提督の憂鬱   作:sognathus

224 / 404
執務室を異様な暗い空気が漂っています。
提督とその日の秘書艦である古鷹は揃って沈鬱な表情をしています。
一体何が......。


第39話 「ピンチ」

榛名「榛名、改造完了! リニューアルされて帰って来ました!」

 

提督「......」

 

古鷹「......」

 

榛名「帰って......え?」

 

古鷹「はっ。は、榛名さん! 大佐、大佐! 榛名さんですよ! 改造を受けて帰って来ましたよ」ユサユサ

 

提督「はっ」

 

榛名「大佐? 古鷹さん......?」

 

提督「ああ、榛名か。うん、改造を受けて来たんだな」

 

榛名「ええ。そうです! どうですか?」クルーリ

 

提督「......あ、ああ。いいぞ。いい感じだ」

 

榛名「......へ?」

 

古鷹(大佐!)

 

榛名「あの、大佐どうかしました? なんだか様子が......」

 

提督「......」

 

古鷹「大佐!」ヒソ

 

ギュムッ

 

提督「!」

 

榛名「あのー......」

 

提督「榛名」

 

ギュッ

 

提督「すまない。お前の姿にちょっと見惚れていた」

 

榛名「え......? そ、そんなぁ」カァ

 

古鷹(ああ......凄い動揺してる。こんなに褒める大佐見た事ないよ......)

 

提督「榛名、よく戻って来た」ナデ

 

榛名「大佐ぁ......」スリスリ

 

提督「改造した甲斐があった」ナデナデ

 

榛名「ああん、大佐......」トローン

 

提督「ふっ......お前の前では資材なんて霞む......」

 

古鷹(大佐ぁ!)

 

榛名「そんなぁ......褒めすぎですぅ」テレテレ

 

古鷹「......」

 

榛名「大佐、何だか今日の大佐凄く優しいですね」

 

提督「ああ、今の俺はお前の為なら何でも......」

 

古鷹「ちょ、大佐それはだ――」

 

榛名「古鷹さん」

 

古鷹「!」ビクッ

 

榛名「今、凄く良いところなんです。邪魔......しないで下さいね?」ニコォ

 

古鷹「ひぃっ」

 

榛名「あ、大佐ごめんなさい。今なんて......大佐?」キョロキョロ

 

提督「古鷹大丈夫か?」

 

古鷹「......え?」ブルブル

 

提督「怖い思いをさせてしまったな」ギュッ

 

古鷹「きゃっ......あ......え......?」

 

榛名「!?」

 

提督「すまないな......」ナデ

 

古鷹「そ、そんなやめ......いや、そうじゃなく......はう」カァァ

 

榛名「古鷹さん......」プルプル

 

古鷹「あ......大佐ぁ......た......はっ!」

 

榛名「......」ゴゴゴ

 

古鷹「!!」

 

提督「古鷹?」

 

古鷹「た、大佐はな、離して......!」ジタバタ

 

提督「ふるた......? っ」グラ

 

ポヨン

 

榛名「キャッチです♪ もう、大佐ったら急にいなくなっちゃうんですから」

 

提督「はる......」

 

榛名「大佐......ん」

 

チュウ

 

提督「む......んぐ......」

 

古鷹(人の目の前で何してるのー!?)

 

榛名「っふ......大佐、さっき大佐は榛名の為なら何でもしてくれるって言おうとしませんでした?」

 

提督「......俺は」ボー

 

古鷹(あ、正気に戻って来た)

 

榛名「じゃぁ、ここで榛名と......」スルッ

 

古鷹「ちょっ」

 

榛名「ふふふ......」

 

バッ

 

榛名「むんぐ!?」

 

叢雲「はい。却下。ダメよダメ。全く、何やってるのよ」

 

初春「ふふふ、危なかったのぉ大佐。いや、惜しいことしたか、の?」

 

古鷹「む、叢雲さん、初春さぁん!」ウル

 

榛名「っぷは、え、あ......」

 

叢雲「榛名さん、自分を見失っちゃダメよ。良い子なのがあなたの取り得でしょ?」

 

初春「ま、今回は大佐がほぼ原因じゃ。そう厳しくいう事もいないじゃろ」

 

叢雲「二人ともこの場は私達が預かるわ。古鷹さん、悪いけどちょっとの間だけ秘書艦の役割代らせてね」

 

初春「榛名殿も少しだけ我慢してたもれ。大佐に会うなら彼が落ち着いてから、の?」

 

古鷹「分りました。お任せします」

 

榛名「あう......私ったら......ご迷惑をお掛けしました。大佐をお願いします」ペコリ

 

叢雲「ええ。任せなさい」

 

初春「期待に十二分に応えてみせようぞ」ブイッ

 

古鷹「お願いします。それでは――」

 

榛名「失礼しました」

 

バタン

 

 

叢雲「......」

 

初春「さて?」

 

叢雲「一体どうしたのよ?」

 

提督「これを......」

 

叢雲「恒例の資材残量ね。今度も弾薬が3桁なのかしら? それとも2け......」

 

初春「ん? おお、これは凄い。マル一つか」

 

叢雲「大佐これ......」

 

提督「ナノ資材は怖いな。手軽に運用できる分、消費する時の配慮が欠けてしまう」

 

初春「何に使ったのじゃ?」

 

提督「榛名の改造に......」

 

叢雲「ああ......そりゃ言えないわよね」

 

提督「榛名を見た時罪悪感でちょっと取り乱してしまった」

 

初春「ちょっと?」ニヤニヤ

 

叢雲「初春」

 

初春「はいはい」コウサーン

 

叢雲「でも、これは......どうしよう。うーん......」

 

提督「補給だけでなく、開発や建造にも転用できるとはな。ふっ.....調子に乗ってしまった」

 

ダキッ

 

初春「よしよし。大佐に悪気はなかったのだから、そんなに思いつめる事はないぞえ」

 

叢雲「あ、ちょっと」

 

初春(役得じゃ)ニヒヒ

 

提督「......すまない」ギュッ

 

初春「あ......ん......ふふ。よいよい」(愛いのお♪)

 

叢雲(大佐......こりゃそうとう参ってるわね)

 

叢雲「ま、資材に関しては大淀さんと加賀さんと......」

 

初春「あと、秋雲と夕雲じゃな。あ奴達もなかなかやりおる」

 

叢雲「うん。それ以外にも頼りになりそうな子達に相談してみるからそんなに心配しないで」

 

提督「ああ......」

 

叢雲「それじゃわたした......」

 

叢雲「初春」

 

初春「んー?」ナデナデ

 

叢雲「頼んだわよ、大佐」

 

初春「うむ。任せておけい」ブイッ

 

叢雲「もう......」クス




その後、叢雲と達の尽力で存在がなくなってしまっていた弾薬はあっという間に6000まで回復したようです。(リアル)

ベテラン勢スゲー!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。