時刻はもうじき深夜になろうとする頃、ベッドの上で音ながら本を読んでいた提督は顔を上げた。
*明らかな性的描写あり
コンコン
「うん?」
『大佐、日向だ。夜分に申し訳ない』
「日向? 待ってろ」
日向の声を聞いた提督は執務室で応対する為に寝間着の上から羽織る物を取ろうとする。
だが、それを見越していたらしい日向が提督が羽織を着る前に扉の向こうから呼び止めた。
『あ、いや。執務室じゃなくてできればその……大佐の部屋で……』
「ここで? 分った、入れ」
ガチャッ
「失礼……」
「……」
提督は部屋に入って来た日向の姿を見てなんとなく彼女の要件を予想ができた。
日向は白色の寝間着を身に付けており、一目で判る程に体のラインが良く出ていた。
恐らく下着類は着けていないだろう。
「……」
日向は暫く顔を赤くして提督の前に座って正座していたが、やがて意を決した様に深呼吸をして気を落ち着かせると真面目な目で彼を見ながら言った。
「報告でもう知っていると思けど、その……演習で練度が最高になった」
「ああ」
「前に言った思うけど、私も大佐と……ケッコン、したい」
「……ん、それは勿論構わないがその恰好は?」
「ほら、前に言っただろ? 伊勢より満足させて見せるやるって」
「別にそんな方法を取らなくても……」
「何らかのイニシアティブが欲しかったんだ」
「恥を我慢してまでか?」
「恥……まぁ、確かに恥ずかしいけど……」モジモジ
「うん?」
「大佐とは何れこういう関係になりたかったんだ。だから恥ずかしく思いつつも心では……な?」
「……」スクッ
「えっ? た、大佐?」
日向はつい驚いた声を出した。
とういのも提督が不意にベッドから下りると、彼女と向き合うようにその直ぐ近くに、自らも腰を下ろして正座をしたからだ。
提督は、驚いた顔のまま日向が反射的にこちらに向き直るのを確認すると、真面目な顔をして頭を下げながら言った。
「その想い光栄に存ず。こちらこそよろしく頼む。指輪を、貰ってくれるか? 日向」
「大佐……!」
日向は提督の意外なプロポーズのような言葉に、嬉しさの余り涙を溢れさせてその逞し身体に抱き付いた。
「ん……ちゅ…ちゅっ……」
日向はベッドの上で提督に抱かれるようにしてキスを貰っていた。
背中に回した手で優しく自分を抱き留めている彼の手が温かくてなとも心地良く感じた。
「大佐……ぁ……ん」
「……」
提督はキスをしながらおもむろに日向の肩を掴む。
「あ……」
日向は潤んだ瞳で提督を見る。
提督はその目を見つめ返しながら訊いた。
「……いいか?」
「……」コク
日向が頬染めて頷くのを確認し、提督はそのままより近くに彼女を抱きしめる。
「……っ」カァァ
「きれいだ」
「あっ……あっ……ん……」ピクッ
提督の優しい触れ方に日向は顔を羞恥に染めながらも、不思議な心地良さと幸せを感じて可愛く小さな声を漏らす。
「日向、どうだ?」
「うん……良い……はぁ……。ね……」
「ん?」
「もっと……もっと、大佐の好きにして欲しい。もっと優しくしてほし……い」
「分かった」スッ
「んあっ……!」ピクンッ
より強い刺激に日向は思わず我慢できずに声をあげる。
「……大丈夫か?」(これはかなり敏感なようだな……比叡くらいか?)
