提督の憂鬱   作:sognathus

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提督が所属している鎮守府は1年中温暖な気候なので、夜に気分転換で散歩するのには最適です。
提督もそんな散歩を密かに楽しんでいる一人です。
基地の周りを少し歩くだけですが、顔を撫でてくれる潮の香りが乗った夜風はとても優しく心地良いです。
提督が基地の周りを半周ほどした頃誰かを見つけたようです。


第23話 「散歩」

提督「川内か? こんなところで一人で夜戦か?」

 

川内「いくらわたしでも誰もいない所で夜戦なんかしないよ! ていうかできないじゃん!」

 

提督「分かってるじゃないか。で、何してるんだ?」

 

川内「提督と同じだよ、散歩。気持ち良いからね」

 

提督「ところで、さっきお前は一人と言ったが本当か?」

 

川内「え?」

 

提督「俺には一人で来たようには見えないんだが」

 

川内「な、なに......言ってる......のよ? 私此処までずっと一人だったよ?」

 

川内「わたし以外にだ、誰かいるなんて......そんなわけ」

 

響「居るよ?」

 

川内「いやぁあぁぁぁぁあああああ!!」

 

響「こんばんわ。いい夜だね」

 

提督「そうだな。だが驚かせ過ぎだ」

 

響「大佐は驚いてないみたいだけど?」

 

提督「最初から後ろを着いて来てるのに驚きようがないだろ」

 

響「気づいてたなら声を掛けてくれたっていいじゃないか」

 

響「川内を見つけるまでちょっと寂しかった」

 

提督「それなら今度からちゃんと声を掛けるんだな。ところで」

 

響「何?」

 

提督「いい加減、お前の前で泣いている川内を慰めてやらないか?」

 

響「そういうのは男の人の役目だと思うんだけどな」

 

提督「泣かせた本人が謝罪するのが先だ。そうだろう?」

 

響「そうだね。うん、ごめんなさい。川内、大丈夫?響だよ」

 

川内「ひっく、う、う......え?」

 

提督(さっきまでの会話に気づかずに泣いていたのか。響の気配の消し方は大したものだな)

 

響「川内、ごめんね。ちょっと脅かせたかったんだ」

 

川内「ば、バカァァァァァ!!」

 

 

~それから数分後、鎮守府正面入り口付近

 

川内「大佐、そのわたしが泣いてたのは......」

 

提督「誰かに言う事ではない。安心しろ」

 

響「うん。安心して?」

 

川内「あんたが一番信用できないのよ!!」

 

提督(確かに)

 

響「そう?」

 

川内「そうよ!」

 

提督「そういえば響も散歩していたのか?」

 

響「トイレに起きたら窓から大佐が見えたから着いてきたんだ」

 

提督「そうか。だが、これからはあまり一人で行かないように」

 

提督「平気かもしれんが一応用心しておけ」

 

響「大佐だって一人で散歩してたじゃないか?」

 

提督「俺は大人だからな。というズルイ言い方はするつもりはない」

 

提督「これからは誰かに断わってから行くことにしよう」

 

響「なら、これから大佐が散歩に行くとき響も一緒に連れて行ってくれないかな? 2人だったら問題ないだろう?」

 

提督「まぁ、起きていたらな」

 

響「了解。頑張る」

 

提督「頑張るな。寝ろ」

 

川内「ちょ、ちょっとさっきから2人だけで話勧めないでよ! わたしは連れて行ってくれないの?」

 

提督「夜戦はできないぞ?」

 

川内「だからそんな事分かってるってば!!」

 

響「響は大佐と2人が良かったな」

 

提督「子供には保護者が必要だ。我慢しなさい」

 

響「ちぇっ」

 

川内(ほ、保護者? ていうことはわたしが響のお母さんで大佐が旦那さん?)

 

提督「ヘソを曲げるな。起きていたらちゃんと誘ってやるから」

 

川内「ちょ、ちょっとまだそれは早いと思うんだけど!?」

 

提督「川内は一体何の話をしてるんだ?」

 

響「なんだろうね。お父さん?」




川内可愛いですよね。
でも名取の方が好きです。(久しぶりのこのパターン)
夜戦のセリフでよくネタにされる川内ですが、見てのとおり子供なのであまり弄るのはよくないと思います。
放置ボイスの良さは否定できませんが。

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