提督の憂鬱   作:sognathus

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ある夜の事、提督の部屋のドアを激しく叩く音がしました。
何事かと返事をする前に勝手にドアが開き、入って来たのは……。


第14話 「交流④」

飛龍「らいはぁ~、ひふえーひあーふ!」

 

バン!

 

勢いよくドアを開けて飛龍が入ってきた。

 

蒼龍「やっほ~、はいふぁのんでふ~?」

 

飛龍に続き蒼龍も入って来た、二人とも明らかに酔っぱらっていた。

 

雲龍「二人とも飲み過ぎだよ」

 

そして最後に雲竜、こちらは飲んでいるのかは定かではないが、一見すると素面だった。

 

提督「……一体どうした」

 

雲龍「二人が私の歓迎会開いてくれたんだけど……」

 

蒼龍「わーい、ソファらぁ。ばくへき~」ポスッ

 

提督「見事に二人が先に酒に飲まれたのか」

 

雲龍「そう。二人がこんなにお酒に弱いなんて知ら――」

 

飛龍「よっへはい! よっへはふぇんよ!」

 

提督「そうか、取り敢えず水を飲め、ほら」

 

飛龍「あ……ありがと。んっく……んぐっ」ゴクゴク

 

飛龍「っぷはぁ」

 

提督「少しは酔いがさめたか?」

 

飛龍「んー……そうです……」フラフラ

 

提督「ん?」

 

コテッ

 

蒼龍「わぷっ」

 

飛龍「……ね。すぅ……すぅ……」zz

 

蒼龍「ん~、飛龍~あふぃ、~重い~」zz

 

提督「……」

 

雲龍(一応、これ私の先輩達なのよね……」

 

提督「困った先輩たちだな」

 

雲龍「え? そうね。ふふ」

 

提督「?」

 

雲龍「何でもない。一瞬大佐に心の中を読まれたのかと思っただけよ」

 

提督「ん? ああ、先輩という言葉か」

 

雲龍「読みが鋭いのね。読唇術ならぬ読心ってやつからしら」

 

提督「ふっ、そこまで大それたもんじゃないさ。単に勘が当たっただけだろう」

 

雲龍「あら、そこは残念ながら、とか着けるものだと思っていたのに」

 

提督「期待に沿う事が出来なくて申し訳ないが、俺はそういった能力は別段欲しいと思ったことがないからな」

 

雲龍「そう?」

 

提督「そうだ。と、ちょっと待て二人を寝かせてくる。手伝ってくれるか?」

 

雲龍「部屋に運ぶの?」

 

提督「いや、俺の私室だ。俺は今日はここのソファーを使う」

 

雲龍「……二人、起こそうか?」

 

提督「いや、いい」

 

雲龍「優しいのね」

 

提督「ただのおせっかいだ。っと」ヒョイ

 

飛龍「ん~……」ギュッ

 

提督「……」

 

飛龍「えへぇ~♪ ん~……」zz

 

雲龍「大した寝相ね」

 

提督「……恐らく本人は知らないだろうな。雲龍、蒼龍を頼めるか?」

 

雲龍「はーい。よっと」ヒョイ

 

蒼龍「ん……んんぅ?」(あ……マシュマロ……)

 

ポスッ

 

雲龍「んっ……」

 

蒼龍「ふかふか~♪ きもひい~♪」スリスリ

 

雲龍「あ……ちょっと、そんなに頭を……」

 

プチッ

 

雲龍「あ……」ハラリ

 

提督「……先に寝かせて来い。そこで直すといい」

 

雲龍「うん……」カァ

 

 

 

――数分後

 

雲龍「失礼しました」

 

提督「いや」

 

雲龍「……」

 

提督「……酒」

 

雲龍「え?」

 

提督「酒、まだ飲めるか?」

 

雲龍「あ、うん。まだ全然平気」

 

提督「楽しんで飲めるか?」

 

雲龍「気は使わないでいいよ。大丈夫、どっちかというと今は良い気分だから」

 

提督「そうか。なら……」

 

雲龍「はい。喜んでお付き合いさせてください」

 

提督「了解した。歓迎する。ん……」

 

雲龍「どうしたの?」

 

提督「いや、今ちょうど洋酒しか無くてな。ウイスキーだが、いけるか?」

 

