今日は誰もいないかと思いきや後ろから響に服を引っ張られました。
響「大佐」グイ
提督「ん」
響「前に、散歩に行くときは誘ってくれるって言ったじゃないか」
提督「お前が起きているとは思わなかったんだ」
響「響はずっと寝ないで待っていたのに」
提督「まさか毎晩か?」
響「流石にそれはないよ。大佐の足音がした時だけだよ」
提督「足音で誰か判るのか」
響「響き、だけにね」
提督「その名前、伊達ではなかったんだな」
響「いや……その、冗談だよ。分かってよ」
提督「そうか。じゃぁ、行くか?」
響「うん。今度はちゃんと誘ってよ?」
提督「ああ。寝息が聞こえなかったらそうしよう」
響「うん。それでいいよ」
提督「今日は、本当に二人きりだな」
響「うん。川内は寝てるよ」
提督「確かめてきたのか?」
響「ううん。雷と卯月の遊びに付き合って疲れたみたい」
提督「まさか、お前……」
響「さあ?」シレ
提督「まぁいい。さて行くk」クイクイ
提督「ん?」
響「手……繋いで欲しい」
提督「ああ、いいぞ」ギュ
響「ん……♪」
提督「嬉しそうだな」
響「割と……。この方が、いい」
提督「そうか」
提督「ここは日本と違って年中暑いから人によっては辛いかもな」
響「大佐は夏が好きなの?」
提督「暑いのが平気そうだからか?」
響「そう」
提督「平気というわけじゃないが、夏という季節自体は好きだからな」
響「そうなんだ」
提督「お前はどうなんだ?」
響「響?」
提督「ああ」
響「響は寒いの以外ならなんでも……」
提督「もしかして、ロシアの名前で呼ばれたがらないと関係があるのか?」
響「ん。他の鎮守府の響は分からないけど、やっぱり生まれ持った名前の方が響はいい」
提督「そうか」
響「それに」
提督「うん?」
響「こっちの名前の方が日本の艦って自覚できるから……」
提督「そうか」
響「あと」
提督「まだあるのか」
響「不死鳥という渾名も響は好きじゃない」
提督「ほう。それはまたなんで?」
響「もう響は沈まないし、沈まされることもないから」
提督「……」
響「信じていいよね?」
提督「その信頼、裏切るわけにはいかんな」
響「む。もっと優しく言って欲しい」
提督「優しく?」
響「そう。女の子に言うみたいに優しく」
提督「ふむ……」ポン
響「ん……♪」
提督「約束だ」ナデ
響「満点」
提督「それは、嬉しいな」
響「ご褒美に響のこと貰ってもいいよ?」
提督「お前は既にこの鎮守府の、俺の所有物だ」
響「わざと意地悪な言い方しないで欲しいな」プク
提督「ふっ、悪い。大事な子だ」ポンポン
響「むぅ……今は、それで満足してあげるよ」
提督「ありがとう」
提督「さて、帰るか」
響「もう?」
提督「涼しいが、夜風に当たりすぎるのも良くないからな」
響「そっか」
提督「ああ。お前にも風邪をひいて欲しくないからな」
響「なら仕方ないね。じゃあさ」
提督「ん?」
響「基地に帰るまでさ、今度は肩車して欲しい」
提督「なんだ。急に小さい子供みたいだぞ」
響「ちょっと高いけど、大人の視点で景色を見たいんだ」
提督「別に大人ぶらなくてもいいぞ?」
響「いいの。して?」
提督「分かった分かった。ほら」ヒョイ
響「わっ……高い」
提督「怖いか?」
響「ううん。気持ちいい」
提督「ならよかった」
響「大佐はいいな。こんな視点で世界が見れて」
提督「羨ましいか」
響「少しね。でもこの状態の方がいいこともあるよ」
提督「なんだ?」
響「……」グイ
提督「んむ……」
チュ
響「好き、有り」
提督「何か日本語が違う気がするが……全くませた子だ」
響「ふふ~♪」
秋雲好きなんだけど、響もやっぱり可愛い。