提督の憂鬱   作:sognathus

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足柄が改二になりました。

その日、彼女はそれを伝える為に提督のもとを訪れたのですが、何故かなかなか伝えずに普通の晩酌を続けています。

*明らかな性的描写あり


第×2話 「心待ち」(R-15)

「……」ソワソワ

 

「足柄、どうした?」

 

グラスに入った酒を飲むでもなく何かを気にしている様でそわそわする足柄に提督は気付いた。

 

「えっ、う、うん……。あの、ね」ソワソワ

 

「?」

 

「ど、どう?」ジッ

 

「ん? 何がだ?」

 

「えっと、ほら、私改二になったじゃない。だから、さ?」

 

「……ああ、悪い。お前だと自分から自慢してきそうな印象があるから言われるまで気付かなかった」

 

「や、やっぱり? い、一応言おうとしたのよ? でも、ほら、なんかそういうのって恥ずかしいじゃない? 大人げないっていうか……」

 

足柄はそう言って照れくさそうに眼を逸らした。

 

「足柄……ふっ、ははは」

 

「な、なに?」

 

「いや、お前は本当に初めて会った頃と比べて大人しく、いや落ち着いたか? そんな感じになったな」

 

「あ……。や、やめてよ。自分で言うのもなんだけどその時の自分を思い出すのは結構恥ずかしいんだから」

 

「そうか? でも他の所にいるお前は大抵ああいう感じで自信に満ちているか、好戦的みたいだが?」

 

「それは私でも知ってるわよ。でもここの、『私』は違うの! ここの私はその……お、大人なんだから……」

 

「足柄……。ふっ、本当にお前は……」

 

「もう、いいじゃないその事は。で、さ。どう?」ジッ

 

「ん? ああ、そうだな……」

 

「……」ドキドキ

 

「うん。性能抜きにしてもその、月並みな言い方だが素敵だ。魅力的になったぞ」

 

「ほ、本当!?」パァッ

 

「ああ、本当だ」

 

「そ、そう。そう……ふふ♪」

 

「……」(嬉しそうだな)

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

「どの辺が魅力的になった?」

 

「ん? それはもう全体的にだ。お前が自分から何も言わなくても全身から自信と頼もしさが伝わってくるぞ」

 

「……それだけ?」

 

「ん? 足柄……?」

 

自分なりに心から褒めたつもりだったので、それに対してあまり満足そうな顔をせずに詰め寄る足柄に提督は不思議そうな顔をする。

 

「ねぇ、大佐。それだけ?」ジッ

 

「……きれいになった」

 

「っ! ありがとう!」ダキッ

 

「っと」

 

「その言葉、待ってたのよ♪」スリスリ

 

「……やれやれ、俺もまだ女の扱いがなってなかったな。すまなかった」

 

「ううん。気付けただけ全然マシ! 合格よ」

 

「そうか。それは良かった」

 

「……ね」

 

「ん?」

 

「記念」

 

「……」

 

「記念、欲しいな?」ジッ

 

提督の胸から顔をあげた足柄の瞳は濡れており、その目は女として提督を求めていた。

 

提督は時計を見た。

時刻はタイミングを見ていたかのように深夜を既に回っており、基地は少なくとも自分が感じる限り夜の静けさを提督に伝えていた。

 

「……分かった。ちゅっ」

 

「あ……♪ ん……ちゅ……」

 

承諾のキスに足柄は喜びと安堵のキスを返す。

 

「……どうする?」

 

足柄の服に手をかけながら提督は彼女に自分でするかを聞いてきた。

 

「……今日は、大佐にお願いしよう、かな」

 

「分かった」スルッ

 

自分が愛する男に肌を晒されていく過程を足柄は何とも言えない、幸福感と、羞恥に快感を憶え、恍惚とした表情をする。

 

「ん……。はぁ……」

 

「ねぇ」

 

「うん?」

 

