提督の憂鬱   作:sognathus

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夜が明ける直前。
その日、提督の部屋に敷かれた布団には彼だけでなく、もうひとつ誰かが入っているような膨らみがあった。

*明らかな性的描写あり


第11話 「欲求」R-15

「ん……」

 

気だるい疲労感を僅かに感じながら足柄は目を覚ました。

 

「……」

 

彼女のすぐ横には静かに寝息を立てている愛しの上官がいた。

足柄は彼の顔を見て眠気から覚めると、幸せそうなほほ笑みを浮かべて上体を起こした。

上半身を覆っていた布が滑り落ちて足柄の白い裸体が露わとななったが、足柄は気にした様子も無くそのまま四つん這いでそっと提督の胸元に近付いていった。

その時に下半身も膝をついて起こした事で腰元を覆っていた布も滑り落ち、上半身に続いてついに足柄の全ての裸体が露わとなった。

桃のような丸い尻を揺らして足柄は提督を起こさないように細心の注意を払って屈むと、提督の胸に顔をそっと置いて頬ずりをした。

 

「ん……♪」

 

すりすりと犬や猫が主人に甘えるように眠っている提督の胸に足柄は頬を擦りつけて、その温もりと心地良さを満喫する。

 

「……」

 

外からは僅かに顔を出し始めた太陽の朝日が差し込もうとしていたのに、しかしそれでも提督は目を覚ます気配がなかった。

足柄はその穏やかな寝顔を見て『あっ』っと小さく声を漏らして何かを思い出した顔をした。

そういえば昨日は提督は仕事で大分疲れていた様子だった。

だがそれでも甘えたくなって自分を求めてきた足柄の求愛に嫌な顔一つせず応じてくれた。

その時にもう少し優しく微笑んでくれたり甘い言葉を掛けてくれればより気分が蕩けていただろうが、そこはそういう柔軟さを上手く出せない提督だった。

まぁそんな事は前から分かっていたし、それこそ提督らしいというものだったので足柄はちっとも気にはならなかったが。

寧ろ床ではそんな事気にならないくらいに情熱的に、愛情いっぱいに自分に愛と快感を与えてくれた。

 

「……ん」

 

昨夜の事を思い出して提督に引っ付いていた足柄は今起きたばかりだというのに身体に熱い波が走るのを感じた。

提督の胸に手を置いてその鼓動と温もりを感じていた足柄は彼の身体を覆っている布の下の方を見る。

 

「……」

 

体の向きを変えて目的の個所に辿り着いた足柄はその部分の布をそっと捲くった。

提督も自分と同じく裸だったので直ぐに期待していたモノが彼女の目の前に現れた。

足柄はそれに慎重に手を伸ばしてやがて顔も近付けた。

 

「ん……ぺろ」

 

当然だが寝ているので提督のソレは通常の状態のであり、だったが逆にその事が足柄には新鮮で面白くも感じた。

そして可愛らしさも込み上げて来て足柄はソレに対する『ご奉仕』はより情熱的なものとなっていった。

 

「ん……む……。は……ちゅっ」

 

昨夜自分をあれほど乱して愛してくれた提督。

足柄は夢中でご奉仕をしている内に今行動を実行している個所とは“違う所”にも無意識に手を伸ばしていた。

 

「あ……♪」

 

無意識でも生き物、提督も例外ではなく気持ち良く感じているらしい。

足柄はその変化に喜びの色を目に浮かべた。

 

(嬉しい。大佐、感じてくれているんだ。今、どんな夢見てるんだろ……)

 

自分の奉仕という名の愛撫で提督が感じてくれている。

その事によって提督がどんな夢を見ているのか。

それを想像した足柄は気恥かしい期待と嬉しさに心が温かくなるのを感じてより愛撫に力を入れ始めた。

 

「んっ……んっ……ちゅっ、ちゅっ……」

 

