提督の憂鬱   作:sognathus

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MI作戦参加組、なんやかんやで順調にボス手前まで到達してます。
作戦は無事成功するでしょうか?


第7話 「成功」

~MI島沖

 

武蔵「こちら武蔵。今からMI作戦の最終目標、島確保の任務を開始する」

 

提督『……了解した』

 

武蔵「大佐? どうかしたか?」

 

提督『いや、長い作戦で疲労しているだろうが、これが最後だ。健闘を……いや、全員無事の帰還を願う』

 

武蔵「大佐……。参ったなそんな嬉しい事を言われたら気が抜けてしまうじゃないか。だが、了解した。必勝・必生を約束する」

 

提督「頼んだ……待っているぞ」

 

プッ――

 

 

武蔵「聞いたか?」

 

長門「ああ、これはもう絶対に成功させないとな」

 

金剛「うぅ、大佐に凄く会いたくなっちゃったヨ……」

 

Bis「これはもう、帰ったらたくさん甘えるしかないわね!」

 

加賀「煩悩は少し抑えて下さい。こちらも我慢しているのです」

 

加賀はそう言って胸元からある物を大事そうに取り出し、それを見つめ始めた。

 

赤城「! 加賀さん、それ! 大佐の写真!?」

 

利根「何じゃと!?」

 

加賀「意外ですね。誰もこういうのは持ってないんですか?」

 

筑摩「……なんで考え付かなかったんでしょう」ズーン

 

神通「あ、あの……最後の作戦なのに士気を下げるのは……」

 

響「……」プイッ

 

時雨「どうしたの? 響。悔しいの?」

 

榛名「し、時雨ちゃん!」

 

木曽「ふっ……、ははははは。なんだよこれ、最後だって言うのに締らないな!」

 

目に涙を滲ませて可笑しそうに笑う木曽。

 

長門「全くだ。だが、実に私達らしい。なぁ?」

 

武蔵「ふっ、そうだな。さて、気を抜くのも大事だが、それぐらいにしておけよ。そろそろ、行くぞ」

 

金剛「リョーカイ!」

 

響「……Да-с(ダー)」

 

時雨(あ、ロシア語? 恥ずかしさを隠してるのかな)

 

神通「あ、レイスちゃん達が戻って来ましたよ!」

 

 

Z1「ただいま! 敵を確認して来たよ!」

 

長門「戦力は?」

 

Z3「確認した感じ、あれは姫級の空母だと思うわ」

 

龍驤「取り巻きはフラグシップクラスの軽空母ヌ級2隻、同クラスの戦艦ル級と駆逐艦ニ級の……あれは、多分最新型やな」

 

武蔵「ふむ……どれも出撃前に軍の調査資料を見た限り、その中でも最近確認されたものばかりみたいだな」

 

利根「相手の力が判らないという事か? それくらいで吾輩は怖じづいたりはしないぞ!」

 

筑摩「姉さん、落ち着いて下さい。それはみんな同じですよ」

 

響「寧ろここまでの道のりは、元々ないものだと思っていた道中支援もあったからね。正直今の時点の響達の戦力はまったく消耗していないよ」

 

加賀「その通りです。加えて今から出向く最後の戦いには大佐の友人、中佐殿の支援があるとの事。慢心と油断さえしなければ……ただ前に集中すればいいのです」

 

赤城「本当に……中佐殿には感謝ですね」

 

長門「そうだな。なら私達も自身の活躍をもって感謝を伝えるとしよう」

 

神通「皆さん準備はよろしいですか?」

 

Z1「勿論、大丈夫だよ。いつでも!」

 

Z3「ここまで来て負ける事なんか考えられないわ」

 

龍驤「ええ気合や! うちも行けるで!」

 

飛龍「蒼龍?」

 

蒼龍「大丈夫だって。そっちこそしっかりやってよね」

 

木曽「よしっ、皆覚悟はいいみたいだな。なら行こうぜ!」

 

長門「了解した。ならば――」

 

武蔵「出撃だ!」

 

 

 

~某鎮守府提督執務室

 

提督「皆、ご苦労だった。よく帰って来てくれた」

 

金剛「当ったり前ヨ! 約束したじゃナ――」

 

Bis「大佐っ、ただいま! 作戦成功させたわよ! 抱き締s」

 

比叡「ああっ!? な、なに一人だけズルイで――」

 

