提督の憂鬱   作:sognathus

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海の上に少女が浮かんでいるのを、ある提督が発見した。
その提督の艦隊は何故か彼も含めて身なりが全員半裸だった。


第11話 「捕獲」

丁督「……あ? なんだお前?」

 

磯風「い、磯風……だ」

 

丁督「あ?」

 

磯風「っ……磯風……です」

 

丁督「ん? ああ、悪い。ちょっと声が小さくて聞き返しただけだ。そっか磯風か」

 

 

丁督達は大佐達への支援を終えて帰路に就いている途中にある深海棲艦の群れを偶然発見した。

その群れは、今回の作戦に多くの戦力が向けられている隙に本土への直接攻撃をせんとする極めて危険な別働隊だった。

丁督達は当然の如く存在を確認した瞬間に戦闘態勢に移行、そして見事不意打ちに成功した。

 

偶然の発見ではあるが奇襲に成功し、初手こそ有利に進める事ができたものの、いざ交戦してみるとその部隊は、戦艦棲姫2隻からなる特一級の危険度に相当する精鋭中の精鋭だった。

丁督は、もしかしたらこの戦いで戦死するかもしれないと、心の中で久しぶりの強敵との出会いに興奮し、狂喜した。

彼の色にすっかり染まっていた部下の艦娘達も同様だった。

久しぶりに心の底から本気を出せるかもしれないと、凶暴な笑みを皆無意識に浮かべ、中にはエクスタシーまで感じて絶頂する者までいた。

 

が、結局結果は敵側も奮闘したものの、味方側少破数隻、敵側完全沈黙による戦果Sクラスの勝利で終わった。

お蔭で丁督達は若干不完全燃焼気味となっており、艦隊の空気はぎすぎすして最悪のものとなっていた。

これは、乱交でもして皆のストレスを晴らすしかないかと、全員が高速艇に集まり脱衣し始めた矢先に磯風は彼らに偶然見つかったのだ。

はっきりいってお互い第一印象が最悪の出会いだった。

 

磯風(な、なんで? なんでこの人たち裸になろうとしていたの?)

 

基本的に勝ち気で男勝りな性格だった磯風だが、発見されて早々この異様な集団に心を折られてしまった。

対して丁督達はこの時点ではまだ機嫌が悪い状態だった為に、不意に現れた艦娘に敵意の籠った視線を投げてしまい、更に彼女の心を折る形となってしまったのだ。

 

 

ーーそして現在に至る。

 

磯風「あ、あの……わ、私……」プルプル

 

丁督「あー、さっき潰した敵から艦娘に戻ったのか?」

 

磯風「は、はい。そう……だ…...と、思います」

 

丁督「なるほどなー。駆逐艦かぁ」

 

長門「いいのではないか? うちは駆逐艦もそんなに多くは無いわけだし」

 

丁督「いや、別に拒むつもりはねーよ。ただほら、駆逐艦の新米なんて久しぶりでさ」

 

金剛「Oh そういえばそーネ。ふふっ、雷久しぶりの後輩で喜びそーネ」

 

磯風「……」

 

磯風はまだ震えていた。

会話の内容があまり穏やかに聞こえなかったからだ。

 

磯風(私もしかして凄く怖い所に配属になっちゃうかも……)

 

翔鶴「あの……提督、仲間同士の会話はその辺にしておいた方が……。磯風ちゃんすっかり怯えちゃってますよ?」

 

丁督「へ? あ、ああ。なんか不良っぽい会話に聞こえちまったか」

 

加賀「あながち間違いとも言い切れませんけどね」

 

磯風「……っ」ビクビクッ

 

大井「ちょっと加賀さん」

 

加賀「失言でした。失礼」

 

丁督「あー、磯風?」

 

磯風「は、はいっ」ビクッ

 

