提督の憂鬱   作:sognathus

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提督が浜辺から執務室に戻ると足柄がいました。
そりゃ晩酌する約束はしてたけど。
そりゃ自分がいない時は出入り自由だけど。
少し休憩してからにしたかっと思う提督でした。


第28話 「晩酌」

ガチャ

 

足柄「待ってたわよ」

 

提督「早いな」

 

足柄「そりゃあね。楽しみにしてのよ?」

 

提督「そうか」

 

足柄「金剛たちとのデートは楽しかったかしら?」

 

提督「まあな」

 

足柄「む」

 

提督「どうした?」

 

足柄「否定しないのね」

 

提督「お前がそういう顔をすると思ったからな」

 

足柄「大佐の癖に生意気ね」

 

提督「いつも予想通りの反応をするとは思わないことだな」

 

足柄「じゃあ今日はとことん飲んで、もっと違う反応見せて貰おうじゃないの」

 

提督「明日も仕事だ。無理をする気はないぞ」

 

足柄「大丈夫よ。あたし強いから」

 

提督「自重しようという気はないんだな」

 

足柄「どうかしら?」

 

提督「ふぅ......。まぁ、いい。酒を出そう」

 

足柄「待ってました」

 

 

コト

 

足柄「へぇ、焼酎ね」

 

提督「苦手だったか?」

 

足柄「んーん。いつか初めて大佐から貰ったお酒がウイスキーだったから」

 

提督「それを期待していたか?」

 

足柄「正直ね。でも洋酒よりは焼酎の方が好きよ」

 

足柄「ちょっと思い出に浸りたかっただけ」

 

提督「ふむ......」ス

 

足柄「え、これ」

 

提督「チャンポンはよくないから、これは最後にしよう」

 

足柄「わざわざまたスキットルに入れてくれちゃって。回し飲みじゃないと嫌よ?」

 

提督「そのつもりだ」

 

足柄「わかってるじゃない」

 

足柄「――それじゃあ大佐?」

 

提督「始めようか」

 

 

それから数時間後

 

提督「......んく、ふう。もうすぐ夜明けだな」

 

足柄「あら、もう? 時間が過ぎるのは早いわね」

 

提督「まさか一升瓶を5本も空けるとはな」

 

足柄「大佐何となく予想はしてたけど強いわね」

 

提督「お前ほどじゃない。もう俺は結構キテるぞ」

 

足柄「あら? そうやって何度切り上げようとしたかしらね?」

 

提督「晩はもう明けようとしている。だから酌はコレで最後にしないか?」

 

足柄「ふふ、上手く言ったつもり? ま、残念だけど仕方ないわね」

 

足柄「これで占めましょうか」クイ

 

提督「ああ」

 

足柄「じゃ、先ずは大佐から」ヒョイ

 

提督「ん。俺からか」パシ

 

足柄「あたしからだと思った?」

 

提督「まぁな......んぐ」ゴク

 

提督「フー......ほら」ポイ

 

足柄「あらぁ? ちょっと回ってきちゃった?」パシッ

 

提督「どうだか」

 

提督(最後の最後が一番強いのだからな)

 

足柄「無理しちゃだめよー?......んく、ん......ん」

 

足柄「ふぅー。これ強いわね。美味しいけど」

 

提督「ん? 堪えたか?」

 

足柄「まだまだ。はい、とと......。」ポーイ

 

足柄「あら?」フラ

 

提督「おっと」wキャッチ

 

提督「大丈夫か? もう――」

 

足柄「嫌。最後まで飲む!」

 

提督「お前こそ無理はするなよ?」

 

提督(やっぱり洋酒はあまり得意じゃないようだな。ここは少し大目に飲むか)

 

提督「さて......んぐ、んぐ、んぐ」ゴクゴク

 

足柄(あら?結構大目に飲んでる?)

 

足柄「ちょっと、間接キス長くないかしらー?」フラァ

 

提督「ぷはっ......おい?足柄」

 

足柄「次はあたしー」

 

提督(足柄の奴油断して酒に飲まれたか)

 

提督「お前はこれ以上はダメだ」ヒョイ

 

足柄「あー何するのよー?渡しなさいよー!」ピョンピョン

 

足柄「......もう!」ダキ

 

提督「ぐぬ?」

 

足柄「ぬー」グググ

 

提督(これが重巡の力......動けん)

 

足柄「うー......あ」プルプル、ガシッ

 

足柄「取ったー!!て、きゃ」グラ

 

提督「むぐぐ」

 

バタン!

 

 

足柄「......」

 

提督「......」

 

提督「足柄?」

 

提督(力が抜けてる。動けるな)

 

提督「おい。大丈夫か?」クル

 

足柄「すー......すー......くふふ」

 

提督(完全に酔いつぶれて寝てる。これは暫く起きないな)

 

提督(部屋に運ぶには......この時間はまだ寝てる奴もいるか)

 

提督「......」ダキ ←お姫様ダッコ

 

提督(軽い。一体どこからあの力が)

 

提督(やはり艦娘は人間ではない、か......。だが)

 

提督「人間でない故に兵器としても扱わない」ソッ ←自分のベッドに寝かせる

 

提督「今はこれでいい」




その日、提督は椅子に座ったまま寝たそうです。
そして早朝、妙高を呼んで足柄を部屋に連れて行ってもらいました。
因みに妙高は提督のベッドに寝ている足柄を見ても溜め息をついただけで、提督にはお礼だけ言って他には何も言わなかったみたいです。
信用されてますね!

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