雲龍「どっちかというと洋酒派なの。寧ろ歓迎よ」

 

提督「そうか、よかった。飲み方は?」

 

雲龍「オン・ザ・ロックで」

 

提督「わかった」

 

 

トクトク……カロン

 

雲龍「大佐はハーフロック派?」

 

提督「ストレートもオンもどっちもやるが、一番飲み易いのはやっぱりこれだな」

 

雲龍「へぇ」

 

提督「お前はそれだけか?」

 

雲龍「うん。これが一番好きなの。あ、これ、ちゃんとグラスも冷やしてくれてるのね」

 

提督「酒は嫌いではないからな。冷蔵庫には常に冷やしたグラスが入っている」

 

雲龍「いいわね。これから通っちゃうかも」

 

提督「うちにも何人か酒飲みがいるからな。頭数揃えて楽しく飲むのもいいし、こうやってゆっくり飲みたいなら他の面子と被らなければいつでもいいぞ」

 

雲龍「あら、それって誘ってくれてるのかしら?」

 

提督「俺は一人で飲むのも好きだがな」

 

雲龍「ちょっと……なんでそこでそう言うのよ」

 

提督「? 煙草を燻らせながらゆっくり一人で飲むのもいいぞ?」

 

雲龍「いや……そうじゃなくて……」

 

提督「ん……? ああ」

 

雲龍「遅い。もう知らないから」プイ

 

提督「いや、悪かった」

 

雲龍「嫌よー」

 

提督「ふっ、これは参ったな」

 

雲龍「む、大人の余裕というやつからしら。なんか悔しいわね」

 

提督「もう30だからな」

 

雲龍「ふふっ、何でそこで肯定するのかしら?」

 

提督「酔っている所為かもな。ツマミも無いし」

 

雲龍「あ、口がさみしいと思ったら」

 

提督「何か作るか?」

 

雲龍「いいの?」

 

提督「ああ。料理は嫌いじゃない。軽く用意してくるちょっと待ってろ」

 

雲龍「ありがとう」

 

提督「ほら、お代りだ。これを飲んで時間を忘れててくれ」スッ

 

雲龍「本当に気が利く人なのね」

 

提督「酒に関してはな。じゃぁちょっと外す」

 

雲龍「うん。お願い」

 

 

トントン……ジュ~

 

野菜を切る音と時折肉の焼ける香ばしい匂いがするなか、雲龍はひとり酒を飲んでいた。

 

雲龍「……」チラッ

 

ジャッジャッ

 

雲龍「……」ゴソゴソ、プチッ

 

雲龍(なにやってんだか……)

 

 

提督「待たせた。サラダとウインナーだ……が」

 

雲龍「うん。ありがとう。十分よ」

 

提督「……そうか」

 

雲龍「どうかした?」

 

提督「胸元、緩めて……暑いか?」

 

雲龍「お酒が回ったのかも」

 

提督「そうか。じゃぁこれを片付けたら取り敢えず今日はこれで終わりにしようか」

 

雲龍「えっ」

 

提督「ん?」

 

雲龍「いや、そこでそう言う? 普通」

 

提督「仕事を言い訳にもできるが……」コツコツ

 

雲龍「……?」

 

ポン

 

雲龍「んっ……」

 

提督「なんだかんだでまだお前はここに来たばかりだ。いきなりそういう事は早いと思う」

 

雲龍「真面目なのね……」

 

提督「そこは男して融通が利かないだけだと思う。悪いなこれは性分だ」

 

雲龍「はぁ……大佐との間にある堀……直ぐに埋めてみから」

 

提督「距離があるような言い方だな」

 

雲龍「あるじゃない」ムスッ

 

提督「ははっ、お前もそういう顔をするんだな」

 

雲龍「大佐にだけよ」

 

提督「早速堀を埋めに来たか」

 

雲龍「どれくらい埋めれた?」

 

提督「さてな。取り敢えずこれを空けるまでにはそれなりの成果が出せるんじゃないか?」

 

雲龍「了解。雲龍突撃します」キリッ

 

提督「おい、記念すべき最初の戦果を酒にするつもりか」




雲龍の胸、とういかあの服は明らかに狙ってますよね。
中破グラもなんかいろいろと凄い気がします。

改造したいけど勲章が足りませんorz

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