提督の憂鬱   作:sognathus

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提督は今日は食堂で食事を摂るようです。
ふと隣を見ると丼一杯のごはんが5個も並んでます。
提督は特に驚きもせず、食事を始めようとすると、ご飯の壁をかき分けて声を掛けられました。

何だよ......ご飯の壁って。


第22話 「ご飯」

赤城「あ、大佐じゃないですか。今日はここでご飯ですか」

 

提督「俺が食べるのは定食だ。お前はご飯しか食べないのか」

 

赤城「あはは。おかずが足りなくなるからご飯で我慢しろって言われちゃって......」

 

提督(こいつを食事に誘ったらどうなるんだろうな。下手に味を気に入られたらと思うと結果を想像するのが怖い)

 

提督「ご飯だけで満足できるのか?」

 

赤城「いえ、おかずも有りますよ? 一人分なのでこれを5等分して少しずつ食べるんです」

 

提督「空母赤城とは思えないほどいじましい食べ方だな」

 

赤城「そうですよね? そう思いますよね? 私にはもっとエネルギーが必要なんです」

 

提督「そういう事を言ってるんじゃない。少しは調整して消費を抑えたらどうだ?」

 

赤城「そんな事ができるならとっくにやってます!」

 

提督「改善しようとした事はあるのか」

 

赤城「ありませんよ?」

 

提督「今しろ。直ぐにだ」

 

赤城「大佐は私が嫌いなのですか?」

 

提督「お前と言い、加賀と言い、どうしてこう会話の流れが予測困難なんだ」

 

提督「別に嫌ってない」

 

赤城「良かった好きなんですね♪」

 

提督(これは突っ込むのはやめておこう。嫌な予感しかしない)

 

赤城「黙ってしまって......照れてるんですか?」

 

提督(艦載機に囲まれて逃げ場を失うってこいう気持ちなのかもな)

 

提督「お前は加賀と違って表情豊かだな」

 

赤城「あら? 加賀さんだって大佐が思っている以上に感情豊かなんですよ?」

 

提督「そうなのか?俺はポーカーフェイスで言葉の追撃を受けた記憶が殆どなんだが」

 

赤城「その時の言葉の節々に感情が籠ってるあるんですよ。分かりません?」

 

提督「言いたいことはまぁ分かる」

 

赤城「流石ですね。ご褒美に少し食べます?」

 

提督「俺の米はまだ十分に残ってる。ご飯をおかずにしろとでも言うのか」

 

赤城「え? おかずもうありませんよ?」

 

提督「なに?」

 

提督「......いつの間に」

 

赤城「私じゃありませんよ?流石に人のおかずに手を付けたりなんかしません」

 

提督「じゃぁ何処に......」

 

赤城「野良猫発見です♪ 彗星一二最低火力で泥棒猫を艦爆しなさい」

 

多摩「にゃにゃ!? ちょっと待つにゃ! 流石に基地でそれは......!」

 

赤城「私の艦載機の運用技術甘く見ちゃだめよ? さ、火傷くらいは覚悟しなさい」

 

多摩「にゃぁあああ!? ごめんなにゃ。許し――」

 

赤城「発進♪」ニコッ

 

パパパッ 「ニャァァァ!?」 ボンボンッ 「アツイニャァァァ!!」

 

 

提督「......恐ろしいな」

 

赤城「食べ物の恨みは怖いんですよ。まして、大佐の食事を盗むだなんてちょっとお仕置きが必要ですしね」

 

提督「まぁ、お前なら問題ないだろう。多摩には悪いが自業自得か」

 

赤城「ふふ、話が分かりますね大佐。それで、どうです? ご飯」

 

提督「まだ勧めるか。......塩を貰おうか」

 

赤城「分かってますね♪」




俺の最初の主力空母は赤城でした。
今でこそレベルは加賀さんに負けますが、それでも強い事には変わりないです。
一体いつからこんな愛嬌のある空母になったんでしょうね。
久しぶりに使ってみようかな。

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