特訓と帰り道のおんぶ合戦で疲れ果てるはずの提督が彼女たちを呼んだ理由とは?
加賀「つまりこういう事ですか」
加賀「マルクさん達を無事泳げるしたのは良かったけど」
足柄「部屋に戻って落ち着いたら」
加賀「それまでの行いがまるで色情に狂った人間の所業のような気がして」
足柄「羞恥心に我慢できなくなったから」
加賀「心の内を誰かに打ち明けて楽になりたかった、と?」
提督「概ねその通りだ」
足柄「大佐も難儀な性格ねぇ」
加賀「ですが、私達を呼んだ事は評価します」
足柄「違うでしょ? 行動を評価してあげなさいよ」
加賀「貴女は嬉しくないのですか?」
足柄「そりゃまぁ呼ばれないよりかは、ね」
提督「お前たちになら厳しい言葉で俺を説いてくれると思ってな」
足柄「別にあたし大佐を苛める趣味なんてないんだけど」
加賀「同じく。ですが、金剛さん達と海に行ってたのは正直気に入りません」
足柄「はっきり言うわね。なに? 嫉妬?」ニヤニヤ
加賀「そうです」シレ
足柄「え?あ、そ、そうですか」
提督「確かに。本人たちの為とは言え、半裸の女子3人に男一人で泳ぎを教えるなんて事情を知らない一般人が見たらいかg」
加賀「そうじゃありません」
加賀「私も連れて行ってくれなかった事が不満なんです」
提督「......すまん」
足柄「いや、大佐。そこは多分謝るところじゃないわよ」
加賀「お詫びとして大佐に埋め合わせを要求します」
足柄(特に大佐が悪いわけじゃないのに当然のように要求してきた!)
提督「言っておくが俺はお前が泳げるのは知ってるからな?」
加賀「別に特訓をして欲しいわけじゃありません」
加賀「私も大佐と一緒に海で遊びたいんです」
足柄(あれ? 加賀ってこんなんだっけ?)
提督「遊ぶと言ってもな......」
加賀「大会の終わりに自由時間があったはずでよね? その時間に今日のその場所で一緒に遊んで下さい」
加賀「勿論、足柄さんも一緒です」
足柄「え!? あ、あたしも!?」
加賀「共に大佐を諌める為に呼ばれたのですから当然の権利ですよ」
足柄「や、別にあたしは、そういうんだったらお酒の方が......。大会だって出るつもりなかったから水着も持ってないし......」
加賀「では、私が大佐を独り占めしてもいいんですね? ありがとうございます。足柄さん、貴女は良い人ですね」
足柄「へ? え? いや、別にそうとはあたし言ってな――」
加賀「じゃぁ、行くんですね」
足柄(な、なにこの状況)
提督(加賀の奴、足柄を巻き込んで俺が断わり難い状況を作る気か)
加賀「行 き ま す よ ね ?」ズイ
足柄「ひぁっ!? わ、わかったわよ。行く。行きたいです! 一緒に連れてって下さい!」
加賀「やはりそうでしたか。正直なのは良い事ですよ」ニコ
足柄(滅多に見ない貴重な笑顔なのに怖い......)
加賀「というわけですから大佐、よろしくお願いしますね?」
提督「......分かった」
加賀「ありがとうございます。あ、それと。今日の事なら気にする事はありませんよ」
加賀「良かれと思ってやったのでしょう? そして実際に皆に成果を示しました」
加賀「卑下することなんてありません。寧ろ誇らしく思います」
提督「そうか。そう言ってもらえるとまぁ少しは気持ちが楽になる」
加賀「ええ。流石は私達の大佐です」
加賀「それでは失礼します。さて、行きますよ足柄さん」
足柄「失礼しま――て、え? 行くって何処に? あたしも?」
加賀「来たる勝負の日に向けて出陣の準備です」
足柄「ちょっと加賀なに言って――え、やだ引っ張らないで。いやぁぁぁあ!」ズルズル
バタン
提督「まぁ気分は楽になった......か?」
誰にともなくひとり呟いた提督だった。
俺は自分で自分の周囲の彫を埋める性癖でもあるんですかね。
どんどん話の風呂敷が広がって畳むのを面倒にしてるような。
ですが、足柄さんの為なら頑張るしかありません!