提督の憂鬱   作:sognathus

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大佐を追いかけていた武蔵達は、今は車に乗って大佐を追跡していいます。
車まで使って大佐は何処に行くつもりでしょう。


第42話 「おいかけっこ」(中編)

青葉「大佐発見! 只今大佐の後方より20mの位置です」

 

瑞鳳「そんな事言わななくたって分かるわよ。一緒にいるんだから」

 

武蔵「まさか車で移動するとはな。レンタカーが間に合ってよかった」

 

青葉「軍の所属証見せたらあっさり貸してくれましたね。良かったぁ」

 

瑞鳳「いくら私達の事信用しているからって所属証だけで貸すのもどうかと思うけどね」

 

武蔵「ふっ、そこは我ら大日本帝国海軍の威信の賜物......いや、大佐が献身的にここの地域を守ってくれているお蔭だな」

 

青葉「大佐の指揮のお蔭で未だ青葉達は此処の人たちに被害を及ぼしていないですからね。流石大佐です!」

 

瑞鳳「まぁあまりべた褒めはしたくないけど、わたし達だけじゃあんなに上手く動けないものね」

 

武蔵「うむ、やはり主人あっての私達なんだよ。お、大佐の車が止まった」

 

青葉「あ、距離取って下さいね。気付かれてしまいます」

 

瑞鳳「いったん通り過ぎて......あ、あそこの端に停まろう! 幅員が広がってる」

 

武蔵「よし」

 

ブロロロロロ......キッ。

 

 

青葉「ここは......」

 

武蔵「石段だな......神社か?」

 

瑞鳳「ここ、一応日本領だけど、日本じゃないよ?」

 

青葉「大佐はここを上ったのでしょうか」

 

武蔵「高いな......一体何段、何メートルあるんだ?」

 

瑞鳳「木が生い茂ってトンネルみたいに石段の上を覆ってるね......涼しいけどなんか......」

 

ヒュゥ~

 

瑞鳳「ひゃっ」ピト

 

青葉「ひっ」ピト

 

武蔵「お前達......」

 

青葉「あ、あはは。ご、ごめんなさい武蔵さん。ちょ、ちょっと手を繋いでいてもらえますか? できれば階段を上がりきるまで」

 

瑞鳳「ず、瑞鳳も!」

 

武蔵「仕方ないな。ほら瑞鳳は私の方に乗れ、肩車だ。青葉は抱いて行ってやる」

 

瑞鳳「えっ、そ、そんな悪いよ。流石に自分で歩ける......」

 

武蔵「遠慮するな。ほらっ」ヒョイ

 

瑞鳳「きゃっ、ぱ、パンツ見えちゃ......」

 

武蔵「こんな所で見るやつなんていなさいさ。ほら、青葉も」

 

青葉「え、えっと......抱くっていうのはしがみ付くような抱かれ方ではありませんよね? も、もしかしてお、お姫さ......」

 

武蔵「その通りだ。よっ」スッ

 

青葉「きゃぁっ」

 

武蔵「これでよし」

 

青葉「あ、あう......ちょ、ちょっとこれは恥ずかしいですね」

 

瑞鳳「二人も抱えて......お、重くない?」

 

武蔵「私は戦艦だぞ? しかも大和型だ。速さではお前達に負けるが、事体力に関しては言うに及ぶまい? 勿論膂力もだ」

 

瑞鳳(ほんと涼しい顔してる......)

 

青葉(凄いなぁ......)

 

武蔵「ふふ、二人とも得心がいったようだな。さ、上るぞ」

 

青葉「よ、宜しくお願いします」

 

瑞鳳「あ、ありがと......」

 

武蔵「ふっ、先ずは一段っと」

 

 

提督「......?」

 

提督(何か下の方で聞こえたような。気配.......?)

 

提督「......ここを使う人、俺以外にもいるんだな」

 

提督「......」クル

 

提督(さて、もうひと踏ん張りだ)

 

 

武蔵「......」スッ

 

武蔵「どうだ瑞鳳何か見えるか?」ヒソ

 

瑞鳳「うーん......」キョロキョロ

 

瑞鳳「あ、いたっ。大佐見つけたよ。なんかおっきな木の前でしゃがんでる」

 

武蔵「木の前でしゃがんでる? ......見当がつかんな。なにやってるんだ? おい、青葉。お前何か――」

 

青葉「にへへ......武蔵さんのおっぱいふかふ......」

 

武蔵「......」パッ

 

青葉「ひゃあっ!?」

 

トスッ

 

武蔵「起きたか」

 

青葉「あ......え? ああ、あはは。お、おはようございます」

 

武蔵「おはよう。よく眠れたうようで何よりだ。そんなに気持ち良かったか」

 

青葉「え、えっとそれは、その......!」アセアセ

 

武蔵「冗談だ。それより聞け――」

 

 

青葉「うーん......」ジー

 

武蔵「どう見る?」

 

青葉「何か......お祈り?」

 

瑞鳳「やっぱりそう見える?」

 

武蔵「まぁ妥当だよな」

 

青葉「あのおっきな木、わざわざ日本で使われているのと同じしめ縄が巻かれてますし、多分間違いないかと」

 

武蔵「鍛錬の一環か? 最後に神木に祈願して無事を祈るとか」

 

瑞鳳「あ、それなんか大佐っぽい」

 

青葉「ですねぇ。でもなーんかそれにしては大佐の雰囲気が......あ」

 

武蔵「どうした?」

 

青葉「し、しまった......見失っちゃいました! 大佐の姿が......」

 

武蔵「なに? もっとよく探せ」

 

瑞鳳「わ、わたしも探すっ」

 

 

「その必要はないぞ」

 

 

武蔵・青葉・瑞鳳「え?」

 

提督「お前達、着いて来ていたのか」




前篇、後編では無理でしたね。
じゃ、前・中ってことで次で終われるようにします。
お休みっ!

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