提督の憂鬱   作:sognathus

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目覚めたら女の子になっていた。

これは夢なのか?


第27話 「悪夢2」

朝目覚めて鏡を見たら女性になっていた。

髪が長い。

背が男の時より縮んでる。

腕は細い。

腰も明らかに縊れて尻が若干大きくなったような。

胸は......これは、叢雲と同じくらいか?

そしてなにより......なくなっていた。

 

 

提督(さて、どうしたものか。夢に違いないが、だとしてもこの状態から目を覚ます手段がない)

 

提督「......もう一度寝るか?」

 

 

トントン

 

提督「ん?」

 

加賀「大佐、加賀です。朝食をお持ちしました」

 

 

提督「......」

 

提督(この姿を見て夢の中の加賀はどう思うだろうか。いや、意外とこれがデフォルトの世界かも)

 

 

加賀「大佐?どうかしました?」

 

 

提督「いや、何でもないはい――」

 

バンッ

 

 

提督「きゃっ」(何だ今の? 俺の声か? 俺の口から出たのか?)

 

加賀「......」ジッ

 

提督「ひっ......」(怖い。クソ、なんだこの感情は? 止められない)

 

加賀「あなた誰ですか?」

 

提督「えっ」

 

加賀「何故大佐の服を着ているんですか?」

 

提督「か、加賀俺は――」

 

加賀「申し訳ありませんが、あなたに呼び捨てにされる程親しい関係だった覚えはありません。というよりあなたを私は知りません」

 

提督「っ......」

 

加賀「もう一度訊きます。あなたは誰ですか?」

 

提督「......大佐、です」

 

加賀「はい?」キッ

 

提督「大佐......です」

 

加賀「......」

 

提督「う、嘘じゃない......です。本当に......」

 

提督(俺が俺でないみたいだ。女性というのは責められるとこうも心理的に弱くなり易いものなんだな)

 

加賀「......私が機嫌が悪い......もとい、拗ねた時によく大佐にする癖があります。分りますか?」

 

提督「え?」

 

加賀「......」

 

提督「......か、階級を下げて呼ぶ......です」

 

加賀「......どうやら本物のようですね」

 

提督「し、信じてくれるの?」

 

提督(もう最早言葉が女言葉しか出ないようになってきた)

 

加賀「信じたくありませんが。ふぅ、これは一体どうしたことでしょう」

 

提督「し、知らない......解ったらわたしが教えて......欲しい」

 

加賀「......」

 

提督「う......ぐす。ひっく......えぐ」

 

加賀「おいで」

 

提督「......え?」

 

加賀「来てください、大佐。安心させてあげますから」

 

提督「加賀?」トコトコ

 

加賀「......」

 

ギュ

 

提督「あ......」

 

加賀「何も怖い事はありませんよ。大丈夫、私がちゃんと守ってあげますから」

 

提督「か......が......」ウル

 

加賀「女の子の大佐というのもなかなか可愛いものですね」ナデナデ

 

提督「あ......加賀......」

 

提督(撫でられるのがこんなに心地良くて安心するものだとは)

 

加賀「大佐、このままお眠りください。そして目覚めればきっと何もかも元通りです」

 

提督「そう......かな」

 

加賀「私が保証します。もしダメでも......」

 

提督「うん......」

 

加賀「私が男に“戻して”さしあげますから」ギラッ

 

提督「!!!!」

 

 

提督「......っ!」ガバッ

 

提督「......」

 

提督「夢......か?」

 

ギュウゥ

 

提督「......な......っ!?」バサッ

 

隼鷹「にへへー、大佐ぁ」ニギニギ

 

飛鷹「もう、これ以上のへないわひょー」グデー

 

提督「......」

 

ココンッ!

 

2HIT!

 

隼鷹「あいたー!?」

 

飛鷹「いっ......え? あれ?」

 

 

――数分後

 

提督「......なるほどな。俺が一緒に酒を飲む約束をしたのにいつまでも誘いが来ないから......」

 

隼鷹「晩酌してたらそのまま飛び込み参加しようかなぁって......」

 

飛鷹「でも寝てたから......二人だけ始めて......」

 

提督「そのまま酔い潰れて寝た結果、ソファーから大移動して俺のベッドに潜り込んだと?」

 

隼鷹・飛鷹「はい......」

 

提督「......」

 

隼鷹・飛鷹「ごめんなさい」

 

提督「いや、俺もいつまでも誘わなかった所為もあるからな。今回は大目に見よう」

 

隼鷹「え、じゃぁ今から飲み直し!?」キラキラ

 

飛鷹「そうなの!?」キラキラ

 

提督「反省しろ」

 

カコン!

 

隼鷹「あうっ」

 

飛鷹「ごめんなさい......」

 

提督「......飲み直しは今度な」

 

隼鷹「ホント!?」パァ

 

飛鷹「絶対よ!?」パァ

 

提督「どれだけ酒が飲みたいんだお前たちは......」

 

隼鷹「違う! あたしは大佐と酒が飲みたいんだ!」

 

飛鷹「そうよ!」

 

提督「分った。分ったからまた今度な。絶対俺から誘うから」

 

隼鷹「むぅ、約束したよ! ちゃんと誘ってよ!」

 

飛鷹「待ってるからね!」

 

提督「ああ、約束する」

 

バタン

 

 

提督「ふぅ......」

 

提督(あの夢は、女心をもう少し知るべきだという警告だったのかもしれないな)

 

提督「だがそれにしても......」

 

提督「......」ゾクッ

 

提督(いや、考えないでおこう。どうやって男にするつもりだったかなんて、な)

 

 

~赤城と加賀の部屋

 

赤城「加賀さん何を読んでるの?」

 

加賀「前に大佐に貸した本を読み直してるの」

 

赤城「どんな本?」

 

加賀「夏だからちょっと怖いのをね」

 

赤城「へぇ、私も読んでみようかしら」

 

加賀「......止めておいた方がいいわ。これ、結構過激よ?」

 

赤城「え、そうなの?」

 

加賀「ほらこのページなんて」

 

赤城「う......ぶ、文章なのに結構来るものが......」

 

加賀「ね?」

 

赤城「よ、よく平気な顔して読めますね」

 

加賀「違うわ」

 

赤城「え?」

 

加賀「読み始めたら、怖くて目が離せなくなってしまったの......」カタカタ

 

赤城「へ?」

 

加賀「赤城さん......助けて......」グス

 

赤城「......っ」

 

加賀「赤城......さん?」

 

赤城「もうっ、加賀さん可愛い!」ダキッ

 

加賀「きゃっ」




ホラーっぽいの第二弾。

ま、単に女の子になって可愛くなった提督を書きたかっただけですが。
案の定上手くいってない感、バリバリですね。
もっと頑張ります。

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