提督の憂鬱   作:sognathus

62 / 404
水泳大会も全ての試合を終え表彰式です。
景品はどんなものが用意されているのか?
提督からのご褒美は何なのか?
提督に何をお願いするのか?

最後のイベントなのにまだ盛り上がりは収まりそうにありません。


第60話 「表彰式①」

提督「それでは、これより表彰式を始める」

 

提督「先ず第3位、雷巡・特務グループ代表前へ」

 

北上「は~い」

 

提督「大会の功績を湛えて貴君にこれを――」 北上「待って」

 

提督「ん?」

 

北上「そんな堅苦しい言い方じゃなくて、いつも通りに褒めてほしいな」

 

提督「......そうか」

 

提督「よく頑張ったな」

 

北上「ん、それでいいよ。あとついでに」

 

提督「まだあるのか?」

 

北上「頭を撫でて褒めて欲しい、なんてね」

 

 

北上以外の艦娘「!」ザワザワ

 

 

提督「ふっ......。これでどうだ?」ポンポンナデ

 

北上「ん~、いいねぇ♪」

 

 

明石「ちょっと羨ましいかも」

 

あき「私も後でお願いするであります!」

 

大井「ちっ、あんなのの何が......別に羨ましくなんて」

 

木曾「そう......だな。羨ましくなんてない......よな」

 

 

提督「榛名、景品をここに」

 

榛名「分かりました。3位の方達への景品はこちらです!」

 

北上「おぉ!」

 

榛名「32号電探人数分です!」

 

北上「ちょっと豪華すぎない?」

 

提督「そうでもない。使ってない資材が僅かに減っただけだ」シレ

 

北上(どれだけ余裕があるんだか......)

 

北上「ま、ありがとねっ。頂かせてもうらうよ」

 

 

提督「では、続いて第2位、空母グループ代表前へ」

 

加賀「はい」

 

提督「......」

 

加賀「......やりました」

 

提督「そうだな。よくやった」

 

 

瑞鶴「え? 何この空気」

 

瑞鶴「き、緊張するわね。何故か」

 

蒼龍「え、修羅場ってやつ?」

 

飛龍「こら、蒼龍!」

 

 

提督「榛名、頼む」

 

榛名「は、はい。2位の方達への景品はこちらです!」

 

榛名「南国のフルーツの盛り合わせ1トンです!」

 

 

会場全体 シーン......

 

 

提督「少々味気なかったか?」

 

加賀「そうでもありませんよ。見てください」

 

提督「うん?」クル

 

提督(空母のメンバーだけでなく、全ての艦娘の視線がフルーツに集中している......?)

 

加賀「そういう事です。これは私達だけで頂いてしまっては、後にどのような恨みを買ってしまうかわかりませんね」

 

提督「なるべく波風立たないように頼む」

 

加賀「ふふ、分かりました。それでは――あ」

 

提督「?」

 

加賀「大佐、また......後ほど」

 

提督「......ああ」

 

 

提督「それでは第1位、潜水グループ前へ」

 

イムヤ「はい......」

 

イムヤ「......」

 

提督「なんだ、不満そうだな」

 

イムヤ「! そ、そんな事ない......わよ」プルプル

 

提督「最後に勝てなくて悔しかったんだろう。気にするなとは言わない」

 

提督「だが、俺はお前たち潜水艦の実力は理解しているつもりだ。泳ぎに関してはお前たち個々の力は間違いなく最高だろう」

 

イムヤ「そんな......こと言ったって......勝てなきゃ意味......ない......じゃん」ヒック

 

提督「今、どうやってお前はここに立てたと思っている。お前だけじゃない、全員の力じゃないか」

 

イムヤ「!」

 

 

ゴーヤ「そうだよ。イムヤちゃん! ゴーヤ達頑張ったよ!」

 

ハチ「イムヤは頑張り屋さんですね。でもそれは私達も同じなんですよ?」

 

イク「そうよ! 今こうして1位になれたのは間違いなくイムヤのお蔭でもあるのよ!」

 

まるゆ「まるゆイムヤさんが1位に慣れなかった事なんか気にしてません! イムヤさん最後まで全力で凄くカッコよかったと思います!」

 

 

イムヤ「み、みんなぁ......」ウルウル

 

提督「イムヤ」

 

イムヤ「う......ぐす......は、はい!」

 

提督「よく頑張った」ポン

 

イムヤ「っ......う、うわぁぁぁぁん大佐ぁぁぁ!」ダキッ

 

提督「泣きたいだけ泣け。落ち着くまでいてやるから」ポンポン

 

 

北上「あ~、これは仕方ないかなぁ」チラ

 

大井「な、なんでこっちを見るのよ北上さん」

 

木曾「そ、そうだ。何故俺達を見る......!」

 

あき「自分に正直になれないのは損でありますね」ボソ

 

明石「ま、らしいって言ったららしいけどね」クス

 

 

瑞鶴「イムヤちゃん可愛い♪」

 

翔鶴「でもちょっと羨ましい、かな」

 

蒼龍「どうしたのよ飛龍~、黙っちゃって」ニヤニヤ

 

飛龍「ぐす......感動して涙が......」

 

加賀「本当にそれだけですか?」クス

 

 

提督「さて......落ち着いたか?」

 

イムヤ「ぐす......うん! もう大丈夫! ありがとう大佐!」グシグシ

 

提督「その言葉は俺だけにか?」

 

イムヤ「いいえ......!」クル

 

イムヤ「皆ありがとうね! あなた達のお蔭で優勝できたわ!」

 

 

潜水Gメンバー「イムヤ最高ー!」ワァワァ

 

 

提督「さて、榛名。頼む」

 

榛名「ぐす......はい! 1位の方達への景品はこちらです!」

 

榛名「我が鎮守府オリジナルのデザインにして、本部の最新の技術で作り上げた新しい水着です!」

 

榛名「しかも、一着一着に大佐直筆で潜水艦の名前が書いてあります!」

 

 

潜水艦メンバ一同「わぁぁぁぁぁ」キラキラ

 

 

提督「華やかさに欠く景品で悪いが、込めた気持ちは本物だ。大事に使ってくれると嬉しい」

 

イムヤ「ううん。本当に嬉しい......! 大佐、ありがとうございます!」

 

 

潜水艦Gメンバー「ありがとうございます!」

 

 

提督「喜んでもらえて何よりだ」




すいません。
2-5やってて結局今夜は一話で終わりそうです。
あ、浦風は出ませんでした。
勲章だけでも十分な収穫です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。