入渠用の大浴場に提督が入るわけにはいかないので、その部屋には浴室もあります。
大浴場しか入ったことがない駆逐艦達は個人用のお風呂を持つ提督がちょっと羨ましいみたいです。
弥生「大佐の部屋ってお風呂があるの?」
提督「ああ」
弥生「弥生達が使ってるお風呂とは違うの?」
提督「個人用の風呂だ。普通の風呂だからお前たちが入っても傷とかは癒えない」
望月「ズルよね~大佐だけさ。わたし達は大人数向けの大浴場なのに」
提督「何を言うんだ。浴槽が広い方がゆっくり全身が湯に浸かれるし、一人じゃないから仲間と会話だってできるだろ」
提督「個人用の風呂はプライバシーが守られていいかもしれないが、それでも偶には俺も広い風呂でのんびり湯に浸かりたいと思う時はある」
秋雲「なになに? それじゃ大佐は秋雲達とお風呂に入りたいってこと~? セクハラじゃん♪ いいの?」
提督「明らかに悪戯を楽しむような顔をしてよく言う。誰がお前たちと入りたいと言った」
不知火「つまり一緒に入りたくないほど不知火達の事は好きではないと」
提督「あからさまな曲解をするな。その理屈だと好きなら一緒に入るのが当然みたいだぞ」
天津風「わ、わたしは別に......大佐がそうしたいなら......いいのよ?」
文月「わ、だいた~ん」ポ
提督「別に入りたいとは思ってない」キッパリ
天津風「ガーン!」
谷風「ちょっとぉ、そこは男らしく『お前となら......』と言うべきところじゃないですかねぇ♪」
提督「馬鹿者が。いいか? 軍人が、お前たちの上司が、しかも男が異性と一緒に風呂に入るなんて余程親密な仲か、混浴でもないと有り得ん」
雷「ふ~ん、じゃあ混浴ならいいのね」
提督「一緒に入っても大丈夫だと思える人ならな」
大潮「大佐は違うのですか?」
提督「違う。俺は夫婦くらいの仲でない限りそういうのは遠慮したい方だ」キッパリ
荒潮「大佐は私達駆逐艦は結婚の対象とは見てくれないのかしら~?」
提督「すまんが......子供は、な......」
菊月「私達も......成長すれば、それなりの女になるはずなんだが......な?」ボソ
提督「艦娘が成長して姿変わるというのは聞いた事がないが......」
暁「えぇ!? じゃあ暁たちは、ずっと真のレディになれないってこと?」
村雨「それは困るわね~」ニヤニヤ
白露「そうだねぇ。わたしもいつまでも子供のままは嫌だなぁ」フンス
夕立「夕立大人じゃないっぽい?」テンネン
時雨「僕もまだまだ子供みたいだ」シレ
長月「......なぁ。あの4人、明らかに私達とは違って、体が女らしいとは思わないか?」
子日「そういえば......そうかも」
五月雨「上位改装を受ける前とは明らかに姿が......というより、体が成長していると思います」
響「不公平だ......なんで響だけ......」ズーン
ポン
Z1「僕達もいるから」
Z3「非常に不本意だけどね」
島風「4人だけズル~イ!」
雪風「島風ちゃん落ち着いて。逆に考えるんです」
綾波「逆?」
雪風「はい、そうです。確かに子供の姿に近いわたし達とは結婚はし難いかもしれません。だけど」
黒潮「なんや?」
雪風「だけど、親と子供位の見た目の差なら逆に一緒にお風呂入っても問題もありません!」
漣「なるほど!」ポン
提督「なるほど、じゃない。問題大有りだ」
敷波「え? そうなの?」
提督「親子とかならまだしも、そうでもないのに幼子と一緒に風呂に入る大人なんて、今の社会では単に犯罪者予備軍としか見なされない」
叢雲「まぁ、そうでしょうね」
初春「大昔なら十二やそこらで結婚とかも有りだったのじゃがな」
提督「それとて限られた力ある者の、政略という形でのみ成立していた事柄だ」
若葉「世の中は......厳しいな」シュン
提督「いや、俺はこの程度の倫理は必要だと思うが」
電「電は......やっぱり、ちょっと残念なのです」
如月「これはばかりは仕方ないわよ。さぁ、皆今回は諦めて解散しましょう? 大佐も困ってるし」
駆逐艦一同「え~?」
如月「私に少し考えがあるの」ヒソ
不知火「! 仕方ありませんね。一同解散!」
駆逐艦一同「了解!」ビシッ
提督(やけに潔く引き下がったな。これは、何かあるか?)
~夜、執務室
提督「ふぅ......」ガラ
皐月「キャーー!えっちぃ!」ゼンラ
提督「 」
電「はわわ......み、見られてしまいました」ゼンラ
初雪「まぁ、大佐もわざとじゃないし。ハプニングなら仕方ないよね」ゼンラ
提督「......お前たち直ぐに服を着ろ。説教だ」
これは提督は悪くない! はず。
この後この3人と策を授けた首謀者はみっちりお説教をされたらしいです。