誰のでしょうか。
コツン
提督「ん? ヌイグルミ......」(何故トイレの前に......)
提督「取り敢えず預かっておくか」
~執務室
愛宕「大佐?」
提督「ん?」
愛宕「そのヌイグルミはどうしたんですか?」
提督「トイレの前に落ちてた。持ち主が分からないから預かることにしたんだ」
愛宕「そうですか......」(だからって普通机の上に置くかしら)
コンコン
愛宕「は~い」
矢矧「矢矧です。入っていいですか?」
愛宕「どうぞ~」
ガチャ
矢矧「失礼します。大佐、ちょっとおはな......し......が......」
部屋に入ってくるなり矢矧はヌイグルミを見ると、目を丸くして言葉を失った。
愛宕「ああ、これ? トイレの前に落ちてたのを大佐が拾って預かってるのよ」
矢矧「そ、そうですか......」
愛宕「大丈夫。大佐は間違ってもそういう趣味はないわ」クス
提督「おい」
愛宕「あら、ごめんなさい」クスクス
提督「全く......それで、どうした?」
矢矧「え?」
提督「用があって来たんだろう?」
矢矧「あ......ああ、そう。そうなんだけど......」
愛宕「?」
提督「......」
提督「愛宕」
愛宕「はい?」
提督「悪いが、開発をしてきてくれ。三式爆雷が一つ欲しい」
愛宕「え、急にどうしたんですか?」
提督「矢矧を見たら今月はまだ鎮守府近海の敵潜水艦の駆除を行ってない事を思い出してな」
提督「ソナーは潤沢にあるんだが、爆雷だけが3式が不足してるんだ。あと一個開発ができれば、1艦隊に所属する全艦に一個ずつ配備できる」
愛宕「でも、私まだレベル40ですよ?」
提督「秘書艦なんだからそれは気にするな。久々の開発で勘だけでも取り戻せ。資材は出るまで使っていいぞ」
愛宕「そういうことなら愛宕、頑張っちゃいます♪」
提督「お前の奮闘に期待している」
愛宕「! あ、ありがとうございます! 楽しみにしてて下さいね♪」
バタン
提督「......」
矢矧「......あの」
提督「ほら」
提督はそう言うと机の上のヌイグルミを矢矧に差し出した。
矢矧「気づいていたの?」
提督「愛宕がいて言い出すのが恥ずかしかったんだろ?」
矢矧「うん......」ボフ
矢矧「......ねぇ」
提督「ん?」
矢矧「おかしいと思わない? 私がヌイグルミなんてイメージに合わないって」
提督「お前も女だろ。そういうのをあまり気にすると、いろいろ損するぞ」
矢矧「そう......ありがと」
提督「ああ」
矢矧「あ、あのさ」
提督「秘密にして欲しいなら誰にもヌイグルミの事は言わないぞ」
矢矧「あ、それも......今はそうして欲しいけど。そうじゃなくて」
提督「なんだ?」
矢矧「私のヌイグルミ見てどう思った?」
提督「ん? そのヌイグルミに対する単純な感想か?」
矢矧「そう」
提督「そうだな......あくまで個人的意見だが、ライオンより虎のヌイグルミの方がお前に合っている気がするな」
矢矧「そ、そう!? 実は私もこれ選ぶ時どちらにしようか迷ったのよね」
提督「そうだったのか。じゃあ買った後に後悔したのか?」
矢矧「少しね。これも可愛いから別にそこまで気にはならなかったんだけど......」
提督「そうか」
矢矧「大佐が一緒だったら虎の方を買ってたのにな」
提督「そうかもしれないな」
矢矧「そう。一緒だったらなぁ......」
提督「ん......」
矢矧「......」ジー
提督「今度一緒に行くか。時間があればな」
矢矧「! ほ、本当!?」
提督「今回は偶然お前の趣味に合った答をしただけかもしれないぞ?」
矢矧「そういうのは気にしないで! 一緒に来て選んでもらう事に意味があるのよ!」
提督「まぁ一人だと悩む事も多いからな」
矢矧「そうよ! ......ね? 本当に一緒に来てくれるの?」
提督「自分から言った事は守る」
矢矧「そ、そう! 期待してるわね! 都合がいい時間分かったら連絡してね!」
提督「分かった」
矢矧「ありがとう!失礼するわ」
バタン
提督「ヌイグルミか......」(俺は映画の登場人物とかの人形が好きだが、そういうのはやっぱりウケないんだろうな)
~廊下
愛宕(ふふふ~♪ まさか5回で出せちゃうなんて今日は本当に良い日ね♪ 大佐喜んでくれるかしら♪)
矢矧「~♪」テクテク
愛宕「あ、矢矧ちゃん用事はもう......」
矢矧「~♪~♪」
愛宕(気付かないで行っちゃった......。あんなにニコニコした矢矧ちゃん初めて見るわね......)
愛宕「何か良い事でもあったのかしら?」クビカシゲ
軽巡では名取......矢矧も捨てがたいけど、やっぱり名取が好きです。
矢矧はクールビューティという言葉が本当に良く合ってると思います。