提督「!!」ビクッ

 

ササッ

 

マリアが提督に抱き着こうとしたその瞬間、提督は驚異的な身のこなしで彼女を紙一重で躱した。

 

Bis「え……? っわぷっ」ビタンッ

 

比叡「え?」

 

丁督「お?」

 

艦娘達「……」

 

 

提督「……こほん、失礼した。マリア、すまないがそういうのは後だ。金剛もいい――」

 

トコトコ

 

神通「あ、響ちゃんっ」

 

響「……」

 

ギュッ

 

提督「響?」

 

響「大丈夫。怖くないよ。響は皆とは違うから」

 

響以外の艦娘「!!」

 

丁督「ほほう?」ニヤリ

 

提督「響お前何を――」

 

金剛「そうネ! 大佐、どういう事ヨ!? 大佐はワタシ達が怖いの!? だから避けたノ!?」

 

Bis「ええっ!?」ブワッ

 

加賀「大佐、ご説明願います」

 

提督「お前たち落ち着け。作戦から戻ってきたばかりだろう。こんな規模の作戦を成功させたんだ。その祝辞くらいさせ――」

 

利根「そんな事はどうでもいいのじゃ! 大佐は、吾輩達を恐れているのか!? そうなのか!?」

 

提督「ど……どうでも……」

 

筑摩「大佐っ、筑摩も教えて欲しいです!」

 

ワー、ワー!

 

 

北上「なに? これなんの騒ぎ?」

 

時雨「大佐が僕達の事怖がってるんだって」

 

北上「へぇ? どうせまぁ勘違――」

 

不知火「聞き捨てなりません。不知火は怖くないです」

 

陽炎「や、怖いわよ? 今の不知火」

 

摩耶「大佐っ、聞いたぜ! こ、この態度は照れ隠しなんだからな!? 誤解するなよ!?」

 

飛龍「そ、そうなの……? 怖がってるの?」ウルッ

 

蒼龍「勘違いだと思うんだけどなぁ」

 

長門「……木曽、止めてくれ」

 

木曽「いや、いくら長門姐に言われても……。それに、ほら……」

 

長門「ん?」

 

長門が木曽が指を指した方向を見ると、そこには武蔵が涙目になって駆逐艦達と一緒に提督に言い募る姿が見えた。

人目を憚らずに子供の様に提督に自分は怖くないと必死に訴えるその姿は、先程までの頼もさは最早どこにもなかった。

 

武蔵「せ、戦艦だから怖いのか!? なら大丈夫だ! 私は大和型、他の戦艦とは違うぞ!」

 

丁督「くっくっく……ふく、ははははははっ」

 

長門「中佐殿、笑ってないで止めて貰えると助かるのですが」

 

丁督「いや、悪いが断る。こんな光景俺の鎮守府では見る事ないからな。面白い」

 

神通「性格悪いですよ……」

 

丁督「悪いな。ま、これも一種の幸せ? ってやつだろ。ま、俺はこれでお暇する。またな」

 

長門「ふぅ……。支援ありがとうございました。大佐に代り、改めてお礼を申し上げます」

 

神通「ありがとうございました」

 

丁督「まったく、出来た女達だな。いいっていいって。もうそれで十分来た甲斐があったってものだ」

 

神通「また何か御用がありましたらいつでも」

 

丁督「ああ。なるべくそうならないように気合入れるわ。じゃーな」

 

 

神通「……どうします? この収集」

 

長門「なんか考えるのが面倒になってきた。私達も一緒になって混ざるか?」

 

神通「大佐が困りますよ?」

 

長門「ああ、一緒になって困らせ(甘え)よう」

 

神通「……」

 

長門「どうだ?」

 

長門が悪戯っぽい笑みを浮かべて神通に問うた。

 

神通「いいですね」ニコッ

 

言葉に含まれた意味を悟った神通が、顔を赤らめながら同じ笑みを浮かべて同意した。

 

長門「じゃぁ行こうか。大佐の奴、珍しく混乱してるみたいだぞ。チャンスだ」

 

神通「そうですね。お助けしましょう♪ 大佐っ」




ALに続いて肝心の戦闘描写はカットであっさり終了させてしまいました。
ごめんなさい戦闘描写とか苦手なんです。

え? 投稿が遅いのはそれが原因ではありません。
マイ○ラとモバ○スにちょとハマ――。

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