提督の憂鬱   作:sognathus

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提督は泳げないわけではなりませんが、常に訓練で泳いでるわけでもないのでその泳ぎ振りは人並みギリギリです。
水泳大会の予定の調整も進んでいるので、大会が始まる前に何とか体に泳ぐ感覚を思覚えさせる必要に迫られていました。
でも海での息継ぎって素人にはプールと比べて結構キツイんですよね。
そんなことで苦労をしていると、潜水艦の子が話してきました。


第24話 「練習」

イク「大佐ー遊んでるのー?」

 

提督「思いの外ぐさりとくる言葉だな。まぁお前たちからすればそう見えるかもな」

 

イク「違うの?」

 

提督「ああ。水泳の練習をしてたんだ」

 

イク「大佐泳げないの?」

 

提督「いや、泳げはするが得意じゃない」

 

提督「だから練習してもう少しまともになるようにしてるんだ」

 

イク「そうなの。ねぇ、イクがコーチしてあげようか?」

 

提督「ん? 教えてくれるのか?」

 

イク「うん。イクがバッチリ泳げるようにコーチしてあげる!」

 

提督「それは正直助かるな。頼めるか?」

 

イク「分かったの!じゃぁまずは潜水からね。30mくらい潜って息を止める練習!」

 

提督「待て」

 

イク「え?」

 

提督「素人にいきなりそれは無理だ」

 

イク「そうなの?」

 

提督「ああ。そもそも息を止める必要がない」

 

イク「あ、そっか。イクったら潜水しか殆どしないから提督にも同じことをさせるところだったの。ごめんね」

 

提督「いや、いい。肺に空気を貯めるのも必要な技術の一つだからな」

 

提督「だが、今回は普通に泳ぐ方で頼む。フォームは分かるんだが効率がよくないみたいで直ぐに息が苦しくなってしまうんだ」

 

イク「分かったの。じゃぁクロールでいい?」

 

提督「ああ頼む」

 

イク「了解なの。クロールはぁ――」

 

 

そして数時間後

 

提督「ふぅ、どうだ?」

 

イク「うん。大分体が動くようになってきたの」

 

提督「そうみたいだな。最初と比べて息が大分楽になった」

 

イク「息継ぎがきれいにできるようになるだけで大分違うからね」

 

提督「流石にイクは潜水艦だけあって教えるのが上手いな」

 

イク「もう提督褒めても何もでないよ?」

 

提督「いや、もう十分薫陶を貰っている。これだけでもありがたい」

 

イク「うふふ。でも、大佐も上達は遅くないと思うよ?」

 

提督「そうか?」

 

イク「体自体は元々鍛えてたみたいだからイクの教え方にちゃんと着いてこれたみたい」

 

提督「やはり体力は大事だな。逆は言えば最初の練習はその体力が直ぐになくなるくらい無駄な動きが多かったという事か」

 

イク「そこまで自分で分かれば。もう一人でも大丈夫だと思うよ」

 

イク「後はひたすら練習して速くなるだけのはずなの」

 

提督「そうか分かった。教えてくれて恩に着る」

 

イク「大佐とイクの仲なの。気にしないで」

 

提督「いや、お礼をしよう。今度俺がお菓子を作るからそれを貰ってくれないか?」

 

イク「お菓子!?イク大好きなの!」

 

提督「そうか。クッキー......は前に作ったな。ケーキは好きか?」

 

イク「大好き!」

 

提督「よし、それじゃぁ今度作ったら呼ぶから貰いに来い」

 

イク「わかったの!大佐楽しみにしてるのー!」チャプンッ

 

 

提督「さて、もう少しだけ泳ぐか」

 

提督「......ん?」

 

提督(あれはハチか? 波に寝ながら乗って本を読んでいる)

 

提督(目はしっかり本に集中してるのに、よく見ると足で微妙に舵を取ってるみたいだな)

 

提督(前にレイスが言っていた加護もあるんだろうが、あれが潜水艦の実力か)

 

提督「......大したものだな」サバッ




この後提督は1時間ほど練習をしたそうです。
実は練習を終えた時点で前回の話に出ていたカナヅチ疑惑のある(この作品での独自設定)2人の艦娘より泳げるようになっている事にはまだ気づいていません。
がんばれ提督!
それと、残念!今回は水着回ではありませんでした。
まぁ、水着回だったらやっぱりR-15タグ付けてただろうしね。

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