提督の憂鬱   作:sognathus

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提督と比叡がケッコンしました。
という事で、比叡は早速提督に甘えだします。
その様子はまごうこと無く、主人に甘える子犬そのものでした……。


第×1話 「ワンコ」

「大佐! ケッコンありがとうございます!」

 

「いや、なんかケッコンしてもらってお礼を言われるのは男として複雑な気持ちなんだが……」

 

「だってだって、やっと大佐とケッコンできたんだもん。最初は金剛お姉様だったのは当然として、でもやっぱり妹の霧島に先を越されてしまったのは正直きになっていましたから」

 

「そういうものか?」

 

「はい!」

 

「ふむ」

 

「これでわたしは身も心も大佐の……えへへ、大佐のものですからね」テレ

 

「俺はもの扱いする気はないぞ」

 

「分かってます。わたしがそう言いたいだけですから。……ふふふ、えへへぇ♪」

 

「……」(犬だったら尻尾が切れそうなくらい振ってそうだな)

 

「ねぇ、大佐」

 

「ん?」

 

「撫でてください」ズイ

 

「ん? ああ……」ナデナデ

 

「ん……ん~♪」スリスリ

 

「……金剛にベッタリだったお前とは思えないな」

 

「お姉様はお姉様、大佐は大佐です!」

 

「そういうものか?」

 

「はい!」

 

「そうか……」

 

「手」

 

「ん?」

 

「今度は頭だけじゃなくてその……い、犬を可愛がるように全体的に撫でてて欲しいです……」カァ

 

「……ほら、膝に乗れ」ポン

 

提督は仕事用の椅子からソファーに座り直すと膝をポンと叩いた。

 

「は、はい!」

 

比叡はそれを見て嬉しそうにソファーへと駆け寄りその上に乗ると、横になりながら上半身を提督の膝に預けた。

 

 

「……」ナデナデ

 

「ん~~、んふふ♪」スリスリ

 

「大佐ぁ……」

 

「うん?」

 

「わたし、大佐とケッコンできて本当に嬉しいです」

 

「そうか? 俺はお前以外の奴ともケッコンしてる甲斐性なしだぞ?」

 

「そんな事ありませんよ! これは皆が同意して望んだ事ですから」

 

「……まぁそう言ってもらえると俺も多少は罪悪感が軽くなって気が楽になるが」

 

「罪悪感なんて感じなくていいんですよ。大佐は、こうしてわたしたちを迎えてくれているだけで、十分にわたしたちの期待に応え、満たしてくれていますから」

 

「比叡……。ありがとうな」

 

「お礼なんて! あ、でもそういう気持ちがあるならもう少し甘えさせてください……なんて。えへへ」

 

「ふっ……」ナデナデ

 

「~~♪」

 

 

 

「……」

 

「榛名、何してるネ?」

 

執務室の前でじっと動かずに何かを覗いている様子の榛名を目にとめた金剛が声を掛ける。

それに対して榛名はそっけない態度でこう返した。

 

「別に……」

 

「っ! お、お姉様ダメです!」ヒソ

 

金剛と一緒にいた霧島が榛名の発言から何かを察したのか焦った様子で姉に注意を促す。

 

「エ?」

 

「榛名は今とても黒い状態です!」ヒソ

 

「あ……」

 

「……わ、私だってもう直ぐ、もう直ぐだもん……」ブツブツ

 

榛名は執務室を除きながら周りが見えないかのように独り言を言っていた。

 

「は、榛名。そう気にする事ないネ! だって榛名は今レベルは98! もう直ぐじゃナイ!」

 

「……」(お姉様ダメ! そのくらいのフォロオーじゃ……)

 

「……でも、霧島に先を越されてしまいました……」

 

「ファッ? い、イヤ! 姉妹同士でそういう事気にしちゃダメよ! jealousy は姉妹以外にすべきネ!」

 

「お姉様、それはそれでひどい論理です……」(でも、榛名の嫉妬の矛先を変えようとしてくれた事には感謝です)

 

「……姉妹以外ならいいんですか……?」

 

「え? あ……」

 

「姉妹以外なら嫉妬しても……いいって言いましたよね?」

 

「え、や、ちょっ……そういう意味じゃ……」アセアセ

 

「は、榛名。こう考えるのよ。楽しみが先に延びただけだって」

 

「……先に?」

 

「そう。姉妹の中で最後にケッコンした分、自分は思いっきり大佐に甘えるんだって」

 

「最後に……我慢した分……」

 

(我慢とは言ってなかったような……)

 

(最早、願望が欲望となって漏れている……。これは早々に大佐に榛名とケッコンしてもらわないと……!)

 

「そうですよね。お姉様、ごめんなさい。榛名、ちょっと大人げなかったです」ニコ

 

「榛名……! うウン、いいのよ。お姉ちゃんの話を解ってくれれば、それでい――」

 

「それじゃぁ、榛名が大佐と結婚したら、その日はお姉様達や霧島は絶対に榛名の視界に入らないで下さいね!」

 

「 」

 

「え?」

 

「榛名、我慢した分、思いっきり大佐に甘えたいんです。だから、その間は余計な事を……余計なものを……感じたくないんです」ニコ

 

「か、感じ? feel もだめナノ?」

 

「はい。完全に大佐と二人っきりがいいです! だから気配とかもできれば……」テレ

 

「あ……アハ、あはは……。う、ウン。お姉ちゃん頑張るヨ! ま、任せておいテ!」

 

「え? ま、任せてってお姉様何を……?」

 

金剛の突然動揺した声で何かを請け負った発言をしたので、霧島はその真意を確かめようとした。

 

「霧島、榛名がケッコンしたらその間は、全力でここに誰も近づかないように防衛するワヨ!」

 

「お姉様!!」パァッ

 

「は、はぁ!? そ、そんな無茶な!? だ、だってもし非常事態とかで直ぐに報告しないいけない事があったら……」

 

「お姉様達でなんとかしてください」ニコ

 

「 」

 

「お、オッケーヨ! お、お姉ちゃん達に任せておいテ!」ナキワライ

 

「霧島、そう心配しなくても大丈夫よ。だって、もしお姉様達の手にも終えなくて、敵が大佐と私の邪魔をするような事があれば、その時は……」

 

「は、榛名?」

 

「……」ゴク

 

「そんな不貞な人はぜっ…………たいに許しませんから♪」ニコ

 

「ヒィ!?」(榛名怖いよぉ!)ブァッ

 

「……!」(大佐助けて……)グス

 

 

 

「……? 何か外が騒がしいな」

 

「そうですか? わたしは別に気になりませんけど? ふにゃぁ……♪」スリスリ




ダメです。
忙しいです。
そして、続きの話を考えている内に日常の話が浮かんだらそっちの事しか考えられなくなってしまいました。
なので、この話は正式なナンバリングが決まるまではこんな形にしようと思います。
筆者の暴挙を見逃してください(土下座)

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