提督の変化に足柄の奉仕を更に過激なものとなり、彼女は半ば我を忘れて一心不乱に行為に没頭した。

そしてそれから十数分後……。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

そこには裸で大の字になって体力を使ったことによる疲労で熱い息を漏らしている足柄の姿があった。

あれからかなり頑張ったが提督は果てる事は無かった。

それが個人的に少し残念というか悔しかった。

現に提督自身は足柄の努力余韻が抜けていないのか彼女の横で元気なままだ。

まあこれはきっと提督は夢では果て難い質なのだろう。

そう自分を無理やり納得させて開き直った足柄は、再び提督と自分を横に除けられていた布団で覆うとまたぴったりと彼に抱きついた。

 

「……っ」

 

その時提督の足に絡めていた辺りでひんやりとした感触を感じて、足柄は小さな驚きの声を漏らした。

感触を感じた所は直ぐに予想ができた。

足柄が恐る恐るその部分に手を伸ばしてみると……。

 

「あー……」

 

足柄はそれを見てやや自嘲気味な声を漏らした。

提督に奉仕しているうちに自分も感じていたらしい。

布団から抜いた彼女の手にははっきりとその証拠が付いていた。

 

(私ったら……)

 

足柄は顔を真っ赤にして恐る恐る提督の顔を見る。

 

「ほっ……」

 

提督はまだ熟睡しているようだった。

まぁ、起きたら起きたでそれを口実に甘えるつもりだったのだが。

 

(無抵抗な人に悪戯して私ったら何感じてたんだろ……)

 

その時、心の中で反省してた足柄の脳裏にある想像が浮かんだ。

 

(これがもし逆に私だったら……?)

 

足柄は熟睡して無抵抗な自分が提督に好きに愛される様を想像した。

それはもう吸ったり揉んだりいろいろと、力が入っていない自分の身体を好きに弄られる様を。

 

「……っ」

 

足柄は三度身体に鋭い快感の波が走るのを感じた。

しかもそれは今日今までの中で一番のものだった。

 

(しまった……想像するんじゃなかった……)

 

そんな事を想像してしまって後悔した足柄だったがもう遅かった。

彼女には既に新たなスイッチが入ってしまった証拠とばかりに身体に明確な変化が起きていた。

それもさっき自分でその変化を確認した時の比ではない程のものだった。

 

「はっ……はっ……」

 

足柄の熱い視線が再び提督へと向く。

もう駄目だ。

もう我慢できない。

 

快感に身体が暴走しがちながらも、それでも提督を起こすまいと静かに再び身体を起こした足柄は、愛欲に濡れた目で熱い息を吐きながら提督に覆い被さった。

そして今度は直接、お互いが愛を感じられる行為に行動を移すことにしたのである。

足柄は自分の中に直接感じる変化に身悶えした。

 

「あ……大佐……大佐……!」

 

 

それから1時間ほどのち……。

 

「……」

 

「大佐どうしたの?」

 

朝起きてから提督はどこか睡眠が不足しているように気だるげな顔をしていた。

足柄に声を掛けられた提督は鈍い疲労感にまどろむ頭を掻いて答えた。

 

「いや、昨夜は少し無茶し過ぎたかな、ってな」

 

「えっ?」

 

それを聞いて足柄は顔を真っ赤にしてコーヒーを入れようとしてたカップを危うく取り落としそうになる。

だがすんでのとこでキャッチして事なきを得てホッっと安堵の息を漏らす。

 

「きゅ、急なに? どうしたの?」

 

「いや、悪い。確かに昨日は手を抜いたつもりは無かったんだが……」

 

「そ、そうよ。な、何も問題なかったし、私も凄く……」

 

「まだ30なんだが。これが歳ってやつなんだろうか」

 

「えっ」

 

思いもよらない処で思いもよらない結論を導き出そうとしてる提督に、足柄はその時本当にどうフォローしたらいいか悩んだ。

まさか彼が寝ている時に無抵抗な提督の身体に手を出してお互いに慰めたのが原因と言えるわけもなく。

 

「そ、そう言う事もあるわよ。でも絶対多分歳なんてことはないと思うわ!」

 

「ん?」

 

何故か顔を赤くして焦る素振りでそういう足柄に提督は不思議そうな顔をした。




R15版投稿です。
そして今、演習相手にどう向かうか向かうまいか考え中ですw
明石が修理してるっぽいから装備は外しているのかも。
いやしかし……だがもしかしたら……。

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