気遣う声を掛ける提督に日向は新たな刺激に震えながらも、濡れた瞳でこんな願いを言った。
「だい……じょ……ぶ。ふぅ……はぁ……。だい、じょうぶだから……お願い、もっと……シて」
「……」
「んっ……♪」
提督は日向の期待に応えるように再びキスをし、他の身体への愛撫も継続した。
「た……っ、はぁ……たいさぁ……。あ……」
快感に喘ぎ、甘い声を漏らす中、日向はあるものを発見する。
「……」
日向は興奮と恥ずかしさから焦点の合わない目をしながらもそれに釘付けとなり、提督の愛撫もそっちのけに自然とそれに向かって体を移動させた。
「日向……?」
日向の不意の動きに提督は不思議に思って彼女に声を掛けるが、日向はそれが耳に入ってないようで、ついにそのまま今自分が最も興味を持っている場所に辿り着いた。
提督が思わず止めようとしたが、それより早く日向はそこに手を掛ける。
「ひゅ……」
「……ぁ」
日向は初めてそれを間近に見て、すっかり興奮して見入ってしまった。
「……」スッ
「お……」
「んっむ……」
またも提督が止めるより先に日向は行動し、提督は彼女の新たな攻めに言葉を詰まらせる。
「んっ……んっ……んん……」
「く、ひゅう……が……」
意外に大胆な日向の攻めに提督は表情を歪ませて快感になんとか耐える。
このままではいけない。
このままでは彼女に対して何もできずに果ててしまう。
焦った提督は自分も反撃と言うつもりはなかったが、日向をより攻める事にした。
提督は四つん這いになっていた日向の寝間着の裾に手を掛けた。
ペロッ
だが日向は気付かない。
自分の行為に夢中になって周りが見えていないようだ。
「……」
提督はそれを確認して更に攻める事にした。
日向はようやくそこで自分の身体に加えられた刺激に気付く。
サワッ
「!! ……っああ!? た、たい……?」
「……いいか?」
提督は日向の羞恥心を考慮して敢えて主語のない問いかけを彼女にした。
日向は恥ずかしで涙を流しながらも、提督に自分の一番大切なものを捧げられる喜びからくる幸せに心が満たされるのを感じて小さく頷いた。
「んっ……きて……」
「……ああ」
ズッ
「く……っ……。あ、あああ……!」
「日向、大丈夫か?」
「だい……じょう……ぶ。あ……あっ……! だからつづ……うれし……いんだ」
「苦しいなら言えよ……」グッ
「あっ、あああああ、ん! すきっ好きだ、大佐!」
腹の中に今まで感じた事が無い熱を感じ、日向は嬌声をあげて提督と共に果てた。
―――それから1時間程のち
時間も既に深夜2時、伊勢が自身の不在に気付く前に身繕いをして部屋に戻る準備をしていた日向に提督が声を掛けた。
「日向」
「うん?」
「お前、その寝間着のまま帰ったら目立つだろう。いや、ここに来る時も良く気付かれなかったもんだが」
「あ……。やっぱりそうかな? 確かに、改めて自分の格好を見ると自分でもよくこんな格好でここまで来たと思う」
「いくら暖かくてもそのままだと風邪をひくかもしれないし、目立つだろう。これを着て行け」
「え……?」
提督はクローゼットから替えのシャツを出して日向に手渡した。
それを受け取った日向はちょっと驚いた顔をしてそれを受け取る。
「いいの?」
「それを上から着て行け。あと、それはやる。返さなくていい」
「ほ、ほんと?」
「シャツくらいならいくらであるしな」
「あ、ああ……そうだな」
提督はそう言って確かに同じシャツばかりしか並んでないクローゼトを日向の前で開けて見せ、一着くらいあげても問題が無い事を彼女に証明してみせた。
日向はそれを見て提督が気を利かせて自分にシャツをくれたわけでない事に、内心彼らしいと苦笑した。
日向が部屋に戻って暫くして、提督もようやく就寝しようとした時部屋の外で小さな音がした。
コトッ
「うん……?」
提督が音に反応して扉の方を見る。
すると彼が確認するより扉の方が先に開き、そこから意外な人物が姿を現した。
「金剛……?」
「大佐ァ~。やっと終わったノォ~?」
『終わった』提督はこの言葉に何故か嫌な予感がした。
「金剛お前もしかして……」
「あっ、べ、別に覗くつもりはなかったんだヨ? ただ、日向が先に来てただけデ……」ジッ
「悪いが相手ならまた次の機会に。時間ももう遅いしな」
提督がそう言って金剛を締め出すように扉を閉めようとした時、更に別の声が聞こえた。
彼はその声を聞いてぴたりと体の動きを止める。
「あの~、大佐ぁ……」
「……比叡?」ピタッ
「大佐、私もいます!」
「榛名……?」
「あの……すいません……」
「きりし……?」
まさか姉妹揃って夜這いを……?
提督は衝撃の展開に迂闊にも動揺して扉から後ずさりをしてしまい、結果、当然の如く彼女達の進入を許してしまった。
「ワタシ達も日向が大佐の room に入った後直ぐ帰ったらよかったんだけどネ。でもォ……」
「聞いている内にエンジンかかっちゃいまして……えへへ」
「榛名は……榛名は我慢しようとしたんしたんですが……」ジリジリ
「申し訳ございません大佐。私の力が及ばずに……」ポー
唯一の頼みの綱の霧島までもが理性の限界らしいという絶望的な状況の中で、提督はいつの間にか元いたベッドの所にまで彼女達に追い込められていた。
「ま、待て……」
「というわけで大佐ァ」
「よろしくお願いします!」
「大佐……♪」
「申し訳ございません……。よろしくお願いします」
姉妹に精を絞り取り尽くされ、果てには彼女達が満足するまで4人分の相手を要求された提督は、翌朝抜け殻のようにぐったりした状態で机に突っ伏していた。
そのあまりもの脱力様を足柄が見かね、長門や叢雲に召集を掛けたのはまた別の話である。
なんかまだ夏なのに寒いんですよね。
いや、言い訳ですが。
すいませんorz