「上は、ズラすだけにして欲しい……」

 

「外さない方がいいのか?」

 

「その内に外れると思うから。だからそれまではその方がなんか……」カァ

 

「……お前、本当に良い女に、魅力的になったな」スッ

 

「あっ……ん」

 

足柄の意図を理解した提督は彼女に言われた通りにした。

 

「はぁ……」(ちょっと久しぶりだから……すごく敏感かも……)

 

提督によって晒された肌に、まだ触れさえされていないにも関わらずえも言えぬ快感を足柄は感じ、性感は高まる一方だった。

 

「もう感じているのか……」

 

「やっ……言わ、ない……ああんっ」

 

「……ん」ムニ

 

「んっ、ああっ、あっ。はぁ……」

 

快感に喘ぎながら足柄は片手をそっと提督へ向けた。

 

ギュッ

 

「あ……。大佐も……感じ……あっ、るじゃない……」ピクッ

 

「お前の様な女を抱いて感じない男はいないだろう。ちゅ……」

 

「はぁ……はぁ……。大佐、たい……ああっ……」ピクピクッ

 

「……」

 

提督は足柄のある変化に気付き、刺激が十分にいきわたっている事を確認した。

 

(かなり感じているな。もうこれは……)

 

「下も、脱がすか?」

 

「あ、待って」

 

「?」

 

「下は今……から自分で脱ぐから。今日はそのま……前にあなたのをしたいの……」

 

「分かった。頼む」

 

欲情した目で自分を見上げる足柄が何をしたいの理解した提督は、彼女の胸から一旦離れるとベッドに腰を下ろした。

 

「ん……ちょっと待ってね」スルッ

 

足柄は跪くと腰を下ろした提督にゆっくりと近づいて行った。

そして……。

 

「きゃっ、は……はぁぁ……♪」(凄い……)

 

「……っ」

 

「それじゃ……始めるね? ん……ちゅ」

 

「……あ……しが……ら……。ふぅ……く……ぁ」

 

「ひもひぃい?」

 

「ああ……」

 

「ん……よはっあ……ふぅ……んぐ、ちゅぅ……」

 

……ッ、……ック

 

(……ん?)

 

いつの間にか足柄によるもの意外に別の音が響いていた。

提督が快感に耐えながら音のありかを確かめると、それは足柄が無意識に起こしていたものだった。

 

「足柄……もう、いい……」

 

「っぷぁ……はぁ……。もう、いいの? 私、まだやれるわよ? ううん、やり……たい、かも」

 

顔を赤くしながらそんなけなげな事を言う足柄に提督は指摘をした。

 

「いや、大丈夫だ。それより自分の手を見ろ」

 

「手? あ……」

 

提督に言われて自分の手を見た足柄は特にその指の部分を見て一気に顔を赤くさせた。

 

「無意識にするくらいもう我慢できなくなっていたみたいだな。今のお礼とは言わんが、そろそろ、いいか?」

 

「うん。来て大佐……。あっ……」

 

 

それから数時間後。

 

「ん……」モゾ

 

「……」

 

あれから幾多に及び行為に及んだ提督は、今は自分の腕の中で静かに寝息を立てる足柄寝顔を、その頭を優しく撫でながら静かに見つめていた。

 

(こいつもそうだが、重巡と軽巡の育成にもう少し力をいれてやりたいものだな)

 

提督がそんな事を考えていたときだった。

 

ぎゅっ

 

「ん?」

 

提督が手を握られる感覚に目を向けると、そこには足柄が自分の手をそっと握りながらある寝言を言っている光景があった。

 

「す……き……ゆび……コ……わ」

 

「……ふ、はは」(ケッコンの前に指輪を渡したらどんな顔をこいつはするだんろうな)

 

足柄のそんな愛らしい様子を見て微笑んだ提督はそんな事を考えたのであった。




今年最後の休みなので勢いよくいきたいですね。
足柄改二待ってました♪

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