
「サイド7……何かあったかしら?」
ブランド少尉の言葉を聞き、ウレノ少佐はアゴに指をあてて首をかしげた。年のわりにあざとい仕草だが、容姿が美しいため妙に似合っている。
「建設中のコロニー以外は何もありません。ゆえに不自然なのです。ルナツーから軍用の輸送艦が出るのは何らかの作戦行動が進行していると考えられます。追跡を具申します」
サイド7はジオンからも『攻める価値がない』と放置されている。
連邦が何かを秘匿するにはうってつけだ。
「なるほど。イテル伍長の帰艦が済み次第、本艦はコロンブス級を追跡する」
ウレノ少佐の指示もさまになってきた。
美貌を活かして広報活動をメインにしてきたとはいえ、もともとは士官学校を卒業したエリートなのだ。
前線での経験が不足しているだけで能力が低いわけではない。
「トマソンでは対艦戦闘はできません。発見されたら退いてください。私は出れるように格納庫で待機します」
ブランド少尉はヘルメットのバイザーを下ろし、格納庫に向かう。
トマソンの格納庫は開閉式であるため、構造上気密性に難がある。
(メカニックも命がけで戦っている。パイロットだけじゃない)
格納されるザクIIを見上げ、ブランド少尉は「生き残れるさ」と小さく呟いた。
⚫
はい、それではコロンブス級輸送艦を追跡しましょう。
1~2、輸送艦はサイド7に入港。潜入調査へと移行する
3、輸送艦がサイド7に入港したのを確認したが潜入には失敗し、迎撃された
4、輸送艦がサイド7に入港したのを確認して引き返した
5、すぐに気づかれ、全速力で逃げきられてしまった
6、すぐに気づかれ、駆けつけた救援部隊に迎撃された
dice1d6【6】
おお、もう……これは残念な結果になりました。
潜入していれば天パの少年にパイプを引きちぎられたのはモブくんだったかもしれません(負け前提、あたりまえだよなあ!)。
さて、救援部隊に迎撃されてしまいました。
護衛の種類と数を決めましょう。
dice1d6を2回ふります。1つめのダイスが護衛の種類、2つめが数です。
1、連邦のモビルスーツ
2、トリアーエズ
3、セイバーフィッシュ
4、ボール(K型)
5、レパント級
6、サラミス級
dice1d6【4】【4】
今回は迎撃ですので、もう一回選ぶことにします
dice1d6【2】【5】
ボールが4機にトリアーエズが5機です。わりと力の入った迎撃のようです。
ちなみにモビルスーツの場合、出てきたのはザニーでした。
さて、dice1d12を互いにふり、出目で勝敗を決めたいと思います。
±2までは引き分け。
差が3~4は優劣がつきます。
差が5~6になると勝ち負け。
それ以上は大勝もしくは大敗です。
ダイス1回目がジオン軍、2回目が連邦になります。
dice1d12【4】【8】
4対8です。
かなり劣勢ですね。
ですが大敗ではないので全滅や母艦の撃沈はないくらいです。
1、一進一退で切り抜けた
2、1機に被弾
3、2機に被弾
4、3機ともに被弾
5、1機撃墜された
6、3機ともに被弾、さらに1機撃墜された
dice1d6【4】
数の差でしょうか、かなりやられてます。
ダメージを決めましょう。
3回ダイスをふり、モブくん、男の娘イテル伍長、エスパースギウチの順にダメージが決まります。
モブくんは防御力が高いのと、スギウチ伍長はニュータイプと機動力が高いので-1になります(最低保証1)
1~2、小破
3、中破、足がもげた!
4、中破、腕がもげた!
5、大破、たかがメインカメラをやられただけだ!
6、大破、動くのか?
dice1d6【3】【4】【1】
モブくん【小破】-1
イテル伍長【中破】
スギウチ伍長【小破】
⚫
「……感づかれたな。全機すみやかに発進せよ。敵は数が多い、トマソンに近づけるなよ」
ブランド少尉は小隊に指示を出しつつ計器を素早くチェックする。
『発艦準備完了、ブランド少尉、いつでもどうぞ』
上部ハッチが開き、オペレーターから指示が出る。
「システムはオールグリーン。モーリス・ブランド、発進します」
リフトからガチャリと切り離され、ザクIはふわりと浮かび上がる。
「チッ、どうにも……もう少しなんとかならんのか」
この独特の発艦にも慣れたが、いかにも無防備なだけにスクランブルには向いていない。
ブランド少尉はボヤキながら母艦との距離を計りスラスターを軽く点火する。
この数秒のタイムロスがもどかしいのだ。
「各員、敵は戦闘機にカンオケだ。戦闘機に夢中になりすぎてカンオケのキャノンをくらうなよ」
各機から『了解』と通信が入り散会する。
ブランド少尉とイテル伍長は正面から、スギウチ伍長は回り込むような機動でトリアーエズ編隊を迎え撃つ。
ザクマシンガンは対艦用の120ミリである。トリアーエズは掠めただけで無事では済まない。
自然と速度で勝るトリアーエズが距離をとり、牽制し合う形となっる。
「さすがに敵も慣れてきたってことだ!」
ブランド少尉からすれば距離を詰めたい。だが、後方のボールからの掩護射撃に体勢を崩され、うまくいかない。
ルウム会戦から半年、連邦もミノフスキー粒子下でのドクトリンを練り上げたのだろう。
トリアーエズがすれ違うたびにガインガインと機関銃で装甲を叩かれる。ダメージは軽いが実にうっとうしい。
『コイツらっ! ちょこまかと!』
「2番機、かまいすぎるな!」
経験の浅さゆえかイテル伍長がトリアーエズを深追いし、そこをボールの射線が集中する。
「2番機、回避運動をしろ!!」
回避運動が間に合わず、被弾したマシンガンが誘爆しザクIIの右腕が爆散した。
通信を通して「キャアア!」とイテル伍長の悲鳴が耳をつく。
「3番機! 2番機と下がれ! イテル伍長、まだやる気があるなら予備機と交換しろ!」
『――ッ! 了解しました!』
見かけは女性のようなイテル伍長だが、その闘志は激しい。
ただ下がれと言うよりも焚き付けたほうが退きやすいだろう。
『2番機も下がります! 隊長も!』
3番機が2番機を庇うようなポジションからマシンガンを乱射する。
それがかなり距離のあるボールに命中し、ボールを火球に変えた。
おそらくロックオンすらしていない威嚇射撃だが大したものだ。
(まぐれ当たりだろうが撃墜1だ。やるじゃないか!)
この一撃で敵に動揺が走り、ボールがさらに距離を空けた。
ここが潮時だ。
最後にブランド少尉はロックオンをせずマシンガンを乱射し、すぐさま敵に背を向けてスラスターを全力で吹かした。
「ふん、そうそう当たるものじゃないか」
弾丸が全て外れたのを確認し、ブランド少尉は苦笑をもらした。
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今回、モブくんたちが得た情報は
・ルナツーはサイド7方面に輸送艦を出している
・連邦はルナツー、サイド7間に即応できる戦力を展開している
前回持ち帰った謎のパーツと合わせれば上層部の判断材料にはなるかもしれませんね。
それでは今回はここまで。