提督の憂鬱   作:sognathus

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本部の大将の訓練の様子です。
超厳しいです。


第30話 「訓練」

大将「射撃訓練開始」

 

雷「ってぇー!!」

 

ドーン!

 

大将「遅い! もっと早く撃て! 敵に反撃する隙を与えるな!」

 

電「撃ちます!」

 

ドーン!

 

大将「全然駄目だ! なんだそれは!? もっと的をよく狙え!!」

 

暁「撃つわ!!」

 

ドォーン!

 

大将「的に当てればいいというものじゃない!! しっかり真ん中に当てて粉砕しろ!! 甘い!!」

 

利根「参る!!」

 

ズドッ!!

 

大将「まだまだ! 着弾に時間が掛かってるぞ! 誤差修正をもっと念入りにしろ!!」

 

筑摩「いきます!!」

 

ドォーン!

 

大将「衝撃を完全に受け流せてないぞ!! もっとしっかり構えろ!!」

 

衣笠「......っふ!」

 

ド......オオオン!

 

大将「マシな方だが調子に乗るなよ! もっと撃て! もっと精度を上げろ!!」

 

 

――数分後

 

ぜぇ......はぁ......ひぃ......げほっ。

 

大将「後2分で訓練再開だ。これで終わりだと思うな! まだ続ける意思がある者は返事をしろ!!」

 

全員「サッー!!」

 

大将「よし! 今日は泣いてもやめんからな!! 覚悟しろ!!」

 

全員「サー、イエッサー!!」

 

 

彼女「......相変わらず大将の訓練は凄まじいわね」

 

武蔵「ああ、私も参加した事があるが、途中で泣いてしまった......」

 

彼女「あなたが? 訓練に耐えれなくて?」

 

武蔵「いや、訓練自体は耐えれる自信は始終揺るがなかった。ただな」

 

彼女「?」

 

武蔵「大将が怖すぎて......」

 

彼女「ああ......」

 

武蔵「嫌ってるわけじゃないが、以降それがトラウマになって私は大将が苦手なんだ」

 

彼女「擁護する形になるけど、大将がああなのは戦闘や訓練の時だけだからね? それ以外はただ真面目な提督よ?」

 

武蔵「分ってるさ。この前廊下ですれ違った時も自分から挨拶してくれたし」

 

彼女「うん。だから普段は怖がる必要はないわ」

 

武蔵「ああ、でも......そうだと分っていてもだな......」

 

 

大将「何をしている!? 立て! 遅い!! そうだ!! まだまだ!!」

 

 

武蔵「......」サァ

 

彼女「......あの日々の訓練の結果、大将の艦隊の子達は戦艦は勿論、駆逐艦の子まで“駆逐艦の皮を被った何か”と言われるまでの精強なのよね」

 

武蔵「お前の艦隊だって強いと思うぞ?」

 

彼女「当り前よ。私も訓練に手を抜いているつもりはないわ。でもね、あれを見ちゃうとねぇ」

 

武蔵「......やっぱり演習をしたら負ける、かな」

 

彼女「全力で当たる、としか言えないわね」

 

武蔵「そうだな。勝つけどな」

 

彼女「ええ、そうよ。その気持ちを忘れないで」

 

武蔵「ああ」

 

 

大将「よーっし! 今日はここまで!!」

 

雷「......」バタッ

 

電「う......うぅ......」フラフラ

 

暁「きょ、今日も泣か......なかったわ」

 

利根「は......ははは、はぁ......」グテッ

 

筑摩「う......水......水さえあればまだ......」

 

衣笠「すぅ......はぁ......。う......」クラクラ

 

 

パシャァァァァァァ

 

雷「あ......」

 

電「水......」

 

暁「はぁ......気持ち良い」

 

利根「あー......ごくごく。ぷはぁっ。ははははは、美味い!」

 

筑摩「......んー......。はぁ......極楽です......」

 

衣笠「ひゃぁー♪」

 

大将「今日もよく耐えたな。これでまずは体を冷やせ。落ち着いたらシャワー浴びて休んでよし」

 

「了解です! ありがとうございます!」

 

大将「よしっ、解散!!」

 

 

利根「んー、今日の訓練も厳しかったのー」

 

筑摩「ほんと、いつももうダメかと思ってしまいます」

 

雷「でも耐えたわよ! 次だって耐えてみせるわ!」

 

電「なのです! 電は次の訓練もへっちゃらです!」

 

衣笠「実際本当にキツイけど、終わった後は気分が良いわよね。いろいろ鍛えられるし」

 

暁「淑女としては最高潮のレベルにわたし達いるんじゃないかしら」

 

雷「随分アクティブな淑女ね。ま、いいけど♪」

 

電「部屋に戻って早く寝た......あ、アイスがありました!」

 

筑摩「えっ」

 

利根「誠か!?」

 

電「はい。この前第3司令部の中将さんがお裾分けしてくれたのです」

 

衣笠「あー、あの人かぁ。よくいろいろくれるよね。私達に気があるのかな」

 

暁「ちょっとそういう事は思っても言っちゃダメなのよ? 噂にでもなったら中将が可哀想じゃない」

 

利根「そうか? あの方はあまりそういうの気にしない性格に見えるがの」

 

筑摩「そうですね。何というか......よく分らない方ですよね」

 

衣笠「見た目や仕草は凄くオジサンなのよねぇ。でも仕事はしっかりやってるみたい。仕事してるとこあまり見た事ないけど」

 

暁「そ、それって大丈夫なの?」

 

雷「大丈夫なんじゃない? だって、現になんの問題も起きていないから」

 

利根「そうじゃの。と、それよりアイスじゃアイス! 電、人数分はあるのじゃろうな?」

 

電「はい。勿論です」

 

衣笠「やったぁ。アイス祭りよー」

 

暁「訓練の後のアイス......はわぁぁぁ」

 

筑摩「とても良いものですね♪」

 

雷「早く、行くわよ!」

 

 

~第3司令部、提督執務室

 

中将「へっくし」

 

信濃「風邪?」

 

中将「んーどうだろうね。あ、信濃さんお茶」

 

信濃「どうぞ」

 

中将「ズズ......はぁ。よっと」ギシッ

 

信濃「何処へ行くの?」

 

中将「ちょっと煙草吸いにトイレに」

 

信濃「外で吸いなさい外で」ジトッ

 

中将「はい......」




新キャラ登場です。
信濃は秋に来るとか聞いたことあります。

空母的には加賀より強いのだろうか、設計図で戦艦になったりするのだろうか。
夏イベントが目前なのに頭は秋の事を考えているという季節外れの筆者でした。

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