丁督「いや、悪い悪い。怖がらせるつもりはなかったんだ。いきなりこんなの見せつけられて不安かもしれないが、俺達は……あー、まぁそんなに悪い奴じゃないぞ?」

 

日向「提督……そんなにとか言ってしまったら、少しは悪い奴という風にも取れてしまうぞ?」

 

磯風「……」ジワッ

 

丁督「ああっ、泣くな泣くな! ほら、今のは表現だ。言葉のあやだ。俺達はちょとガラが悪いだけで一応これでも海軍の中では期待されている戦力なんだぜ?」

 

長門「階級は未だに中佐だけどな」

 

金剛「部隊も少ないから big な作戦は support くらいしかできないけどネー」

 

日向「ついでに資材を使いまくるから本部からの印象も悪いけどな」

 

加賀「オマケに提督も含めて基地の所属員は全員が好色で淫乱……風紀の乱れもここまで来てしまったかという感じです」

 

丁督「お前たちなぜそれを今ここで、このタイミングで言いやがる……」

 

磯風「……」

 

大井「わ、わたしは言ってませんよ?」

 

翔鶴「私も言ってませんからね!?」

 

提督「そうだな。じゃぁ有難い補足を入れてくれたそこの4人には、お礼に暫くセックス抜きにしてやろう」

 

長門・金剛・日向・加賀「!?」

 

大井「て、提督私達は……?」

 

提督「ああ、お前たちは基地に帰ったらちゃんと相手して……いや、愛してやる」

 

翔鶴「提督ぅ……♪」ポッ

 

長門「ま、待て提督! さ、さっきのはだな……!」

 

金剛「NO! 提督ゥ! sorry ネ! だから……だからぁ……!」ジワ

 

日向「し、暫く……? 提督から暫くと言う言葉は初めて聞いた気がする……い、一ヶ月か? い、いやもしかしたら……?」ガクガク

 

加賀「私は今から提督の犬です。犬は主人には絶対服従するもの。だから許してください。お願いします」

 

丁督「ああ? 聞こえんなぁ?」

 

長門・金剛・日向・加賀「提督!!」

 

磯風「ぷっ……くすす」

 

丁督「お?」

 

磯風「ふふふ、あははははは」

 

丁督「やっと笑ってくれたか? 少しは緊張は取れたか?」

 

磯風「はい。ええ……本当にガラが悪くて淫乱そうだが、悪い人じゃないんだな提督は」

 

丁督「だからそう言ってるだろ」(口調も本調子に戻ったか)

 

磯風「……私にも手を出すのか?」

 

丁督「信じられないかもしれないが、俺は自分から手を出したことは無い。全員要求されて同意した上での関係だ」

 

磯風「あら、そう。じゃあ私は大丈夫なのね?」

 

丁督「ああ、お前が俺に惚れなければな?」

 

磯風「面白い人……それに凄い自信……いいわ。磯風、これより貴方、提督の指揮下に入ります!」

 

丁督「そうか、ありがとな。よろしく」

 

長門「な、なんだ。やっぱりこれは磯風の奴を安心させる為だけの……」

 

丁督「いや、あれはマジだ」

 

長門・金剛・日向・加賀「 」

 

磯風(あ、白くなった。表情もなんか……)

 

大井「大井よ。 これからよろしくねっ」

 

翔鶴「翔鶴です。困った事があたら提督や私を頼ってね♪」

 

磯風「あ、うん。宜しくお願いする」

 

提督「よっし、じゃ帰るか。半端になって悪いが、お前ら服着ろよ」

 

大井「あ、そういえば私達下着だけね」

 

翔鶴「あら、本当。きゃっ」ポッ

 

磯風「……」(本当にこの艦隊大丈夫かな……)




という事で筆者は磯風ゲットできなかったので、他の人に迎えてもらうことにしました。
磯風、せいぜい惚れないように頑張ってくださいw

でも筆者もいつか欲しいですね。
あ、浦風も欲しいなぁ。

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