何故ボロボロなのかは敢えて聞かなかった提督ですが、彼女が手に持っていたある物に目を止めます。
彼女がソレを持ってきた目的とは?
提督「那珂」
那珂「なぁに? 大佐」
提督「それは何だ?」
那珂「人○ゲームだよ!」
提督「お前が玩具屋に買いに行っていた物はそれだったのか」
那珂「うん! そうだよ!」
提督「それがトップアイドルになる為に必要だというのか」
那珂「当然!」
提督「因みに訊くが、何故だ?」
那珂「トップアイドルになるためにはまず人生でもトップにならないとね!」
提督「それは玩具だぞ?」
那珂「運も実力の内なんだよ!」
提督(川内型はどうしてこう……神通が不憫だな)
那珂「どうしたの? 急に眉間に手を当てちゃって」
提督「何でもない。それで、どうしてそれを此処に持ってきた」
那珂「大佐と一緒に遊ぶ為に決まってるじゃん!」
提督「なに当たり前のような顔で言ってるんだ。俺は今仕事中だ。他に時間がある奴とやれ」
那珂「えぇー……付き合い悪いなぁ」
提督「神通に言いつけるぞ」
那珂「暇な子探してくるね! 失礼しました!」
バタン
――休憩時間
ガチャ
卯月「大佐! 卯月と一緒にゲームやるぴょん!」
巻雲「仕方ありませんね。付き合ってあげますか」
那珂「大佐、暇な子見つけてきたよ!」
提督「……なんで俺も一緒にやる前提なんだ」ガク
――ゲーム開始
卯月「やったぴょん! 株を購入して一儲けぴょん!」
巻雲「さっきから紙一重で暴落避けてますね。さすが卯月さんです」
那珂「大佐、物件買わないの?」
提督「結婚もしない内から普通は買わないだろ。金もない」
――数分後
卯月「ぷっぷくぷ~♪ 宝クジがあたったぴょん! これが卯月の実力です! えっへん!」
巻雲「ここは無難に自動車保険に加入です」
那珂「ぷ、プログラマー!? 那珂ちゃんはアイドルになりたいのに~!」
提督「そろそろ物件の購入を考えるか……」
――更に数分後
卯月「大佐と結婚して子供ができたぴょん! 大佐ぁ~卯月の事大切にしてねぇ♪」
提督「待て。俺はプレイヤーだぞ。勝手に人を結婚相手として想定するな」
巻雲「卯月さん結婚してすぐに子供ができるなんて……///」カァ
那珂「那珂ちゃんはハイキングなんかに行きたくないのに~!」ジタバタ
――ゲーム終盤
卯月「やったぴょん!大金持ち~♪」
巻雲「あっさりと当然の様に最後の賭けにも買っちゃうなんて! あ、巻雲はパスです」
提督「ついに子供が一人もできなかったな……」
那珂「開拓地なんていやぁぁぁぁぁ!」
――ゲーム終了
提督「普通に卯月がトップで終わったな」
卯月「皆、ゲームで卯月に勝とうなんて100年早いぴょん♪」
巻雲「まずまずの結果です。でももうちょっと欲張ってもよかったかなぁ」
那珂「那珂ちゃんだけ知らない土地で終わりなの!?」
提督「ソロライブだな。よかったじゃないか」
那珂「そんなの全然嬉しくないよ!」
――休憩時間終了
卯月「楽しかったぴょん♪ またやりたいなぁ~♪」
巻雲「次はもっと上を目指しますよ!」
那珂「もう暫くはやりたくないよ……ぐす」
バタン
――再び仕事中
加賀「大佐」
提督「ん」
加賀「卯月と子供を作ったそうですね」
ボキ ←ペン先が折れた
提督「……誤解を招く表現はやめろ」
加賀「ああ、種n――」
提督「それもやめろ。例えゲームでもそれを言われるとキツイ」
加賀「上手く作るコツとかもあるみたいですね」
提督「……」(下手だったからできなかったとでも言うのか)
加賀「……私はいつでもいいんですけどね」ボソ
提督「耳元で囁くな。お前のそれは洒落にならない迫力がある」
加賀「……いつでもいいのは本当なんですけどね」ボソ
提督「仕事しろ」
子供の頃はゲームでもよくムキになったものです。
大人になると何故こうも発想が汚れるのか……。