提督の憂鬱   作:sognathus

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レ級達が大佐に例の話(*第四部第58話参照)をする為に基地に忍び込んだようです。


第60話 「侵入」

そ~……コソッ

 

レ級「……」キョロキョロ

 

ヲ級「どう?」

 

レ級「うん。誰も居ない」

 

ル級「チャンスね!」

 

タ級「でも変じゃない? この時間帯に執務室に秘書艦どころか大佐も居ないなんて」

 

レ級「きっとトイレだよ」

 

ヲ級「そうだよ!」

 

ル級「そう……かしら?」

 

タ級「……まぁ誰も居ないなら機を逃す事もないわね。でもちゃんと警戒するのよ?」

 

レ級「はーい」ヨジヨジ

 

ドテッ

 

窓からよじ登ったレ級は部屋に何とか入ったものの、窓枠に足をひっかけてしまい盛大にこけることによって侵入を果たした。

 

タ級(言ってるそばから!)

 

ヲ級「レ級大丈夫!?」

 

レ級「いてて……大丈夫。気付かれて……ないみたい」

 

ル級「ほっ」

 

ヲ級「じゃ、わたしも行くね。んちょっと……」ヨジヨジ

 

ヲ級も危なげに窓をよじ登って侵入に成功するが、窓から部屋に身を乗り出した瞬間上半身から部屋に転げ落ちた。

 

ゴロン

 

ヲ級「わぷっ」

 

タ級「あなた達ね……」

 

タ級は眉間に手を当てて悩ましげな表情をした。

 

ル級「二人とも背が低いからね。次は私っ……っと」

 

スルッ

 

ル級は先の二人と打って変わり、窓枠に両手を掛けると勢いをつけて危なげなく飛び越えて侵入した。

 

レ級「ズルイ!」

 

ヲ級「卑怯!」

 

ル級「ええ!?」ガーン

 

タ級「何やってるんだか……。ふっ……!」

 

ヒョイッ

 

タ級もル級と同じ要領で軽快な動作で片手で飛び越えた。

 

レ級「すごーい!」

 

ヲ級「カッコイイ!」

 

パチパチ

 

ル級「なんでぇ!?」ウル

 

タ級「騒がないの。……確かに誰もいないわね」キョロキョロ

 

レ級「あ、もう一つドアがあるよ。ここも調べてみよう!」

 

タ級「あれは、大佐の私室ね、多分」

 

ヲ級「え? 大佐の部屋に入るの?」

 

ル級「お、男の部屋に……」ポッ

 

レ級「え? これ大佐の部屋なの? へぇ、どんな部屋なんだろ」キラキラ

 

タ級「目的見失ってるわよ。他人のプライベートはあまり侵害したくないけど……まぁ仕方ないわね。行くわよ」

 

レ級・ル級・ヲ級「はーい」

 

ガチャ

 

 

タ級「……あ」

 

レ級「誰か居た? 大佐?」

 

タ級「そう……ね。大佐が居たわ」

 

ル級「わわっ。き、気付かれちゃった?」

 

タ級「いえ……寝てるみたい」

 

ヲ級「今お昼だよ? まだ寝てるの? ぷぷ、おねぼーさんだね」

 

レ級「大佐寝てるの? ねぇ、入れて! どんなのか見たい!」

 

タ級「ちょっと、押さないでよ。はい」

 

トテトテ

 

 

ル級「あ、本当に寝てる」

 

ヲ級「寝て……あれ?」

 

レ級「大佐の寝顔いっただきー!」テテッ

 

タ級「あ、こらっ」

 

レ級「くふふ、大佐のどんな顔をして……ん?」

 

タ級「どうしたの?」

 

レ級「確かに寝てるんだけど、だけど……なんか……」

 

ヲ級「元気がない?」

 

レ級「うん。そんな感じ?」

 

ル級「えぇ? あ、ホントだ」

 

タ級「……疲れて寝てるのとはちょっと違うわね。意識がないみたい」

 

レ級「大佐病気なの?」

 

ル級「違うと思う。気力は確かに弱いけど、活力はちゃんとあるみたい」

 

ヲ級「そうね。多分電気の充電みたいに大佐も今体力を貯めてるのよ」

 

レ級「へぇ……つまり疲れて寝てるけど、体力が戻るまで起きないって事?」

 

タ級「恐らく」

 

 

レ級「そうなんだ! それなら……」

 

タ級「あ、ちょっとレ級? 何を……」

 

グニッ、グニッ

 

提督「……ぐむ」

 

レ級「ぷっ……く、あはは。変な顔ー♪」グニグニ

 

ル級「……ぷっ」

 

ヲ級「あ……くふふふ」

 

タ級「何やってるのよ……」

 

レ級「お話できないならちょっと遊んで帰ろうかなぁって」

 

タ級「だからって眠ってる人に……」

 

ヲ級「わたしもやる!」

 

ル級「え? あ……わ、私も!」

 

タ級「あなた達ねぇ……」

 

ガチャ

 

 

レ級「あ」

 

ル級「え?」

 

ヲ級「ん?」

 

タ級「……」

 

赤城「……ふふ」ビキビキ

 

タ級「逃げるわよ!」ダッ

 

レ級「ちぇーもうちょっとあそ――」

 

ビュッ

 

ル級「きゃっ」

 

赤城「逃がすか!! ふん捕まえてやるんだから!」ゴゴゴゴ

 

ヲ級「きゃー♪」

 

タ級「余裕かましてるんじゃないの! そんな事したら……」

 

赤城「もう容赦しないわ! 覚悟しなさい!」

 

レ級「最初から本気のクセにー。ま、今日は帰ろっか」

 

ル級「早く早く!」

 

タ級「ごめんなさいね。この子達にはちゃんと言っておくから!」

 

赤城「にーがーすーかぁぁぁぁ!!」ズゴゴゴゴ

 

レ級・ヲ級「わー♪」

 

ル級「ひぃぃ」メソ

 

タ級「全くなんでこんな事に……」




さて、次の話で大佐が目を覚まします。(予定)

ネタが溜まってるので暫くはスランプになる事もなさそうです。

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